屈斜路湖
カヌーで湖から釧路川源流を下った。
野鳥のさえずりが冷えた空気に反響していた。コツコツという音の方を見たらアカゲラが幹を叩いていた。
目線の高さの先の笹叢がガサガサと音を立てると「ほらそこに鹿のお尻」とガイド氏。でも僕には見えない。
「一点を探すんじゃなくて、全体を見るように…」
発情期のそれだという雄シカの高音の叫びが響き渡った。
思ったより大きいカワセミが、川面ぎりぎりを滑るように飛んでいった。
筋肉質の可愛い黒い小鳥は、たしかカワガラスって教えてもらった。
晩秋。
この季節もいいよ、と複数の地元の人が言っていた。
葉も落ちて、緑の季節では見渡せない景色。
湖畔の田んぼにたくさんの白鳥が休んでいた。
20年ぶりに再会できた友人は、この一帯の自然を守ること、アイヌの伝統を語り継ぐことをライフワークにしている。
季節外れ、登山道の整備ボランティアもやっている彼女のアテンドで登山客のない藻琴山に登ることができた。
わずか1時間程度の登山なのに、僕のイメージでは丸一日かけて踏破するような山の威風。尾根らしい尾根と、数人しか居られない山頂も。
山頂では晴れず残念だったけど、下山の時に雲が切れて神秘的な湖が広がり、オホーツクも望むことができた。
2週間経ってしみじみと振り返っている。
素晴らしいところだった。別の季節にも行かなきゃ。
Sさんありがとう。カヌーガイドの彼もね。
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