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暮らしっ句

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「日々の暮らし」の味わい、ぬくもり、それさえ忘れなければ、成功なんかとは縁遠くても、まっとうに生きていける。逆に言えば、こわいのは「こんな世の中、ぶっ壊してやり直した方がいい」と…
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#季語

[暮らしっ句]秋の声[俳句鑑賞]

未来は向こうからやってくるのか それとも こちらが扉を開けていくのか という話がありますが…

トマリエ
8日前
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[暮らしっ句]秋日和2[俳句鑑賞]

 風鐸の音 待ちぼうけ 秋日和  岩松八重  寺に来て 留守を頼まれ 秋日和  江木紀子 「…

トマリエ
4週間前
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[暮らしっ句]秋日和1[俳句鑑賞]

「出かけたくなる」編  出掛けねば 損するやうな 秋日和  熊谷みどり  そうそう! と思…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句] 蟻 3[俳句鑑賞]

世相編  異変でもおこるか 蟻の大移動  伊藤康子  五月でしたか、都内で行われた数万人…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]夏の旅[俳句鑑賞]

 若き日々 甦りたる初夏の旅  稲畑汀子  若い頃によく行った場所で、ずっと行ってなかっ…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句] 蟻 2[俳句鑑賞]

人生編  働いてゐる蟻見つめゐて 余生  土屋酔月  余生とは何か? いろいろな見方があ…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句] 蟻 1[俳句鑑賞]

凡人編  バスに蟻 下車するあての あるやなし  武田正子  ねぇ、あなた、バス乗ってしまったのよ わかってる?  アテはあるの? もう引き返せないわよ  蟻 「あんたは どうなん?」 .  考へる蟻あり 少し列乱す  閑田梅月  この分野に関してはわたしのほうが詳しいようなの補正 少し考へる蟻あり 列乱す  列を乱すのは、ちょっとだけ考える蟻。  もっと考えると、集団には居られず、ぼっちになります! .  大蟻が客の顔する 峠茶屋  伊藤律子  中世から近

[暮らしっ句]オクラ[俳句鑑賞]

 何はさて オクラにかけし花がつを  小山森生 「まあまあ、落ち着いて、とりあえず一杯~…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]ソーダー水2[俳句鑑賞]

[シニア編]にするつもりでしたが、いきなりやると、 いかにもシニアなので、前回に引き続き…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]茄子の花3[俳句鑑賞]

人生編  数うれば 良き事もあり 茄子の花  斉藤裕子  イヤなことに焦点を当てれば、毎日…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]ソーダー水1[俳句鑑賞]

頬杖をして遠く見てソーダ水  松岡隆子 昭和の恋人たち編  こはれさうな恋 と 同席ソーダ…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]茄子の花2[俳句鑑賞]

つぶやき編  あこがれは晴耕雨読 茄子の花  石山惠子  そんな暮らしをやってみたいけど…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]茄子の花1[俳句鑑賞]

おだやか編  ベランダに 夜風のありて 茄子の花  石川貞子  部屋の中では「暑いなあ」と…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]麦 秋2[俳句鑑賞]

 麦秋や 人呼ぶ声の一度きり  木下野生  こちらはファンタジーというよりオカルト的。 「声の一度きり」というのは、返事をしなかったけれども、しばらくは耳をそば立てていたということでしょう。しかし、次はなかった。  軽く云えばアテが外れた。でも、大袈裟に言えば、瞬間「闇」が覗いた。 「ご飯よぉ!」 お母さんが二度も三度も大声を張り上げる。うるさいなあ、わかってるわよ…… でも、これが一度きりなら……。  要介護者がまた大事なことを思い出したかのように呼びつける。日に何度