【エッセイ】わたしの行方
この道はどこまで続いているのだろう?
三者面談の帰り道、ふとそんな事を考えた。
私の将来の夢は教師だ。
憧れの先生がいたからとか、そういう理由ではない。
どの職業よりも自分が働いている姿をイメージできるのが教師だった。
だから、将来の夢を問われたときは「教師」と答えている。
教えたい教科もやんわりと考え始めた。
自分が教えられるだけの自信のある教科。
それは音楽。
三歳から某音楽教室に通っていたため、
ただピアノで曲を弾くだけでなく、
初見演奏や即興演奏、聴奏(いわゆる耳コピというやつだ)もできる。
一応。
今は別のところでピアノを習っている。
某音楽教室の先生とは、
考えが合わなくなったから。
みんなで音を奏でる楽しさも知っている。
中学生の時は吹奏楽部だった。
ユーフォニアムという楽器を担当していた。
みんなの息を吸う音。
重なり合うメロディ。
最後の一音の余韻。
全てが心地よかった。
高校に進学しても
吹奏楽部員でありたいと思っていた。
学年内で、いざこざが生じるまでは。
私ができる教科は音楽しかない。
いや、音楽がやりたい。先生になりたい。
でも私にとって、
音楽は息苦しくなるような思い出が纏わりついているものでもある。
どうしよう。
「大いに悩め」
大人は言う。
わかってますって。
だから今、ゆっくりじっくり悩んでるんだって。
それでいて、
決めなきゃいけない時が迫っているって事に
焦ってるんだって。
この道はどこまで続いているのだろう?
途中で誰と出会うのだろう?
ここから先は坂道が多いかもしれない。
真っ平らとか、レールが敷かれているとか、
そういう道かもしれない。
知れるものなら早く知りたい。
私はいつの間にか走り出していた。
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