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「今の自分が読みたい本」を素直に選ぶ

今年の自分に課していた大きな原稿がまとまり、編集者さんのところに送付。

まだこれからなので終わった感じはしないのですが、とりあえず、自分と編集者さんとの約束を守り、書き上げられたことにほっとしました。


ほっとしたら、本が読みたくなった。


ライターとか編集とかやっていると、どうしても「これ読んでおかないと」みたいな義務感で本を選びがちです。好きなものとか、今読みたいもの、楽しみのためにどんな本を読みたいのかが、だんだんわかんなくなってきます。

私よりもっと重症の活字中毒の方はそうではないかもしれませんが、ちょっと肩の荷を下ろして、素の自分に戻った時に、ゆるっと手に取る本ってなんだろう? 今の自分が読みたい本に癒されたい。

ふとそんなことを思い、図書館〜本屋をはしごして10冊くらい入手してきました。

最近、更年期か?と思えるような体調の変化(悪化)を感じているので、更年期ってこれからどうなるんだ、という純粋な気持ちで「女性ホルモン」をキーワードに探してみたり。

ドラマチックな世界は、たった今なにかを産み落とした私には胸焼けしそうだなあと思ったので小説をさけ、寝転びながらどこからでもページを開ける名言集を選んでみたり。

お料理なんて私は得意でもなんでもないから、本屋でも素通りするだけのジャンルですが、手が空いた今だからこそ、ちょっとなんか作ってみたいなと思って、料理本を選んでみたり。


借りてきたり、買ってみたりした本を並べてみたら、ごくごく普通の、ちょっと丁寧な暮らしに憧れる40代女性が見えてきた(笑)。

実用書よりだったのが、また自分らしい。これは、想像力ふくめ、自分の頭を使って考えたり、答えを導きだしていくような本は、今は読みたくない、との判断です。

「オトナ女子」とか「健康」とかのジャンルの本って、ほとんど買ったことも借りたこともない。こういうことを、私は、自分にゆるしてこなかったのだなあと思いました。

来年も、再来年も、こうした本を求めているか?と言われると、またちょっと違うでしょう。

今の自分が欲しているのは、「こうするといいよ」とか「これが限りなく正解に近いよ」と、誰かになにかを提案してもらうこと。

そして、こういう読み物が嫌になる時期もまた、くるんですよね。

ぐるぐるしてみると、わかる。本の役割って、別に「長く読み継がれる」とか「多くの人に届く」だけが価値じゃないなあってことも。

私の場合は、本に少し高い理想を持ちすぎているところがあって、流行りとか一過性のネタをわざわざ紙と印刷機使って・・とか思っていたところがあったのですが、

力が抜けたところにいる自分は、そんな本は読みたくなかった。

どんなジャンルの本でも、紙の本にしかできない読み方があるし、それによって得られる感覚も、感想もまた違う。

だから、どんな本でも、手元にやってきてくれたものは、ありがたく受け取り、自分に生かしたり、周りに紹介したりして、循環させていきたい。そして、やっぱり私はこうやって、誰かの癒しになる本を、作っていきたいなあと思いました。




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