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ピューリッツァー賞受賞記者の衝撃記事 「ノルドストリームを破壊したのはアメリカ。アメリカによるロシアに対する戦争行為はウクライナ戦争開戦前から既に計画されていた」

ピューリッツァー賞受賞者であるアメリカの調査ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が衝撃的な内容の記事を発表した。

「アメリカはどのようにしてノルドストリームを爆破したか」

ノルドストリームは、ロシアからの安価な天然ガスをドイツをはじめとするヨーロッパ各国に輸出していた海中パイプラインで、去年の9月に破壊されている。

記事の要点:

・ロシアのウクライナでの特殊軍事作戦が開始されたのは2022年2月

しかし、アメリカは開戦前である2021年後半」の段階からノルドストリーム爆破を計画していた。

・アメリカ政府はノルドストリーム爆破が「アメリカによるロシアに対する戦争行為」だと認識していた。

・アメリカ政府はノルドストリーム破壊作戦のアメリカ議会からの承認と、議会への報告義務を回避するためにアメリカ海軍を作戦に使った。

・ドイツのシュルツ首相は、自国がエネルギー危機と経済破綻に見舞われるのを知った上で、アメリカの破壊工作を承認した。言い換えれば、自分の国と国民を犠牲にして自分の政治的な立場を守った。

・ノルドストリーム破壊作戦には、ノルウェー海軍が積極的に協力していた。ノルドストリームがなくなれば、ヨーロッパでのノルウェー産の天然ガスへの需要が高まるからだ。

・事実、ノルウェーとポーランドを結ぶバルティックパイプラインは、ノルドストリームが破壊された翌日に開通している。

アメリカで気球騒ぎが起きているのは「アメリカのロシアに対する戦争行為から世間の注目をそらすため」と言われている。

現に、マスメディアは気球について質問はしても、ノルドストリーム破壊について一切ふれない。

以下は記事の内容。

アメリカのフロリダ州パナマビーチにアメリカ海軍のダイバー訓練所がある。この訓練所出身のアメリカ海軍のダイバーがノルドストリームに爆弾を仕掛けた。

このパナマビーチの訓練所出身のダイバーが作戦に選ばれたことには政治的な事情がある。ダイバー達はアメリカ海軍所属でなければならかったからだ。もし、アメリカ特殊作戦軍を使って極秘作戦を行うと、アメリカ議会上院と下院のリーダー達からの事前承認と、アメリカ議会への報告が求められる。しかし、海軍を使えば、それらの義務を負う必要はなくなる。

バイデンがノルドストリームの爆破を決めたのは、当初の計画から9ヶ月後だった。ノルドストリーム爆破の計画は2021年後半〜2022年1〜2月の段階で行われていた。これは、2022年2月にロシアが特殊軍事作戦を開始するよりも前の段階である。

アメリカは天然ガス確保を理由にドイツや他のNATO加盟国がウクライナ支援をためらうことを危惧していた。ノルドストリームはドイツと西ヨーロッパに10年以上もの間、安価なロシアの天然ガスを送っていた。ワシントンとロシアを敵対視するNATOの加盟国にとって、ノルドストリームは最初から目障りな存在だった。ドイツやヨーロッパの国々が安価なロシアのガスに依存することは、アメリカに地政学的な不利益をもたらすからだ。

バイデン政権は、ウクライナでの戦争が始まれば、ロシアは天然ガスを人質にして有利な立場に立とうとするだろうと懸念していた。

2021年12月、ロシアのウクライナでの特殊軍事作戦が始まる2ヶ月前に、ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は統合参謀本部、CIA、財務省(予算の承認があるので)の高官たちと、ロシアの特殊軍事作戦にどう対抗すべきかについての会議を行った。

この極秘会議の場で、サリバン大統領補佐官は、会議の参加者たちにノルドストリームを破壊するためのプランを出すように求めた。それがバイデン大統領の望みであるからだ。

そして、参加者たちはノルドストリームを破壊することが何を意味するかを知っていた。「アメリカのロシアに対する戦争行為」に他ならないと。

2022年2月7日、ロシアの特殊軍事作戦開始のわずか3週間前に、バイデン大統領は、ドイツのシュルツ首相をホワイトハウスに招いて会談を行った。

当初、アメリカに対して協力的か分からないとされていたショルツ首相は、難色を示しながらも、最終的にはアメリカのノルドストリーム破壊計画に賛同するようになった。

この日行われた記者会見で、バイデン大統領は「もしロシアがウクライナに侵攻するなら、ノルドストーム2はこの世からなくなる。我々がノルドストリームを終わらせる」と宣言した。

また、アメリカ海軍のノルドストリーム破壊作戦には、NATOの加盟国であるノルウェーが協力していた。ノルドストリームがなくなれば、ノルウェー産の天然ガスへの需要が高まるからだ。

2022年9月26日、ノルウェー海軍のP8偵察機が、通常の飛行ルートを飛行しながら、ノルドストリームに仕掛けられた爆弾を起動させるためのソナーブイを投下。ノルドストリームは爆破された。

ノルドストリーム破壊によるヨーロッパでのエネルギー危機について記者会見で問われた際に、サリバン米大統領補佐官は次のように回答している。

ヨーロッパのロシアへのエネルギー依存と、プーチン大統領によるエネルギーの政治利用をいっきょに解消できる絶好の機会だ。しかし、その一方で、パイプライン破壊の影響がヨーロッパの同盟国にいる市民や、他の国々に広まらないように最善を尽くす

また、ビクトリア・ヌーランド米国務次官は「ノルドストリームが海底のガラクタになったことに非常に満足している」と発言している。

注)ビクトリア・ヌーランドは2014年にウクライナで起きたクーデターに深く関与していた。


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