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「自己PR書」とは何を伝えるもの?

受験生さん(中学生)の相談に乗ることが増えています。

受験も初めての子が多いし、試験とか、小論文とか! 初めてづくしで混乱しますよね。

今日は、「自己PRってどう書けば・・」という相談を受けたので、ちょろっとまとめておきます。少しでも心が軽くなりますよう、目にした方の近くに受験生さんがいたら、届けてください。


自己PRや志望理由書で何を見るのか

志望理由書もそうなんだけど、自己PRとかって一体なんのためにしてもらうかっていうことを考えるとですね、

私がもし面接官の一人ならば、こういうことをチェックする以外に理由はありません。

・人間性(この人は、一体どういう人なのか)

・意欲(これから、どんなふうに学んでいくつもりなのか)

ほとんどこの二つです。

対応の機微とか、知識量とか、品格とか、他にもいろいろ点検できることはあるだろうけれど、それら全て、上記2つに集約されるものだと思います。

これを、初めて会う人(書面を通じて会う人)に対して、<印象的に>伝えることができたら、それで成功。

他の人よりも、抜きん出た結果が必要なわけではなく、何か特別な才能を持っている必要もないです。

「でも自慢っぽく聞こえたら落とされそうだし・・・」「自慢できることないし・・・」って思うのも、わかる。私も受験生の頃は、自慢とPRの間で同じように迷い、こんなこと書いていいのかなあと不安になりました。

でも、

「自慢げ」に書くのと、「自分のことをPRする」との間には、大きな差があるんだよね。

そして、その違いをちゃんと意識して書ける人、あるいは伝えられる人は、それだけで「他の人との差をつける」ことができます。

自慢と自己PRとの違い

自己 PRが「自慢げ」に感じられるとしたら、そこに客観性がないからです。つまり、「なぜそれを自慢するのか、その理由」が、ない。

自分だけの見方だったり、自分だけの感じ方だったりするんですよね。

まずは、なぜその長所や実績をPRするのか、根拠をしっかりつかみましょう。

はて、根拠とはなにか。

難しく考えなくても、根拠とは、あなた自身の圧倒的な体験のことです。そして、その時に得た学びや経験です。それがあるから、今のあなたがいて、これからさらに成長していこうとすること(予感)を、相手はやっと受け入れられる。

つまり、あなたの「人間性」を感じることができるわけですね。

例えば、「美術部の活動で、作品が市の美術展で特選となった」ことを伝えるのは、ただの自慢です。

何が必要か。

「結果を得るまでの体験」です。

結果や学んだこと、乗り越えたこと。その経験の上に、上記の結果があることを、きちんと言葉で伝えましょう。

さらに必要なものがあります。

それが「自己分析」。

自己分析というのは、客観性そのものです。そして、なかなか簡単にできることではない。←ここが、「差をつける」ポイントです。

それによって、自分がどう変化したのか。何を得たのか。どういうことを学んだのか。

「こんな賞取りました、すごいでしょー!」

ではなく

「この経験によって、私は、好きなことを継続することは必ず結果につながることを学んだ」

自分だけの収穫物(=自己分析)を伝えることで、「受賞」という結果や実績は、あなただけのどこにもない「実績」になります。

「まずは結論」。構成を工夫しよう

あとは、構成をちょこっと工夫しておきましょう。

私は美術部に所属し、部活動を真剣に取り組みました。2年生の時には◎展で入選し、3年生には部長になりました。3年生の時には、▲展へ出展して、・・・

という時系列で説明するのではなく、

「まず結論」

を心がけてみましょう。

「私が三年間で最も力を入れたことは美術部での活動です。この経験によって、好きなことを続けることは、必ず結果を出すということを学びました」

これ(結論)を伝えた上で、体験を詳しく説明する。

無理に盛って伝える必要はありません。怪我やトラブルなどを乗り越えた背景があるならストーリー的に面白いのでぜひ活用してほしいけれど、ドラマチックな何かが起こらなくても、

例えば自分の「短所」も、放っておくにはもったいないネタになります。

「集中力がないところが悩み」とか「細かい作業が苦手なところがある」というネガティブな要素を、「どう乗り越えたのか」。

自分を客観的に見るのは、いいところだけではありません。短所だったり、改善したいなと思っているところも同じです。

大事なことは、そこに、否定や批判は必要ないというのと。こういう自分と、どう向き合ってきたのか、どのように向き合っていきたいか、をぜひ伝えてほしいです。


○○○○○

と、今のところは、このようなことを伝えたいなと思い、まとめてみました。

時には、家族や友人にも意見を聞きながら、自分のことを<外から見る>時間を、ぜひとってみてください。周りのみんなの言葉から、「あ!」と思う自分を発見するかもしれません。

あとはまあ、これは過去の私自身にも伝えたいことですが、

あなたの価値が、誰かからの評価で変わることはなにひとつない

これは、忘れないでほしいです。

たったひとりの、自分自身として、ただ受験に向かうだけ。誰かに好かれようとする言葉ではなく、自分らしいなと思う言葉で、受験を乗りこえてほしいなと願います。

ものすごいこまったら、私の作文添削も利用してみてください。



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