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途上国でのICT教育

〇初めに

  途上国では、教育問題がある。この問題を解決するために、ICTを活用することできれば、少しでも問題解決につながると考える。

〇教育、研究分野におけるICTの活用


 開発途上国の持続的、安定的発展のためには、ニーズを踏まえた適切な人材養成を進めていくことが重要である。、ICTの著しい発展により、距離や時間を克服する教育・研修機会の提供・拡大、情報・知見の蓄積・共有が可能になりつつあり、ICT 活用による途上国の人材養成ニーズへの対応が期待できる。教育・研修分野におけるICTの活用については、遠隔教育、知識データベースの共有、教材・コンテンツのCD-ROM化等が考えられる。ICTの活用は、途上国のICTに関連するインフラ環境、特に途上国内の通信・電力インフラにより大きく影響され、アクセスできる環境にある人数が制限されることに留意が必要である。

〇基礎教育における ICT 活用の動向


 現在、途上国における教育援助では、最貧困地域の教育にICTを活用しようとする先進的取り組みも含め、多様なICT活用が検討・実施されているが、 その効果や評価は定まっていない。基礎教育分野でのICTの使用は、インフ ラ整備やコストの問題を考えると、低所得国では疑問が残る21。途上国では インフラ環境によりアクセスの面からICTの導入が困難なところが少なくな い。初等教育を受ける生徒数は多く、学校等は地理的にも分散しているため、 費用対効果を考える必要がある。ICTの活用では、インフラ環境に加え、遠 隔教育・学習に必要な施設・機材が必要になり、その維持管理、メンテナン スの点から、管理能力が求められる。 そのため、最貧国もしくは低所得国の基礎教育分野でのICT活用は、インフラ整備やコストの面を勘案すると、当面ネットワークの必要がなく、かつ 計画や運営管理部門での使用が現実的である。また、多くの途上国においては教員の養成が課題となっており、教員養成 に ICT を活用することも考えられよう。

〇途上国でのICT導入事例


 ①Eneza Education
  ・ケニアとコートジボワールで活動中の民間企業

  ・良質な教育にアクセスできない子どもを対象に、携帯を使用してクイ  ズ形式の問題を出題するプラットフォーム。教員との連絡も可能

 ➁Mind Spark
  ・インドに拠点を置く民間企業


  ・パーソナライズされた支持を生徒に提供するコンピューター支援学習 ソフトウェア


  ・ゲーム、ビデオ、アクティビティのセットを使用して、45,000を超える質問のデータベースから学生をテストし、説明とフィードバックを提供。
 
 ➂Bridge International Academies
  ・途上国で小学校の運営を行うアメリ カ発の民間企業


  ・授業内容をタブレットにスクリプトとして記録、チューターによる読み上げによる授業実践(授業の構造化)


  ・教員の勤怠管理や保護者のフィードバックにも携帯端末を利用

〇具体的なICT活用可能性と これまでの実践事例
 「子どもの学びの改善」を目指した変化の可能性


 ①生徒への学習支援(Teaching and Learning Support)
  ・これまで
   教科書/教師用指導所/学習教材の開発


  ・今後の可能性
   学習コンテンツを生徒に配信し、個別学習をサポート
   生徒の成績のトラッキング

 ➁教員研修
  ・これまで
   教員研修や授業研究を通じた教員間の学びあいの促進


  ・今後の可能性
   SNSを利用して教員研修要教材、動画を配布
   グループチャット機能を活用した経験共有


 ➂モデル授業のTV配信
  ・<パプアニューギニア:TV番組による授業改善計画>
   遠隔地に点在する学校は慢性的に教員が不足
   首都に首都に「モデル校」を指定し、普段の授業を収録
   遠隔地の対象校に、テレビと共に教師/生徒向けの教材を配布
   生徒に良質の授業配信を行い、教員に授業実践の学びを与える

〇アンケートによるICT活用のメリット


「学びの効率化」に加え、「ICTを通じた学 びの楽しみを提供」という声の大きさ
遠隔者に対する「アクセス改善」の切り札 として想定されている。
データ化すなわちエビデンス化のツールと してのICT(プロジェクトでは避けて通れな い点)

〇アンケートによるICT活用の課題


 高コストとインフラ不足に加え、コンテンツ 整備(特に著作権処理)のを指摘する声がある。
ICT導入による「学習制限」を指摘する声も あり(動機の継続が難)

〇その他 現場専門家カロの声


 ICT導入を目的化してはいけない/基本的な授業技術がまず大切
 ICT導入では、パイロットから面的拡大への移行が難しい
 現地のニーズを重視することが必要 

• ソフト開発は高額で案件単体では手が出せない
デバイスそのものは配布ではなく、個人所有の携帯等を想定するの が現実的

〇留意点


 ICT導入の「目的化」の回避(途上国での傾向強い)
 ICT導入による初期投資/維持管理コストの克服
 (コンテンツの整備、関係者への研修実施)
 パイロットから面的拡大への移行/デジタルデバイドの問題
 (すべての人がテクノロジーにアクセスできるわけではない)

〇考察


 途上国で活動すると、必ず資金不足という問題が出てくる。解決するために、クラウドファンディングなどがあると考える。また大企業からの提携を組んで支援してもらいながら活動していくことが大事だと考える。


 近年アフリカで携帯保持率が上がってきているので、東南アジアでも広がっていくと考える。私は、夢を持てない子どもたちに、夢を持たせてあげたいと考える。夢を持つことで、人生は豊かになると考える。

参照
 JICA 第 4 章 教育・研修分野における ICT の活用

 JICAの基礎教育事業における ICTの活用について(2019年) 
 JICA人間開発部 基礎教育グループ ICTタスクメンバー 中島 基恵

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