石川ともこ

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石川ともこ

イラストレーター。こちらには【こよみごと】の一部が置いてあります。ご連絡はウェブサイトのコンタクトよりお願いいたします。https://tomoko-ishikawa.com/

最近の記事

【こよみごと 弥生】 桜始開 さくら はじめてひらく

春の真ん中、全国各地で桜が咲きはじめました。 七十二侯でいう「桜始開 さくら はじめてひらく」の頃です。 一年のこの時期に、駆け抜けるように咲く桜は300種以上、まだまだ新しい品種が見つかることもあり、たまにニュースになったりします。 公園でも川縁でも山里でも、美しい桜が見られる場所には、桜を見守っている人(桜守)がいます。 山里で1000年以上生きている桜は、木の周りに住む人たちの心づかいで生きてきた桜だそうです。 桜守を知ることができる絵本仕立ての32ページ、大

    • 【こよみごと 弥生】 春分 しゅんぶん

      3月21日は春分。 二十四節気のひとつで春のちょうど真ん中、期間としては3月21日〜4月4日までです。 昼と夜の長さがほぼ等しくなり、きょうを境に昼のほうが夜よりも少しずつ長くなってゆきます。 春分の日を中日(ちゅうにち)とした前後3日、計7日間を彼岸(ひがん)といい、最初の日を彼岸の入り、最後の日を彼岸の明けと呼んでいます。 仏教ではお墓参りや、お寺でお経をあげたりして先祖の霊を供養します。 お供え物の定番といえば、おはぎとぼたもち。 ぼたもちは春に牡丹(ぼたん

      • 【こよみごと 弥生】 啓蟄 けいちつ

        3月6日は啓蟄でした。 二十四節気のひとつで春の3番目の節気、春分(3月21日)までの2週間のことを言います。 啓蟄(けいちつ)、難しい漢字ですが、啓は「ひらく」、蟄は「土中で冬ごもりしている虫」、文字どおり土中で冬眠していた蛙や蛇が出てくることです。 「菰(こも)はずし」を啓蟄の恒例行事にしているところもあります。 菰(こも)巻きとは、害虫駆除の目的で松の幹に藁(わら)でできた菰(こも)を巻きつけることで、冬の風物詩となっています。 この時期、土の中から出てくるの

        • 【こよみごと 弥生】 桃の節句 もものせっく

          3月、弥生(やよい)となりました。 花も草もいちだんと生い茂る月です。 3月3日は桃の節句「ひな祭り」。 「上巳(じょうし)の節句」ともいい、年に五つの重要な節句「五節句(ごせっく)」のひとつです。 ひな人形を飾って女の子の健やかな成長を祝う日。桃の花や白酒、菱もちも供えます。 菱もちは一番下の草もちには厄除けの力がある「よもぎ」、真ん中の白もちには血圧を下げる「菱(ひし)の実」、上の赤もちには解毒作用のある赤い「クチナシ」が入っています。 色と形と素材すべてに、

        【こよみごと 弥生】 桜始開 さくら はじめてひらく

          【こよみごと 如月】 霞始靆 かすみはじめてたなびく

          2月24日〜28日まで「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」という七十二候(しちじゅうにこう)。 霞がたなびきはじめ、気温が少しづつ上がり始める頃。 秋や冬に遠くの景色がはっきりと見える、空気が澄んだ状態とは反対に、春になると遠くが白くぼんやり見える日があります。 「霞(かすみ)がたなびく」という言葉、普段はあまり使わないですが、霞や雲が横に長く引くような形で漂うことを言います。 二十四節気(にじゅうしせっき)と七十二候(しちじゅうにこう) 暦にまつわる言葉として使う

          【こよみごと 如月】 霞始靆 かすみはじめてたなびく

          【こよみごと 如月】 雨水 うすい

          2月19日頃、二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつ「雨水(うすい)」です。 雨水は雪から雨に変わる頃。 降っていた雪は雨に変わり、冬の間につもっていた雪や、張っていた氷が解けて水になる頃という意味です。 昔から雨水は農作業の準備を始める目安とされていました。 この辺りから草木も芽を出し始め、寒さもゆるみ、眠っていた動物も目覚めます。 もうひとつ、この頃の季節の言葉として「獺祭魚(だっさいぎょ)」というのがあります。 カワウソは捕らえた魚を川岸に並べる習性があり、

          【こよみごと 如月】 雨水 うすい

          【こよみごと 如月】 立春 りっしゅん

          節分の翌日、2月4日頃が「立春」でした。 二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで、旧暦では、節分の翌日であるこの日が正月とされていました。 暦の上では春の始まりですが、冬の寒さは2月がピーク。 全国的にインフルエンザも流行し、スギ花粉情報も流れてくる頃、マスク姿の人を一番見かける時期でもあります。 旧暦の時代は一年の始まりは立春だったため、立春を基準にさまざまな節目が決められています。 「春」は立春から立夏(5月6日頃)の前日までを言い、冬至(12月22日頃)と春

          【こよみごと 如月】 立春 りっしゅん

          【こよみごと 如月】 節分 せつぶん

          如月(きさらぎ)とは2月のこと。 寒いので服をさらにさらに着こむ、衣更着(きさらぎ)。 すぐに立春ですが、立春とは名ばかりの寒い月です。 さて、2月3日は節分。 節分とは季節と季節の分かれ目をいい、立春、立夏、立秋、立冬の前日をさします。 春の訪れである立春は1年の始まりでもあり、最も大切な日だったため、前年の厄(やく)をはらうさまざまな行事が行われました。 その代表が豆まきです。 「鬼は外!福は内!」という掛け声、地域によっては変わるようですが、鬼を外にはらい

          【こよみごと 如月】 節分 せつぶん

          【こよみごと 睦月】 冬の花 ふゆのはな

          寒い冬に咲く梅は、上品な香りで、春を待ち遠しくさせてくれます。 遣隋使が中国から持ち帰ったとされ、万葉集に歌が詠まれていることから、奈良時代には栽培されていたようです。 種類もたくさんあり、観賞用の花梅でおよそ300種、果樹として栽培される実梅も100種ほどあります。 庭木や盆栽でも親しまれていますが、2月に入ると梅の名所では梅まつりが始まります。 梅雨(つゆ)の由来は、梅の実がなる頃に雨が多いことからそう呼ばれています。 福寿草は北海道から本州の山野に多く見られる

          【こよみごと 睦月】 冬の花 ふゆのはな

          【こよみごと 睦月】 十二支のはなし じゅうにしのはなし

          今回は番外編として十二支のはなしです。 いただいたり出したりする年賀状には、その年の十二支をあらわす動物や漢字が書かれています。 12年に一度、生まれた年の動物が回ってくると、何となくおめでたい気分になります。 十二支および干支(えと)は古代中国から伝わりました。 東西南北の方角に子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)と漢字を当てはめ、やがて子はねずみ、丑は牛…と動物のイ

          【こよみごと 睦月】 十二支のはなし じゅうにしのはなし

          【こよみごと 睦月】 鏡開き かがみびらき

          1月11日は鏡開きの日。 正月に供えた鏡もちを下げて食べる日ですが、地方によって15日、20日というところもあります。 正月に鏡もちを拠りどころとしていた年神様、全ての人や物に新しい生命を与えるために現れると伝えられるため、鏡もちを食べることで新しい生命をいただくことが出来るというわけです。 元々は武家の行事だったことから「切る」は切腹を連想させ縁起が悪いとされたため、刃物を使わずに手や木槌などで叩いで割ってゆきます。(鏡を開く) 鏡もちを片づけることよりも「食べる」

          【こよみごと 睦月】 鏡開き かがみびらき

          【こよみごと 睦月】 七草粥 ななくさがゆ

          1月7日は七草粥。 桃の節句と並ぶ、五節句のひとつです。 正月7日の「人日(じんじつ)」に行われるので、人日の節句ともいいます。 春の七草を入れた粥で邪気をはらいます。春の七草とは、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ。 キリスト教圏では7日目が安息日ですが、仏教圏でも7は聖なる数字。中国では元旦から7日目は人を占い、刑は行わない日として、7種の若菜を粥に入れて無病息災を願っていました。 日本でも似た風習が平安時代ころから始まり、江戸時代に

          【こよみごと 睦月】 七草粥 ななくさがゆ

          【こよみごと 睦月】 正月 しょうがつ

          あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 一月、睦月(むつき)とは仲むつまじく過ごす月、人間関係、動物関係、仲良くスタートできますように。 元旦の朝、日の出とともにやってくる年神(としがみ)様を、おうちでお迎えする行事がお正月。 1日が元旦、3日までを三が日、7日までを松の内といい、この一週間は食事やお化粧、外出などすべてのものごとに深い意味がこめられています。 神にささげる供物を節句(せっく)といい、ちまきなどがありますが、節句料理を「お

          【こよみごと 睦月】 正月 しょうがつ

          【こよみごと 師走】 大みそか おおみそか

          12月31日、一年の最後の日。 月末を晦日(つごもり)というので、大つごもりともいいます。 ゆく年と来る年の境である深夜12時までに、数々のしめやかな行事が行われます。 年越しそばは家庭で作るのもよし、出前を頼んでのんびりいただくのもいいですね。 ねぎは「ねぐ」=「祈る」という意味があるので入れたいです、蕎麦のゆで汁にはビタミンが溶け込んでいるのでそば湯もいただき、過ぎゆく一年を振り返ります。 そうしている間に除夜の鐘が聞こえてくるかもしれません。 仏教では、人間

          【こよみごと 師走】 大みそか おおみそか

          【こよみごと 師走】 クリスマス くりすます

          キリストの生誕と、古代ヨーロッパの冬至の祝祭が結びついた祭り。 日本へは1549年、フランシスコ・ザビエルのキリスト教伝来により、宗教行事として伝わりました。 世界中の子どもたちが楽しみにしている、大きな行事のひとつです。 諸説あったキリストの誕生日が、12月25日に定められたのは、古代からあった冬至の祭りがキリスト信仰と結びついたためです。 冬至に近いこの日は、太陽も休んでいると考えられ、静かにしないと太陽が戻ってこないと信じられてきました。 クリスマスという言葉

          【こよみごと 師走】 クリスマス くりすます

          【こよみごと 師走】 冬至 とうじ

          12月22日は冬至です。 太陽の位置が一年でもっとも低くなり、夜が一番長くなる日。 ちょうど冬の真ん中です。 夏至(げし)と比べると日照時間は約5時間もの差。 翌日から日が延び、陰が極まって再び陽にかえる日なので「一陽来復(いちようらいふく)」といい、この日を境に運が向くとされます。 冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかないと昔から言われますが、ビタミンやカロテンが豊富で肌や粘膜を丈夫にし、感染症などに対する抵抗力をつけることができるからです。 もう一つの風習として

          【こよみごと 師走】 冬至 とうじ