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スタートアップで経験してきたこと 〜キャリアアドバイザー→マネジメント編

こんにちは。クロス・シップという会社で代表をやっております、野崎です。

以前の創業ストーリーで記載した通り、自身のキャリアの大きな転機となり、その後においても自身へ大きな影響を与えているのは、間違いなく株式会社エス・エム・エスという会社に早期にジョインした経験だと思っています。

クロス・シップを経営していくにあたり、エス・エム・エスで見てきたこと、経験してきたこと、今振り返ってみて思うこと、などを整理してみようと思います。
これらは間違いなくクロス・シップに活用できると思っていますし、既に当社のミッションビジョンや戦略、組織人材の考え方などにも色濃く反映されている内容です。

当時の記憶を思い出しつつなので、主観でまばら、時系列もかなりバラバラです。この辺りは悪しからず、、m(_ _)m
今回は2期目から4期目あたりまでの自身のキャリアも含めた、キャリアアドバイザー→マネジメント編です。

キャリアアドバイザーとして仕事をスタート

私は2004年7月、エス・エム・エス2期目が始まったばかりのタイミングで入社しました。
当時社員数は10名ちょっと。
オフィスは九段下。後に数名から「鰻の寝床みたいだな」と呼ばれることになる、なぜか不自然に細長い、薄暗い雑居ビルでした。
入社後すぐに埼玉県担当のキャリアアドバイザーとして業務を開始。求職者さん・事業者さん双方を担当する、いわゆる両面営業です。
ケアマネージャー・介護福祉士・看護師などの方々と面談して転職のニーズを伺いつつ、
介護事業者・病院などの経営者や採用担当の方々と面談し、組織や人材のニーズを収集し、
双方をマッチングしより良い機会をつくることに精を出しました。

当時は「エス・エム・エス」という会社をまだ誰も知らない状態。その分、面談や営業には力が入りました。認知度も何もない状態で、当社のサービスを使う意思決定をしていただくのにはかなりの努力が必要でしたが、その分とてもやりがいがあって楽しかったのを覚えています。

両面キャリアアドバイザーの醍醐味

私は前職で3年間ITシステムの法人営業をしていたので、どちらかというと事業者さんの営業面談の方が得意だった気がします。求職者さんとの面談は当初そんなに得意でなく、当時の同僚に個人向け不動産会社出身の営業マンが多かったので、彼らから個人のお客さまとの接し方などを学ばせてもらうことが多かったです。
ちなみにこの頃会社で導入し皆で使っていた「SPIN話法」は、今でも使える不動の対話方法だと思います(クロス・シップでも当然使います!)。SPINを軸に、社内でもロールプレイングなどに時間を割き、面談や営業のスキルを皆で上げていきました。

求職者さんや事業者さんとの細かいエピソードは色々とありますが、両面営業していて最も嬉しかったのは、双方から直接「ありがとう」と言ってもらえることです。キャリアアドバイザーの醍醐味のひとつだと思います。
求職者さんにとっては転職は人生の大きな転換点。事業者さんにとっては採用はその後の経営に大きな影響を与えるファクターです。
「良い職場に巡り会えた」「良い人を紹介してくれた」と直接感謝されるのは、これまでにない非常に嬉しい経験でした。
前職では数百万円〜数千万円規模のITシステムの商談にチームで当たっていて、これはこれで学びが大きかったのですが、キャリアアドバイザーの仕事は自分に直接「ありがとう」と言ってもらえます。こういう経験はほとんどしたことがなかったので、気持ちが高揚しました。もっと良いマッチングをたくさん作って貢献したい、と思いましたね。

人材紹介という事業

ちなみに人材紹介事業は、主なコストは広告宣伝費と人件費のみで始められ、一般的にはキャッシュを生み出しやすいとされている事業です。
ただし売上が発生するまでにタイムラグは当然発生します。

・採用費を使ってキャリアアドバイザーを雇用
・広告宣伝費を使って求職者さんを募る
・キャリアアドバイザーが求人情報を集める
・ご登録いただいた求職者さんと面談し転職ニーズを把握
・求職者さんと事業者さんのニーズをマッチングし、面接。内定、内定受諾までサポート。
・諸々ご入職までのサポートをし、無事ご入職いただく。←ここで売上発生

ざっとこの間、数ヶ月はかかります。
この間に発生するコストは当然ありますし、不確定変動要素も多々あります。(採用がうまくいかないとか、広告宣伝費が異常に重くなってしまったとか、求職者数や求人数が足りないとか、、)
これら多くの変動要素をなるべく事前に予測しつつ、全ての変動要素レバーをうまく操作して、エス・エム・エスは一気に成長していきました。

大きな調達はせずにビジネスを回しながら、2期目の間に毎月数名の社員を増やし続け、大阪と名古屋と福岡へ出店しエリアを拡大。人材紹介以外にも2つの事業を展開。その上で売上利益ともに爆発的な伸びを見せ、赤字だった1期目から、2期目は大幅黒字着地としたわけです。
今考えると本当に凄まじい経営だなと思います。これをやってのけていたのが当時20代の経営者たちだったわけですから、本当に脱帽です。
今、自分で会社を経営する立場になって、あれをリアルにその場で体験させてもらえていたことは本当に貴重だったなと思います。当時とは時代も社会環境も事業領域もリソースも何もかも違うので、そのままクロス・シップに当てはめることはできないと思いますが、それでも自身の血肉として身についていて、使えるものが多々あると思います。

キャリアアドバイザーを起点にしたキャリアアップ

さて、自分のキャリアアドバイザーとしての業務に話を戻します。
2004年7月から、埼玉担当のキャリアアドバイザーとしての仕事を始めました。医療介護領域の知識や個人面談スキルなど、勉強しなければならないことは多かったですが、ここはOJTで量をこなしつつ、本などから勉強も続け、また同僚のサポートもあって、なんとか一人前のマッチング業務ができるようになりました。
2004年10月には名古屋事業所を前倒しで立ち上げることになり、事業所長として事業所立ち上げにいきました。事業所長と言っても所員2名だけの、プレイングマネジャーです。それでも新規事業所の立ち上げを任せてもらえる、東海地方は自身の責任エリアとなる、ということで、非常に興奮したことを覚えています。

余談①:報酬の話
余談ですが、この事業所立ち上げに行く際に、報酬も上げてもらいました。自分では考えてもみなかったような金額を提示してもらい、それも期待の裏返しと捉えられて、非常に嬉しかったです。
エス・エム・エスは基本的に、業界他社よりも良い報酬を設定し、より良い人を集められるようにしていましたように思います。この「より良い報酬をしっかりと用意し、人材でも競争優位を作る」ということも、会社の戦略上、非常に重要だなと思います。

余談②:当時の仲間の話
さらに余談ですが、この時に一緒に名古屋事業所を立ち上げた中野さんは今でもエス・エム・エスに残られています。1-3期目入社の社員はもうほとんど会社に残っていないと思いますが、中野さんは生きるレジェンドですね。この時の事業所立ち上げの楽しさ、二人三脚で事業所立ち上げに立ち向かってもらった中野さんへの感謝の気持ちは、今も忘れません。この時もめちゃくちゃ忙しかったけど、楽しかったなー。
当時の同僚たちの多くは、当時の知見やSOで得た資金などをベースに起業し、またそれぞれ頑張っていたりもします。彼らから起業の経験談を聞けることも、私にとっては何物にも変え難い、貴重なリソースです。

マネジメントへ 〜仕組みを作るということ

名古屋事業所長(プレイングマネジャー)になってからも、とにかく一生懸命仕事しました。東海エリア初進出なわけですから、営業は全て新規開拓営業。一方で求職者さんとの面談もこなさなければなりません。その上でしっかりと事業所での利益も出さなければなりません。とにかく全ての仕事に全力で臨んでいました。

この時期に、当時の上司から言われた言葉は今でも覚えています。
当時事業部長だったその上司が言っていたのは、「個人では売らなくてもいい。仕組みを作れ。」でした。

当時の私は最初、頭の上に「?」がつきました。
いやいや、売らなきゃダメでしょと。スタートアップなんですよと。事業所もつくったばかりなんですよ?と。
ただその後、よくよく話を聞いていくと、なるほど、と納得しました。

「個人が目標達成に努力するのは当然。が、うちの目標数字はある程度ストレッチなものにしている。ざっくり、達成できる人は全体の2-3割くらいのイメージ」
「これを、今いる全員が達成できるようにするにはどうしたら良いかを考えなさい。それを施策にして実行しなさい。もしそれが実現できたら、あなたが個人目標を150%で達成するよりも、何倍も価値がある」

で、最後に、
「でも、あなたが個人で達成していなかったら施策を出しても説得力がない。個人の達成は常にし続けなさい」
とも言われました笑

要はストレッチな個人目標達成は必ずミートしつつ、全体底上げの施策を考え実行しろ。ということですね。非常に高いものを求められているようにも思えますが、私は非常に燃えたのを覚えています。要はそれだけ自分がやれることが多い状態で、あとは結果を出せるかどうかは自分次第、ということですから。
仕組みを作ることが、チームマネジメントにおいても非常に重要だとも思いました。自分のやり方を背中で見せるだけではなく、論理で突き詰め仕組み化して全体の底上げをする。それをやるのがマネジャーだ、と。
マネジメントという仕事に興味を持ち、そちらへキャリアアップしていきたいと強く思うようになったのもこの頃だと思います。

この「施策を出す」方法には様々なやり方があると思いますが、当時まず自分が取り組んだのは本を読みまくること。
で、そこに書いてある先人の知恵から「これは自分の業務に置き換えるとこういうことかもしれない」という感じでとにかく本の中に書き込みまくり、そこから1個でも施策を捻り出して翌日やってみること。
これをとにかくやりまくりました。

色々な本を読みましたが、当時で最も記憶に残っているのはコトラー先生ですね。本を読む習慣があまりなかった当時の自分にとって、この本を読むこと自体が最初は苦痛でした笑
それでも明日からできる施策をなんとしても捻り出さなければいけない。本に書かれていることでとにかく応用できることがないか、毎日夜中まで本を読んでは、施策のネタを探しまくりました。

最初は施策を提出しても「甘い」ということでよく突き返されましたが、諦めずにやりきった結果、はじめて一つの施策を取り上げてもらいました。これも2期目のことで、確か営業マーケティング関連の施策だったと思います。これを当時の上司に提出した時、すぐにその施策を全国の事業所に展開してもらえて、結果としても全体売上の底上げに繋がりました。この経験は自分にとって本当に嬉しくて、今でも鮮明に記憶に残っています。
「仕組みを作ること」の楽しさと重要さを学んだ最初の経験かもしれません。

学ぶということにも直結

クロス・シップを起業して、よく聞かれる質問で「なぜ教育領域に興味を持ったのですか?」というのがあります。答えはいくつかあるのですが、その中の一つの解答が、この「仕組みを作ること」の経験です。
・何かしら(長期でも短期でも)アウトプットをする前提でインプットする
・インプットしたことをすぐにアウトプットできる場がある
・アウトプットした結果からフィードバックをもらえる
・正も負も全てのフィードバックをネクストチャレンジに活かすことができる

このプロセス自体が、「学ぶ」ということなのでは。と、後から振り返って強く感じています。

事業責任を持つことへのチャレンジ

名古屋事業所長として個人達成しつつチームマネジメントし、更に全体への仕組み作りの施策を出す、ということをやり続けた結果、当時の会社の売上や利益をほぼ一手に担っていた人材紹介事業部長への昇進オファーをもらいました。
確か2005年、3期目の途中だったと思います。
その当時の情景も鮮明に覚えています。名古屋事業所に出張してきた代表の諸藤さんと、役員で上司の信長さん。二人と世界のやまちゃんにご飯を食べに行った時に昇進を伝えられ、責任の重さや不安に耐えかねたのか、気持ち悪くなりご飯が食べられなくなりました。
二人は「緊張した"ふり"とかしなくていいから。早く食べたら?」と取り合ってくれませんでしたが、本当です。緊張で食事が喉を通らなくなるという体験をしたのはあれが初めてでした。

ここから半年間だけ、私は人材紹介事業部長として仕事をすることになります。

この期間は、正直完全なキャパオーバーで力不足でした。もう何もかもが不足していて、「しんどい」が99%。20年を超えた社会人経験の中で唯一、毎朝吐き気がして会社に行くのがしんどかった期間です。
この半年間は私にとって、組織をぶっ壊してしまった残念な期間であり、それでも数字の達成にコミットして頑張ってくれた組織のメンバーに感謝するしかない期間でもあり、何よりもビジョンの大切さを学んだ期間でありました。
このビジョンの大切さが、クロス・シップの「ミッション、ビジョン、バリュー、クレド」の重要性につながるわけですが、、
これはまた別の機会に、人材事業部以外での経験も含めて、別noteにまとめようと思います。

その他にも、その後のエス・エム・エスを形作っていくユニークな考え方は2期目から既に多数存在していました。これらも紹介したいのですが、それもまた別の機会に筆をとっておきます。(新規事業へ利益の20%投資、休み・勤務時間への考え方、人事異動の考え方、などなど)

まとめ 〜会社としての「成長」の捉え方

このような貴重な経験をさせてもらえたエス・エム・エスという会社には、本当に心から感謝しています。
クロス・シップも、これから参画していただく方々と一緒にミッションを追求し、仲間に成長の機会を多数用意でき、ともに成長していけるような会社にしていくつもりです。
そのためにも、やはり会社は成長しなければなりません。多くの成長の機会をつくれるのも、少しでも良い報酬をお渡しできるのも、より良いサービスをつくり続け社会に貢献できるのも、全ては会社が成長していることがベースにあってこそだと思います。シュリンクしていたり現状維持だと、このような機会は生まれづらいし、皆で熱量MAXで事業を推進することも難しくなってくると思います。

決して成長至上主義ではありませんが、ベースとして成長は必須である。

この考えは私の基本的な軸の一つなんだなと、今回の記事を書きながら改めて実感しました。

書きながらまた色々とまとめておきたい項目が出てきたので、近いうちに別noteでアップします。

クロスシップでは一緒に成長する仲間を募集しています。
教育領域の業務経験はなくても全く問題ありません。
会社と一緒に成長したい、事業立ち上げに携わりたい、教育をより良くしたい、という方はぜひお声がけください!

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