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初めて2剤減薬に成功した思い出

今日は僕が初めて2剤減薬と患者さんが良くなるという経験をした症例を紹介します。

ハザマ薬局 橋本.001

この施設は往診医が5名(3クリニック)が担当しており、薬剤師は僕1人で担当していました。
僕は月2回隔週で単独訪問を行っており、医師の往診への同行はしていませんでした。医師看護師とは時々訪問した際に居合わせる程度の関係でした。

ある時、漫然投与の疑いのある薬剤について整理したいと思い報告書で提案しました。何度か同様の内容で報告書を送り続けたのですが、一向に処方に反映されることはありませんでした。
そこでアプローチの方法を変えてみようと思い立ち、いくつか工夫してみました。

①医師の往診にタイミングを合わせて施設に訪問してみた

医師の到着前に訪問し、患者さんをみます。
しばらくして医師が到着したら、しれっと往診に同行してみました。
初めは看護師さんから「なにもんやこいつ・・」みたいな視線を浴びることもあるのですが、医師は僕のことを認識していてくれたので次第に処方変更などをその場で共有して下さるようになりました。
また、僕が患者さんに触れたり、聴診をしたりする姿を横目に見て頂くことで共観者としての立場も得られたように思います。このときも「薬剤師が聴診!?」というリアクションを幾度がいただきました。(新人だったので自信もなく、変な汗をかきました)

こうして顔の見える関係性の構築、そして自分を共観者として認識してもらうことに成功しました。引き換えにしたのは緊張感と変な汗です笑

②エビデンスベースで提案してみた

ただただ漫然投与と思うというだけでは、いくらアセスメントが正確でも中止することは難しいのかもと感じました。
そこで自分が減薬の根拠にしている論文とアセスメントを併記して報告書を送付するようにしました。
そうしたところ本件の減薬に繋がりました。
(ここで採り上げた論文はPPIによる骨硬化、ビスホスホネートの長期投与による骨硬化と骨折リスクだったと思います)

それからは報告書で提案をする度になんらかのリアクションをいただけるようになりました。直接施設で出会わせた際に「この間提案してくれた内容で変更しとくわ~」と仰っていただけたり、一番嬉しかったのは報告書を呼んだ医師がわざわざ電話で「ごめん~。悪いけど中止はせずに継続させてもらうわ~。」とご報告いただけたことでした。

まとめ

先日の記事でも書いたように、まずは顔の見える関係性を構築することが重要だと思います。さらにそこで他の医療チームメンバーと同じ方向を向いていることを自分の行動をもって表現することが効果的だと考えています。これを実行するためには少しの「嫌われる勇気」が必要になるかもしれません。患者さんが良くなると信じるのであれば変な汗をかきながらも行動するようにしています。
今回は詳しくは書きませんでしたが、中止後のフォローとフィードバックに関してもかなり注意深く行いました。これはヘルパーさんとの連携や情報共有が必須でした。また記事にしたいと思います。

今日もありがとうございました。

いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。