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【読書感想】女の子は、明日も。

こちらの作品は、女性なら共感できることが多いと思いました✨
4人の女性が登場人物なのですが、それぞれが色々な悩みを持っていて、毎日葛藤しているんです。環境も考え方も違う4人だからこそ、刺激をもらえます🥰
みんなそれぞれ色々抱えて生きてる―自分だけじゃやない。そう思える一冊です。


あらすじ

25万部を超える「タイニータイニーハッピー」など、現代の女性のリアルな自意識と希望を描き続けてきた著者の、集大成。
14年ぶりに再会した四人の女性達。かつての"仲間"は今日の"敵"……。
既婚者の男を妻子から略奪し結婚した麻里子。営業部での成績は良かったのに編集部では企画が落ち続ける女性誌編集者・悠希。裕福とはいえない暮らしをしながらもあてのない不妊治療を始めた、マッサージ師の仁美。 売れはじめた途端に周りからの嫉妬にさらされる翻訳者・理央。
30代女性のプライドと思惑が交錯し、生活や仕事、恋愛や体の問題に振り回されながら、確かな光を得るまでを描いた。
欲望の輪から自由になれる、感涙必死の物語。



心に残った文章5選

満里子が誰にも言えなくて、でもずっと抱え続けていた想いを、彼女は口にしてくれた。どうしてこの女の子は。満里子が欲しい時に、すっと与えてくれるのだろう。まるで魔法使いみたいだ。

女の子は、明日も。

言葉選びって、本当に難しい。
人間は、自分が一番可愛いとよく言います。ですが、「これを言ったら、あの人が傷つくかな」と考えますよね。
こう言ったら相手は喜ぶだろうな」と自然に考えることができて、相手にすっと手を差し伸べられる。私も、そんな魔法使いのような女性になりたい。
「相手にこう言われたい」「こう評価されたい」ーそんなことを一切考えずに、相手に与えてあげられる素敵な大人になりたいと思いました。

あぁ、美加の言う通りだ。男の人に頭を撫でられるのが嫌いな女の子なんて、いない。女の子は、誰でも喜ぶだろう。好きな男の人から、されるのなら。

女の子は、明日も。

頭をポンポンされるのが好きという女性は多いかもしれないですね。
10年くらい前、私が恋愛真っ盛りだったときは、「異性に○○されたら嬉しい」というランキングを見て、友達とよく盛り上がっていました。笑
「一般的に喜ばれることでも、自分にとっては嬉しくない」ーそんなことってありますよね。でも、それが、自分の好きな人からだったら?絶対嬉しいですよね。照
好きな人からなら、何をされても嬉しいもの。それが恋なんでしょうね。


自分の恥ずかしいところを認めて、浩介は偉いと思う。だから、結婚したいと思ったのだ。この人となら、気を張らずに穏やかに、仁美らしく過ごせる。そして、この人といれば、いつか今の自分よりも、もう少し強い自分になれる、と。

女の子は、明日も。

これってすごく難しい。文字にすると、簡単に見えますが、「自分を認める」って、出来ている人がほとんどいないから、すごいと思います。
自分の○○なところがダメって分かっていても、それを認めるって、難しいですよね。「自分は○○だけど、いいかな?」と、他人に言えるくらい、弱い自分も認めてあげられるようになりたいと思いました。

「誰にでも、どれだけ欲しがっても、どうしても手に入らないものって、きっとあってさ。そういうものがあるってことにおいては、誰でも平等だと思うんだけそ、僕はさ」「でもそういうことを受け止められない人がいて、そういう人が子供が手に入らないものを欲しがって泣き叫ぶみたいに、喚いたり、人を攻撃したりするんだろうな」

女の子は、明日も。

世の中には「成功者」と呼ばれる人が何人もいますね。
お金、地位、名誉…なんでも持っていそうな人。私は、そういう人を見ると、羨ましくて羨ましくて仕方ないです。数年前まで、妬んでいた時期もありました。
でも、そんな妬んでばかりの自分に嫌気がさして、すべてのことに「期待しない」ようにしようと考えるようになりました。
自分の欲しいものが手に入らなくてもいいじゃん-そんな風に考えられるようになりつつあるのは最近です。手にはないらなくて、苦しくて、辛くても、それが手に入ったら自分は満足なのか。そんなのは実際に手に入って見ないと分からないですよね。
どんなに欲しいと切望しているものが手に入らない人生でも、また欲しいと思えるものを見つければいいだけ。ゆっくりゆっくり「欲しいもの」を探していけばいいんだなと思える言葉ですね


「できることなんて、一つしかない。それも、本当にできているのかどうかも分からない。でも、その唯一出来てるかもしれないことを、仕事にできたのは、すごく幸せで、ありがたいことだと思う。だから、私は、今後もそれをして生きていきたい。」

女の子は、明日も。

他人から見たら「羨ましがられる人生」であっても、実際に本人に聞いてみると、そうでもないなんてことは、しばしばあると思います。
タレントや芸能人なんて、まさにそう。よくSNSでタレントさんがお弁当の写真を更新すると「どうせ自分で作ってない」「家政婦さんがいていいですね」などと嫌味を言われることがあります。
ですが、本当にそうなのでしょうか。実際に、そのタレントさんの生活を覗いてもいないのに、勝手な憶測、であーだこーだ言うのは、違うんじゃないかなと思います。
この人は○○と決めつけないで、人と接することが出来るようになりたいですね。



まとめ

私が一番好きなのは、仁美のお話。
不妊治療を頑張っているけれど、なかなか上手くいかなくて苦しんでいる姿は、すごく切なかったです。自分では「頑張っている」のに、成果が出ない時って、辛いですよね。不妊治療なら、自分だけじゃなくてパートナーの協力も必要だから、相手にも強要してしまう時もありますよね。
そんな頑張り屋さんの仁美の旦那さんである、健介は、すごく素敵な人。優しいのはもちろんなんですが、「自分の弱さを認めている」というところが素敵だなと思いました。私も含め、「自分の短所を認める」って難しいと思うんです。「自分は○○ができない」って、文字にすると簡単だし、言えばいいじゃんって思うんですけど、実際に他人に、それを言うのって難しいんじゃないでしょうか。プライドや見栄もありますよね。やっぱり他人からはよく思われたい、というのが人間の本音じゃないですか。
私も、健介みたいに「ありのままの自分」を受け入れる私でありたいと思いました。
物語自体は、一応短編になるのかな?4人のそれぞれの視点から描かれています。
4人とも傍から見ると、悩みなんてなさそうで、幸せそうなのに、実際は、全く違っていて。それぞれ悩み苦しんでいます。他人の苦しみを「大したことない」なんて、決めつけるのは、絶対によくない。
他人の悩みに共感しよう、思いやりを持って接しようと考えさせられました。

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