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暮らしっ句

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「日々の暮らし」の味わい、ぬくもり、それさえ忘れなければ、成功なんかとは縁遠くても、まっとうに生きていける。逆に言えば、こわいのは「こんな世の中、ぶっ壊してやり直した方がいい」と…
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記事一覧

[暮らしっ句]オクラ[俳句鑑賞]

 何はさて オクラにかけし花がつを  小山森生 「まあまあ、落ち着いて、とりあえず一杯~…

トマリエ
6日前
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[暮らしっ句]ソーダー水2[俳句鑑賞]

[シニア編]にするつもりでしたが、いきなりやると、 いかにもシニアなので、前回に引き続き…

トマリエ
3週間前
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[暮らしっ句]茄子の花3[俳句鑑賞]

人生編  数うれば 良き事もあり 茄子の花  斉藤裕子  イヤなことに焦点を当てれば、毎日…

トマリエ
3週間前
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[暮らしっ句]ソーダー水1[俳句鑑賞]

頬杖をして遠く見てソーダ水  松岡隆子 昭和の恋人たち編  こはれさうな恋 と 同席ソーダ…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]茄子の花2[俳句鑑賞]

つぶやき編  あこがれは晴耕雨読 茄子の花  石山惠子  そんな暮らしをやってみたいけど…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]茄子の花1[俳句鑑賞]

おだやか編  ベランダに 夜風のありて 茄子の花  石川貞子  部屋の中では「暑いなあ」と…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]麦 秋2[俳句鑑賞]

 麦秋や 人呼ぶ声の一度きり  木下野生  こちらはファンタジーというよりオカルト的。 「声の一度きり」というのは、返事をしなかったけれども、しばらくは耳をそば立てていたということでしょう。しかし、次はなかった。  軽く云えばアテが外れた。でも、大袈裟に言えば、瞬間「闇」が覗いた。 「ご飯よぉ!」 お母さんが二度も三度も大声を張り上げる。うるさいなあ、わかってるわよ…… でも、これが一度きりなら……。  要介護者がまた大事なことを思い出したかのように呼びつける。日に何度

[暮らしっ句]麦 秋1[俳句鑑賞]

 麥秋を一直線に旅心  川端実  麦畑とは書いてありませんが、麦秋という季語を選んでいる…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]つばめ[俳句鑑賞]

 つばめ来る 悼みの軒と知らずして  宇都宮滴水  ちゃんと黒着て来ましたよ~とツッコミ…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]新 緑[俳句鑑賞]

スナップショット編  新緑の木蔭や憩ふ 乳母車  吉田きみえ  新緑や補助輪はづす 父と子…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]風光る[俳句鑑賞]

 窓の字に心がありて 風光る  近藤千雅  作者に心があるから「心」が見えたわけですが、…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]犬ふぐり[俳句鑑賞]

 犬ふぐり およそ似合はぬ名をもらひ  楠木君子  わたしがこの花をはじめて意識したのは…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]しやぼん玉2[俳句鑑賞]

 危ふさを膨らませをり 石鹸玉  金森教子 「バブル」というやつですね。こないだも超富裕…

トマリエ
4か月前
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[暮らしっ句]春 愁[俳句鑑賞]

 まずは具体的な心配事がある場合。  春愁や 夢の中まで聞き役に  山本潤子  知り人も噂も増えて 春愁  小林玲子  春愁や 出世せし子は家継がず  相沢健造  もっとたくさんあったのですが、スルーさせていただきました。こっちにもストレスが伝染してくるので~  はじめの二つは人間関係の悩み事、「聞き役」のひと言に、一方的に話をしてくる人の存在が示唆されていますね。 「知り人も噂も増えて」というのは、新年度で新しいつきあいがはじまる。「今度のあの人、○○らしいよ」「へぇ