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20歳の自分に受けさせたい文章講義

インプットだけでなく、アウトプットの重要性を痛感する今日この頃。

「言葉」で伝える技術を高めたく、古賀史健さんの著書「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読みました。

文章術に関する本を読んだのが初めてだったこともありますが、得られるものが多い良書と思いましたので、ご紹介いたします。


◆本書を読んで得られたこと

本書を読んだことで、主に以下の理解が深まりました。

1.「書く技術」を身につけることの重要性
2.そもそも「書く」こととは何か
3.文章の「リズム」の構築法
4.読者のイメージ
5.推敲とは

以下では、上記項目について簡単にご紹介します。


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1.「書く技術」を身につけることの重要性

文章を書く機会は、この先増えることはあっても減ることはありません。

30年前は仕事でメールを打つこともありませんでしたが、時代は変わり、そして急速に変化を続けています。

文章力をつけることは、業種や職種に関係なく生涯にわたって身を助けてくれる武器になります。


本を読むと、まず、頭のなかに『ぐるぐる』と読んだ内容がインプットされます。

インプットするだけでは、記憶の長期定着は難しいです。

読書をしてもしばらく経つと内容の大半を忘れてしまう、、、という方も多いのではないでしょうか。


インプットした内容を相手に伝わるように自分の言葉で”翻訳”して「書く」ことで、バラバラに散らばった内容が再構築され、理解を深められる、
と著者は言います。


私もまさに同じ悩みを抱えていたので、noteで「書く」ことによりインプットした内容を長期記憶に定着させ、文章力も向上させたいと思っています。


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2.そもそも「書く」こととは何か


「書くこと」に対する捉え方を多くの人は誤っていると、著者は言います。

「書こうとするな、翻訳せよ」が大原則です。


✔ 文章とは「頭の中の『ぐるぐる』を、伝わる言葉に”翻訳”したもの」である、という定義。

✔ 文章をうまく書けない人は、”翻訳”の意識や技術が足りていないのだ、という認識。


これらの大原則を覚えておくことは重要です。


✔「書くこと」は「考えること」である。「考える」ために「書く」。

✔「書く力」を身につけることは、「考える力」を身につけることである。


「考える」と「書く」の位置づけについて、本書を読むまではしっかり考えたことはありませんでした。
いかに「書く力」が重要かがわかります。

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3.文章の「リズム」の構築法


いわゆる「文体」というのは、「リズム」であると筆者は述べます。

端的に言えば、
「リズムの悪い文章」=「読みにくい文章」
であるそうです。


リズムは「視覚的リズム」と「聴覚的リズム」に分けられます。

両者のポイントは以下とおりです。

■ 視覚的リズム (圧迫感)

① 句読点の打ち方 (文字の圧迫感)
 →1行の間に必ず句読点をひとつは入れる。

② 改行のタイミング (行間の圧迫感)
 →早くていい。最大でも5行あたり。

③ 漢字とひらがなのバランス (字面そのものの圧迫感)
 →ひらがな(白)のなかに、漢字(くろ)を置く。


■ 聴覚的リズム (音読したときのリズム)

① 読点「、」の位置を確認する

② 言葉の重複を確認する


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4.読者のイメージ


あらゆる文章の先には、それを読む”読者”がいます。

筆者は次のいずれかの読者に語りかけるようにして文章を書けばよい、と述べています。

① 10年前の自分

② 特定の”あの人”


特に、①の
「10年前の自分」を読者として想定して文章を書く
というのは、面白い考え方だと感じました。


自分は特別、他人とは違う、と思う人は多いと思います。

しかし、人間はどんな時代も同じようなこと(普遍的なこと)を考え、同じようなことを悩み、同じようなことで苦しんでいます。


だから、今この瞬間も、日本のどこかに「10年の自分」(と同じような人)がいるはずです。

そのどこかにいる「10年前の自分」に向けて書きましょう。


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5.推敲とは


推敲とはハサミを使った”編集”であり、

① 書きはじめの編集
② 書き終えてからの編集

の2つの段階があるといいます。


本書のなかで、「文章」の編集を、「映画」の編集に例えていたのが非常に印象的でした。


映画監督は、苦労して撮影したカットに、身を削るような思いでハサミを入れていきます。

1秒単位のムダを排除していき、その結果、ようやく1本の映画ができあがります。

だから、どんな映画も監督にとっては無駄なカットは1秒たりとも存在せず、すべてのカットに関して「なぜこのカットがここに入るのか」を雄弁に語ることができるはずです。


同様に、文章を書く上においても、

「なぜここにこの一文が入るのか」

「なぜここにこの一文が入らないのか」

をしっかり説明できる自分であらねばならない、と筆者は思うようになったといいます。


今後この視点は是非とも取り入れていきたいと思いました。


また、「② 書き終えてからの編集」を、「過去の自分との対話」と表現していたのも興味深いです。

自分の文章にツッコミを入れ、ときにほめながら読み進めていくとよいと言います。

その際に、長い文章を見つけたら短い文章に切り分けることが大切だそうです。

理由としては、次の3つが挙げられています。

①冗長さを避けてリズムをよくする
②意味を通りやすくする
③読者の不安を和らげる


自分の書いた文章を最低でも2回は読み返す習慣を身につけることを、筆者は推奨しています。



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本書を読み、文章を書くことについて様々な角度から考えることができ、また、文章との向き合い方に確実に変化をもたらしてくれました。

上記でご紹介した一部内容の他、実用的な「文章構成のテクニック」なども惜しみなく披露されています。

書く能力をブラッシュアップしたい方に、是非おススメの一冊です。



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