見出し画像

【Weekly不満】節電は最も身近なSDGs ほか(~2022/3/27)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。

先週の生活者不満(~202233/27)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

節電は最も身近なSDGs

先週は「節電」「電力」「電気」「逼迫」など電気・節電関連のキーワードが目立ちました。

3月16日の福島県沖の地震の影響により、東北、東京エリアの火力発電所が一部停止している中で、連休明けの明日22日(火曜日)は特に東日本で気温が低く、悪天候となったため、特に東京電力管内で電力需給が極めて厳しくなりました。はじめて電力逼迫警報が発令され節電が呼びかけられました。

これに関してどんな不満が寄せられたのか見てみましょう。

まとまってみられたのは「個人だけでなく企業・地域も協力をした方がよいのでは」との声。

節電対策家庭などにも呼びかけは大事だろうけど企業や百貨店、などの節電、時間短縮などもするべきなのではないかなその方が大分減る気がする(20代・神奈川県)

昨日は電力不足で節電の呼びかけがあった。うちも暖房など入れずに最小限の電力で過ごしたが、テレビに映る街には無駄な電気があふれていた。もっと真剣に企業やお店に呼び掛けた方がいいと思う。(60代・埼玉県)

それぞれの立場で可能な範囲で、という前提ではありますが、一方で、自発的な協力の積み上げなくしては効果がなく、万が一の場合には社会が大きな損失を被るからこそ実効性のある節電とそのための企業・地域の理解・行動に対する期待が高まった結果と言えます。

また、自身が取り組む節電の効果を「見える化」したいとの不満も多数寄せられました。

電気がどれくらい使われたか詳細がわかるようになったら、節電もしやすくなるなと感じる。(40代・東京都)

エアコン、節電意識が高くなるので、リモコンに消費電力と電気代を表示して欲しいです。(20代・埼玉県)

今回の節電要請を契機に節電を日常生活の中にも取り入れていきたいと考える生活者が多いことがうかがえます。

世界情勢を含め、世の中の不確実性が高まり不安定さを増す中で、「足るを知る」ことを念頭に入れながら、日常的に無理なく節電できる仕組みや情報提供が求められており、これが更なる行動変容を生み出す可能性があると考えられます。

今回の節電要請に対し実際に停電を回避できたことは一人ひとりの行動変容の結果であり、この実績・成果を忘れずに継続していくことが重要だと考える生活者の声も聞かれ、「節電を通じたSDGsの自分ごと化」が進んでいることが分かります。

電力節電のニュース見て行動したら停電せずいけたとのこと。日頃から付けなくてもいい電気もあったのかなと考えさせられた。一人一人の意識で世界は変わる、SDGsを思い出せた。(30代・広島県)

節電に限らず、社会課題の解決に向けて生活者の行動変容を促すためにはこの効果・成果を可視化・共有し継続を促すことで、自身の行動が社会に与えるポジティブな影響が実感できるようにすることが重要です。

文字通り、ただ、純粋に桜を愛でたい

「花見」というキーワードも増加しました。
3月27日、東京都心と高知市、福岡市で桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表されました。東京と福岡はともに平年より4日早く、昨年より5日遅い満開となりました。

「花見」についてはやはり「コロナのことが心配」「周囲の目が気になる」「自粛しないとダメかな」といった意見です。まん延防止等重点措置が解除されてもなお、生活者の行動に大きな制約をもたらしています。

特に今年は「お酒を飲みたいわけではない」という意見が目立ちました。純粋に桜を愛でたい、という意見と言えます。

春なのでお花見したいのですが、周囲の目が気になり過ぎます。やっぱり自粛しないと駄目かな。(30代・埼玉県)

週間天気予報をみたら、来週の土日も雨予報でお花見が出来ないまま桜が散ってしまいそう。お酒飲んで宴会をするわけではなく、お花見がしたい。(30代・東京都)

純粋に桜を鑑賞するためだけのお花見が出来るスポットが欲しいです。酒を飲むためではなく。(30代・埼玉県)

「お花見」というと「お酒を飲む人たちがいる場」というイメージがあり、自身の心配が増すことに加え、そういった場に自身が行くことが周囲の目にどう映るかを考え、さらに慎重な行動制約につながってしまっているようです。

「お酒を安心に楽しむお花見」と「純粋に桜を愛でるお花見」。例えば、それぞれの場所・概念・表現を区別することで人々の不満の裏にあるちょっとした「引っかかり」が取れることもあるかもしれません。
例えば「桜宴」「桜見」などで区別してもいいかもしれませんね。

価格に敏感。だから値札を見やすく誤解なく

先週、30代女性では「値札」に対する不満が増加しました(ワードクラウドの中央下部)。

内容を見てみると、「値札のわかりにくさ」に不満が集中しています。

冷凍食品コーナーで値札がないものがいくつかある。よく商品が入れ替わっているので、バイヤーさんが商品を選択しているのだろうが、値札もきちんと交換して欲しい。(30代・神奈川県)

4/15まで安売りのはずなのに、通常価格の値札が貼られていて、ややこしかった。実際の値段と相違ないように値札を貼ってほしい。(30代・埼玉県)

コンビニのアイス。値札のないものがある事が不満。買いにくいので全て揃えて欲しい。(30代・兵庫県)

割引クーポンで「一部商品対象外」とあるが何が対象外か分からない。対象外の商品の値札など分かりやすく明記してほしい。割引対象かどうか分からず買い物を控えてしまう。(30代・兵庫県)

直接的な言及はないですが、背景には「物価上昇」があると考えられます。世界情勢が不安定になる中、多くのモノやサービスが値上げしています。4月から値上げされると発表されているものも多く、生活者は日々の生活において「価格」に対して非常に敏感になっていることがうかがえます。

わかりやすい値札で価格をストレスなく理解したうえで、「安い値段で、安心した値段で、納得できる値段で」買い物をしたいとの生活者の声と言えそうです。

分かりやすい値札。
日々の賢い買い物に大切な役割を果たしているようです。


今週も皆様が穏やかな気持ちで一週間を過ごせますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?