【こよみごと 長月】 重陽の節句 ちょうようのせっく
9月9日、菊づくしで不老長寿を願う重陽の節句。
五節句のひとつで「菊の節句」とも呼びます。奇数を縁起のよい数字とする陰陽道では最上数の9がふたつ重なる9月9日を最もめでたいとして菊を用いて長寿を祝いました。
菊の香りは邪気を払い心身を癒す不老長寿の霊香。平安時代の貴族たちは8日の夜には菊に綿をかぶせて夜露や香を移しとり、翌朝にその綿で身体を拭いたそうです。(菊の被綿・きくのきせわた)
菊の花は肌や目によいビタミンA、Bがたっぷりで抗菌作用も高いため風邪の漢方薬にも使われます。現代では菊湯、菊人形、菊枕、菊花茶、菊酒など菊の楽しみ方は様々。
菊の節句に何かひとつ楽しんでみては。
【まめ知識】 菊慈童
能に菊慈童(きくじどう)という演目があります。所は中国、菊の花咲き乱れる仙境に住む少年は、法華経の二句の妙文を菊の葉に書き付け、菊に宿った露が不老不死の霊水となり、仙人として700年生き続けたという物語です。
菊慈童のように700歳まで生きたかったのかはわかりませんが、平安貴族の寿命は40歳〜50歳だったそうなので、菊に長寿の願いを込めたのですね。
次回は「秋分」へと続きます、どうぞよろしくお願いします。
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