見出し画像

#11 初対面コミュニケーション術 2000人以上への取材を元に

今日のテーマはズバリ、コミュニケーション。初めて会った人とどうやってコミュニケーションをとったらいいのか。
これまでに22年間報道の世界で生きてきて、2000人を超える人たちに出会い、取材し、そしてインタビューなどをし、さらに仕事上出会った人の中でも仲良くなり、今も関係が続いている人たちがいます。

そこで振り返ってみました。

どのようにして初めて出会った人たちと仲良くなっていったのか。仕事上の出会いの場合、ある一定の緊張感が生まれます。そのなかでどうやって、特に相手の目上の方だったり、取材先としてとても重要な人だったり、そうした人たちと仲良くなれたのか。失敗が許されない初対面をどうやって乗り越えてきたのか。それは、ひとえに雑談力なのかなと思いました。

もし皆さんご自身がものすごい特殊技能の持ち主、もしくは経験の持ち主ならばおそらくさほどそんな苦労しないと思うんです。

例えば宇宙飛行士だったとする。いろんな話聞いてみたいですよね。

僕も仲良くしてくださった宇宙飛行士の方々がいました。もう10年ぐらい前になりますけれども、聞いた話はいまだに忘れられません。一時間ずっとその方の話を聞いていて飽きることありませんでした。
なんせ、ほとんどの人類にとって未知の世界です。例えば、国際宇宙ステーションの香り、匂いは部室のようだったと話した宇宙飛行士がいました。空気入れ変わらないですもんね(笑)

初めて国際宇宙ステーションの外に出て、宇宙遊泳をしたとき、自分の足のすぐ下に広大な青い地球、その星があったときに感じたあの感動は忘れられないと熱く語っていた人もいました。
そういう話ってこうやって10年たっても忘れない。
そのぐらいインパクトのある経験の持ち主ならば別にいいんです。でも、一般の人間、普通に生きている私達は果たしてどうやって話を繋げていったらいいんでしょうか。

ポイントは共通の話題

ポイントとなるのは共通の話題、です。なんだそんなことか、簡単じゃないかと思うかもしれませんが、なかなかこれを探すのは大変なんです。

映画の話題、本、ゲームの話題でもいいし趣味の話題でもいい。海行くのが好きな人もいれば、ウィンタースポーツが好きな人もいるし、いろんな趣味があります。そういう何らかの話題をいろいろ振っていく中で、相手のまず興味関心がどこにあるのかを探る。仮に自分が全く興味ない分野であったとしても、やはりそこを無視するわけにもいきません。

かといって全く知らない世界に対して、適当に話をあわすわけにもいきません。むしろ相手からしてみたら、なんだなんにもわかってないじゃないか、適当に話合わせたなと思われかねません。

ならどうしたらいいのか。

まずはまずは相手の趣味趣向、どういったものに興味を持っているのか。聞き出す努力をする。休日は何をしてるんですかでもいいですし、寝る前に何してるんですか、仕事終わって帰った後はなにしてるんですか。ご家族がいらっしゃる方の場合は家族でどこかでかけたりすることあるんですか、夏休みのご予定はでもいいですし、もしくは1人になったら何してるんですかとか。そういう日々の生活、失礼じゃない範囲で聞いていく中で、この人はそういうことが好きなんだ、そういったものを聞いていく。

もしそこの相手が興味を持っている分野が、自分も興味を持っている分野だったらもうしめたものです。それ僕も好きなんです!一気に話が膨らみます。あそこいいですよね、こんな経験しましたとか、口コミに勝るものはありません。

でもなかなか見つからない場合どうするのか。

その場合は、相手が最も興味を持つもの、関心を持っているものに対して質問をするというのも手です。ああ、森下くんはこれに興味を持ってくれてるんだな。そう思ってもらうことも重要なんじゃないかと自分は考えています。

関係性が深まれば新たな知識が増えていく

理屈とかを説明してるとちょっといやらしい感じもしますけれども、でもそれで相手と仲良くなって良い関係性を築いてきたんだなと思いました。
テクニックとしてのコミュニケーション術は、自分がこの20年間で培ってきたものなんですけれども、それによって相手との摩擦が生じたこともありませんし、むしろ話が弾んでいくし、何なら自分の知らない世界と出会ったりするので、そこでまた新たな知識が蓄えられていく。また次にその人と会ったときによりその分野を深掘って聞いてみるのも手です。
何も知ない状態でいくとこいつ適当だなと思われますけれども、ある一定の情報収集、今はもう、どんな形でもできますから、ネットで調べてもいいし、もちろん本を読むのでもいいし、何らかの一定の知識を吸収した上で、でもわからないことがあったらそしてその人の得意分野だったら聞いてみる。そうすると、この人は関心持ってくれてるんだなと。思います。

逆の立場を考えてみてください。

もし自分よりもちょっと年下の子、当然、自分より自分が好きな分野に関して詳しい可能性は低い。その子たちが「これこうしたらいいですか」「これはどういうことなんですか」って聞いてくれたら僕だったら嬉しいんですよね。
そうなるとお互い、より同じ分野、共通の分野でコミュニケーションを図ることができる。やがてそれはプライベートな関係にも発展していく可能性があります。

仕事上で出会って、お互い利害関係は最初あったんですけれども、最終的には関係が深まって、友達のように飲みに行くようになった人たちたくさんいます。友人として付き合っている期間の方が長くなり、もう完全にプライベートな関係になってしまったり。
そういう関係性まで持って行くことができたら、完璧なんではないでしょうか。人生より楽しくなると思います。

なので、雑談力は人間力でもあると。自分は考えています。その人間としての魅力、そういったものを増やしてくれるんじゃないかな、そんな気もしています。

だって、未知の世界、知らなかった分野を教えてくれる人がたくさんできたら素敵だと思いませんか。

(voicy 2022年4月2日配信)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?