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処方提案

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処方提案の例を書きます。
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提案はフォローアセスメントフィードバックがセットだという話

提案はフォローアセスメントフィードバックがセットだという話

前回ご紹介したTweetの後半部分について解説・考察してみます。

前回はジゴキシンとマクロライドの相互作用を示唆したところまでを解説しました。
今回は次回の定期採血の予定を繰り上げるよう進言した部分に加えてTweetに書ききれなかった部分に言及します。

提案したら終わりではない提案するだけなら人をみなくてもできますし、意見だけを述べて去ることが仕事とは認められないのは医療も同じです。

医療現

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ファインプレーかスーパープレーか

ファインプレーかスーパープレーか

noteやTwitterを始めてから、時々ある体験なのですが、自分的にはこれは良いの書けた!と思った記事がそんなに伸びなかったりします。
はたまた思いつきで発信したものが思いもよらない反響を頂いていたり。

こちらのtweet、とても大きな反響をいただいています!
改めて本件について解説&考察したいと思います。

何を伝えたいかというと、本件は属人的な(僕だからできた)事柄ではなく、標準化できる(

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初めての訪問前に準備する事

初めての訪問前に準備する事

今日は僕が在宅患者さんを初めて訪問(初診)するまでに考えている事を書きます。

初回の訪問や診察に臨むまでに、いつもより時間をかけて準備しておくようにしています。
なぜなら初回の訪問や診察では、その患者さんの今後の治療方針が決まる大切なタイミングだからです。

1)情報を集めるとにかく手に入る限りの情報を集めます。
初診の際に薬剤師だけが知らない情報があるために、医師・看護師とのディスカッションに

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薬は数が問題じゃない

薬は数が問題じゃない

ポリファーマシーは薬の数が問題ではないなと再確認した話を書きます。

今日の往診同行中の話です。

医師『この人お薬多過ぎるよね・・』とポツリと漏らした声を聞き流せませんでした。
なぜなら僕は僕なりに不必要なお薬、患者さんやご家族に説明のつかないお薬は飲んでいただきたくないと考えて調剤していることと、一方で鑑査をする度にこの人お薬多いよな・・と頭の中に浮かんでいたからです。
見逃してきてしまったか

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漫然投与を減らすために気をつけていること

漫然投与を減らすために気をつけていること

今日は漫然投与をしないために僕が気をつけていることについて書きます。
今回は新規の処方が出るシチュエーションを想定してみます。

先にお断りしておきたいのは、漫然投与が医師のせいだとは思っていません。調剤した薬剤師にも一定の責任があると考えています。

以下のような方のお役に立てていただければと思います。

・これから訪問診療同行を行いたい
・訪問診療同行を行なっているがなかなか提案ができない

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40名の訪問診療同行を終えて

40名の訪問診療同行を終えて

昨日40名の訪問診療同行を終えて考えたことを書きます。

僕が働いている薬局では約8施設の高齢者向け住宅を担当しています。各施設に対して薬剤師と薬局パートナーで構成されたチームが担当制で業務にあたっています。
僕の担当している施設入居者さんに出る処方は比較的変更が多く、チームの薬局パートナーが対応を頑張ってくれています。(薬局パートナーについて)

今日は改めて処方変更の内訳を観察してみたいと思い

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残薬に対する考え方とアプローチ

残薬に対する考え方とアプローチ

今日は残薬に対する考え方と僕が行なっているアプローチを書きます。

先日Twitterで、薬剤師が介入した結果コンプライアンスが良くなった反面体調が悪くなった、というような呟きを見ました。

事実かどうかはさて置き、あり得ることですし、僕も経験した事があります。
残薬問題が話題に上る時、あたかも薬剤師の責任のように書かれることがありますが、そうではないと思っています。ただし、現実として余っている薬

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新しい症例検討会の形

新しい症例検討会の形

今日はハザマ薬局で行われている症例検討会の例を通して、薬を渡すまでではなく渡した後のフォローをはじめた時に症例に対する考え方や議論が変わるという話を書きます。

ハザマ薬局の症例検討会は有志の薬剤師数人と医師である狭間社長で開催されています。僕は企画・運営の方で携わっています。各々の薬剤師が今悩んでいる症例を持ち寄り、みんなで検討をします。それぞれが平均60名くらいの在宅患者さんを担当していること

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初めて2剤減薬に成功した思い出

初めて2剤減薬に成功した思い出

今日は僕が初めて2剤減薬と患者さんが良くなるという経験をした症例を紹介します。

この施設は往診医が5名(3クリニック)が担当しており、薬剤師は僕1人で担当していました。
僕は月2回隔週で単独訪問を行っており、医師の往診への同行はしていませんでした。医師看護師とは時々訪問した際に居合わせる程度の関係でした。

ある時、漫然投与の疑いのある薬剤について整理したいと思い報告書で提案しました。何度か同様

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