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B.LEAGUE決算(2021-2022)パート2

第2弾として、今回は営業費用を見ていきたいと思います。
パート1は、以下からご覧ください。

営業費用は大きく、【試合関連経費】【トップチーム人件費】【トップチーム運営経費】【グッズ販売原価(関連経費含む)】【ユース・スクール関連経費】【その他】【販売費および一般管理費】に分かれています。
ちなみにJリーグでは、【チーム人件費】【試合関連費】【トップチーム運営経費】【アカデミー運営経費】【物販関連費】【販管費及び一般管理費】の項目に分かれており、リーグによって項目の取り扱いも少し異なるようです。

Jクラブの営業費用詳細
(出所:Jリーグ クラブ経営ガイド2022)

トップチーム人件費

トップチーム人件費と全体順位

トップチーム人件費は、アルバルク東京が最高額となっており、約10.8億円でした。最下位の滋賀は約2.5億円となっており、約4倍の差があります。
平均値:約4.9億円
中央値:約5.0億円
最大値:10.8億円(アルバルク東京)
最小値:2.5億円(滋賀レイクス)
この4倍の差については、別記事で紹介しておりますので、ぜひ見てみてください。

また、順位との相関関係もみていきたいと思います。

トップチーム人件費と順位

トップチームの人件費と順位の相関関係は、R²=0.498と相関関係が見られました。つまり、トップチームの人件費を高くすることによって、ある程度の結果を得ることができる可能性があるということです。もちろん、その他の要素があることでジャイアントキリングなどを楽しめるのもスポーツの要素でもあるため、一概には言えませんが、統計上はある程度人件費と順位は結びついていることがわかりました。

トップチーム運営経費

トップチーム運営経費

トップチーム運営経費は、川崎ブレイブサンダースが最も高く約1.5億円となりました。最も低かったのは新潟アルビレックスBBとなり、約0.3億円となりました。トップチーム運営経費には、旅費や、練習場の費用など含まれているようです。
平均値:約0.8億円
中央値:約0.8億円
最大値:1.5億円(川崎ブレイブサンダース)
最小値:0.3億円(新潟アルビレックスBB)

トップチーム運営経費と順位

トップチーム運営経費と順位の相関を見るとR²=0.44となり、少し弱い相関がみられました。選手の移動にかかる費用が含まれているため、一概には言えませんが、トップチームのクラブハウスなどにかける費用と、順位は多少の相関はあるのかもしれません。

販管費および一般管理費

販管費及び一般管理費と平均観客数

販管費及び一般管理費は、大阪エヴェッサの約5.4億円が最高額となり、三河の約1.7億円が最も少ないチームとなり、約4倍の差があることがわかりました。
平均値:約2.9億円
中央値:約2.7億円
最大値:約5.4億円(大阪エヴェッサ)
最小値:約1.3億円(シーホース三河)

また、すべての費用が集客や会員獲得に使われるわけではないため、参考となりますが、販管費と平均観客数の関係性も見てみたいと思います。

販管費及び一般管理費と平均観客数

販管費と平均観客数の相関は、R²=0.36と弱い相関関係が見られました。つまり、販管費と平均観客数は弱いですが、相関関係がみられるということがわかりました。しかし、今回のデータだけでは新規会員獲得にどれくらいの費用をかけているのか、既存会員向けのどれくらい費用をかけているのか、はたまたチケット販売に費用をかけているのかなど、細かいデータがないため、一概には言えませんが、あくまでも傾向として参考にしていただけると幸いです。

まとめ

これまで、単年度での決算にフォーカスして記事を書いてきました。次回は、過去数年分のデータを分析して、各チームの傾向を掴んでいきたいと思います。

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