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ママになって「163cm60kg」が定着したけれど、ダイエットしていない理由。

妊娠した当時は、ホットヨガのインストラクターをしていた。

週休2日で毎日2レッスンして、帰ってからもヨガの勉強をして、休日も仲間とヨガをしにいく。

「好きを仕事にする」という会社のモットー通り、ヨガ漬けの毎日を送っていた。



私は食べるのが大好きで、幼い頃からぽっちゃりしていることが多かったけれど、それだけ動けば食べても勝手に痩せる。

163cmの49kgくらい。

人生で1番痩せていた。

(当時、スタジオのインストラクター紹介ページでHPに掲載されていた写真より)



そんなある日、機械のようにピッタリ28日でやってくる生理が来ていないことに気づいた。「まさか!」と思ったけれど、同時に「赤ちゃんがいるような気がする・・・」と思った。予想通り、人生はじめての妊娠検査薬で陽性が出た。

ホットヨガは、妊娠が発覚した瞬間からやってはいけないので、私はその日からレッスンをすることができなくなった。


でも食欲は変わらない。

つわりはひどくはなかったけれど、いつもなんとなく胸がムカムカしていた。そんなとき、何か食べるとムカムカがおさまった。いわゆる「食べづわり」だ。そして、マクドのポテト&ぼんち揚げが妙に食べたくなって、頻繁に買って食べた。


出産直前、163cm65kgになっていた。

出産前から16kg太ったことになる。


出産後、体重はそれなりに減るだろうと思っていたけれど、1度は56kgまで減ったものの、今は60kg前後で安定している。

私は今、人生で1番太っている。

(さっき家で自撮りした写真。)



「デブ」とは言われない。
でも決して「スリム」ではない。

「ぽっちゃり」という表現が1番しっくりくる。



でも私は今、すこぶる体調がいい。35度台だった体温が36度台にあがった。体も別に重たく感じない。息子は「母ちゃんかわいい〜♪」と言ってくれるし、旦那さんも「別に今くらいでも俺は全然いいよ〜♪」と言ってくれる。本音じゃない可能性もあるけれど、私には彼らが心の底から言っているように聞こえる。友達や実家の家族には「太ったなぁ〜」と言われたりイジられたりすることはあるけれど、別にそれで終わり。普段着はゆったりしたものが好きなので体のラインはあまり見えないし、プールや海でビキニを着たいとも思わない。そもそも海が怖いのでなかなか行かないし、子供とプールに行くときにビキニなんて着ない。そしてインスタはやめてしまったので「よりかわいい私」を見せる場面もない。


つまり、痩せる理由が全く見当たらない。

さすがに見苦しいほどには太りたくはないけれど、好きなだけ食べて飲んで60kgをキープできているのならば、今の感じで過ごしていきたいなって思っている。


でもヨガをはじめる前までは、ダイエットばかりしていた。いつもいつも「痩せなきゃ」って思っていた。


痩せたらもっと自分に自信がもてるような気がしたし、もっと可愛くなって素敵な恋を楽しみたいと思っていたから。


今思えば、ぽっちゃりしていても自分に自信はもてるし、ぽっちゃりしていても素敵な恋は楽しめるのにって思う。逆に、痩せていても自分に自信をもてるとは限らないし、痩せていても素敵な恋が楽しめるとは限らないのになって思う。

仮に痩せて自分に自信がもてたとして、素敵な恋を楽しめたとして。それはそれでしんどいな、とも思う。その成功体験は「痩せていないと私はうまくいかない」という思い込みを自分に刻む。もしまた太ってしまったら、また自信がなくなり、恋も楽しめなくなるだろう。


けれど当時は、目に見えるわかりやすい「形」を美しくすることが1番近道のように思えたのだ。




私はヨガで1度痩せて、ヨガのポーズをとらなくなって、また元通りの「ぽっちゃり」に戻った。

でも「ぽっちゃり」に戻った私は今、とても満たされている。


それはきっとヨガのおかげだ。


私はヨガで「痩せる方法」を学んできたわけではなくて、ヨガで「体と心と私が仲良くなる方法」を学んできた。


ポーズをとると、気持ちいいなとか、つらいなとか、心が動く。呼吸に意識を向けてみたり、ポーズをゆるめてみたり、またがんばってみたりして、そのポーズの中で最大限の「安定」を探す。

その体と心の過程を、
「私」が観察している感覚。


心が揺れているときにポーズをとると、ポーズも不安定になる。でも体や呼吸に集中して調整して安定させていくと、いつのまにか心もおだやかになっていることに気づく。

その体と心の過程を、
「私」が観察している感覚。


その過程はまるで、日々いろんなことのある人生の縮図みたいだ。その縮図を使って、自分の人生を自分の力で安定させる練習をしているみたいだなっていつも思う。


そんなふうに体や心のつながりを感じたり、丁寧に丁寧に自分の体と心と向き合う時間が増えていくと、一瞬として全く同じ瞬間のない「今この瞬間の体と心」が愛おしくなってくる。

今この体だから経験できることがあって、今この体だから感じられることがあるんだと気づく。


「太っている=ダメ」「痩せている=良い」という思い込みがうすくうすくなっていって、休みなく働き続けてこの地球でいろんなことを体験させてくれている体と心に「ありがとう」の気持ちが湧き上がってくる。


そして、誰かからのジャッジや、人からどう見られるかよりも、今自分が何を感じているかが1番大事なんだとスコーンと腑に落ちる瞬間がやってくる。


だから、内側の自分が「痩せてキレイになりたい」と感じているのなら痩せればいい。でも、痩せる必要を感じないのなら痩せなくてもいい。

ママになった今の私は、食べるのをがまんしてすごくキレイになるよりも、食べたいものを楽しく食べて、見苦しくない程度の体型を保つくらいがちょうどいい。だから痩せなくても別にいい。


逆に、オシャレが大好きだったり、美しさを追求することに幸せを感じる人は、痩せた方がいろんな服を着こなせるし、きれいな体のラインはやっぱり美しいから、痩せた方が幸せだと思う。私にだって今後そんな気持ちが湧いてくることがあるかもしれない。そのときは工夫して痩せればいいと思う。

痩せていても痩せていなくても、別にどっちでもいい。自分がその時々でより幸せを感じられる方を選べばいい。

そんな自由な感じは、快適で心地よい。







「あれ?私今けっこうぽっちゃりしてるけど、痩せなきゃなって思わないな。何でだろう?」

最近そんなことをふと思ったときに、そんなことを考えた。



出産後、ぎっくり腰からの坐骨神経痛になってからは「ポーズをとる」という意味でのヨガからは離れてしまっていたけれど、私は今まで一生懸命学んできたヨガの考え方に支えられていたんだなと気づいた。


体に痛みがある中でも、今の自分にできる範囲で体を動かしていた。坐骨神経痛のときにしか感じることのできない「体の痛み」や「感覚」や「心の揺れ」を経験していた。痛みやしんどさの中でも、最大限自分が安定できる場所を探していた。


私はヨガから離れていなかったんだな。
できなくなったと思っていたけれど
ずっとヨガをしていたんだな。


そのことに気づいたとき、
なんだかすごくうれしかった。



私は今、ヨガインストラクターの仕事はしていないけれど、「ヨギーニ」=「ヨガをする女性」であると胸をはって言える。


163cm60kgの「ぽっちゃりヨギーニ」だ。


ヨガをしている人が痩せているとは限らない。ヨガは人を選ばない。


ヨガは、ヨガが必要な人のそばにそっとやってきて、そっと大切なことを教えてくれて、またそっと離れていく。でも1度ヨガと出会ったならば、もうヨガは自分の一部になっていて、その時々でいろんな角度から自分を助けてくれる。


もしここまで読んでくれた方がいて、なにかピンッとくる方がいたとしたら、ヨガはあなたのすぐそばで、気づいてくれるのを待っているのかもしれない。


やるかやらないかを選ぶのはその人次第だけれど、私自身はヨガと出会えて本当に本当によかったなと思っている1人で、これからもヨギーニであり続けたいなと思っている。


けっきょく「ヨガ、いいよ〜」みたいな文章になってしまったけれど。

163cm60kgの私が、くびれのないお腹やムチムチのお尻と太ももを鏡で見ても「痩せなきゃ〜」とほとんど思うこともなく、満たされた気持ちで毎日をおくれているその理由は、「ヨガをしているからだよ」と答えたかった。

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