本を書きたい、と思うだけでは本にならない
ブックライティングを担当したこちらの書籍。無事に発売されてホッとしております。
この本は、企画から構成までガッツリ関わらせて頂いた本で、こうして無事、商業出版が叶ったのも、さまざまな偶然が重なっているだけに、とっても感慨深いものがあります。
福祉というより、生き方の選択肢の一つとして福祉があるんだ、くらいな、どんな人にとっても読みやすいテキストになっているんじゃないかと思います。大学生さんなど若い世代のかたには、ぜひ手にとっていただきたいですね!
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さて、本を書きたいな、出版してみたいな、アイディアはあるけどどうしたらいいのかな、という方がいらしたら、以前からもちょこちょこ取り上げさせて頂いている「企画のたまご屋さん」をおすすめします。
『ぼくは福祉で生きることにした』は、この企画のたまご屋さんを通じて、出版が叶いました。
「本を作ろう!」ということになった時点で、商業出版まで考えていたわけではなくって(著者も)、なったらいいなくらいの気持ち。いろんな選択肢があるなかで、どうしたら形になるかな、と考えていくなかで出会った、一つの道でした。
商業出版をゴールにしてしまうのは、私はあんまり意味がないと思います。
でも、一方で、「これ、本にしたいな・・・」と思っていても、そのままだと100%本になりません。
本を商業出版するなら、出版社にそれをお願いしなくてはならないし、しかもその出版社が企画にOKを出してくれないといけない。さらには、OKを出してくれるかどうかなんて、なんの約束も確証もないことです。
そういうときに、企画のたまご屋さんは、本当に力になります。
「ここを通すと必ず商業出版できますよ」というわけではない、ということも含めて、すんごい勉強になるからです。
自分のアイディアと編集者(出版社)がつながれる楽しさもありますが、それ以前の、書き手としての自分、本を作りたい自分を、客観的に見つめ直すことを、しっかり促してくれたことが、
私にとっては、このシステムを利用する、一番のメリットだったと思っています。
プロセスの中には、「このアイディアは、本当に商業出版に向いているか?」、原点に立ち返る作業も含みます。
誰がこの本を読み、どうして今のタイミングでその本を出す必要があり、その人のどういう問題を解決していくのか。
版元さんや編集者さん、書店さんの協力があって初めて読者に届くことを思えば、出版は書き手だけのものではなくって、「書きたい」だけではとても難しいことを、この企画書づくりが教えてくれると思います。
企画のたまご屋さんでは、本を作りたい人向けのマンツーマン講座も開催されています。本をつくりたい人たちには、利用を声を大にしておすすめします。
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それからもう一つ。
私は、『ぼくは福祉で生きることにした』の著者・河内さんに出会ったとき、これは本になるかも、と確信があったわけではなくて、
何かしらの形でまとめてみたいけれど、そこに商業出版っていう形もあればいいな、くらいの気持ちでした。
ですから、たまご屋さんが主催しているオンライン講座を見つけたのも、すんごいたまたまでしたし、これを受けたら企画書の精度がすんごい上がるかも・・!などの物凄い期待があったわけではありません。
ただ、すごく良さげなこのコンテンツを、どうにかしたい、という気持ちで動いていたような感覚。
思い返せば、
期待しない
ってのは、ものすごく出版においても大事な心の保ち方ではないかと思います。期待するから、落ち込むし、自意識過剰になる。
担当してくださったおかの先生からは、本当に貴重なアドバイスの数々をいただきました。
それは正直なところ、この企画が本になるかどうかということより、
本づくりに向き合う私自身、また書き手としてどういう視点を磨くべきなのか、という「自分を掘り下げる」時間にほかならず、
結局のところ、自分にとってはもうその時点で収穫が120%あった、というべき時間でした。
本づくりの機会をくださった著者の河内さん、そして出版を形にしてくださった水曜社さんはもちろん、企画のたまご屋さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
そのおかの先生がnoteに取り上げてくださっていてびっくり! ありがとうございます。↓
『ぼくは福祉で生きることにした』水曜社さんより好評発売中です!
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