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"カリフォルニア大学式"7つのストレスコントロール法


カリフォルニア大学サンフランシスコ校の精神科の教授で、ストレス研究者のエリッサ・サラ・エペル氏の著書「The Stress Prescription」は、ストレスが細胞レベルで私たちの体にどのように影響しているか、また、それをコントロールする方法を説明しています。

慢性的なストレスに苦しんでいる人は多いと思いますが、私たちの多くは、仕事、人間関係、介護、学校などによってストレスを感じています。

エペル氏は、日常のストレス要因や、より大きな動揺をナビゲートする準備ができておらず、私たちの多くが常に警戒状態にあると主張しています。

私たちは、"自分ではリラックスしている"と思っていても、実際には低レベルの警戒を維持し続けているのです。

一定の生理学的ひずみは、私たちのテロメアを短くします。(今回はテロメアについては記述しませんので、テロメアについて詳しく知りたい方は、エリッサ・サラ・エペル氏のベストセラー「テロメアエフェクト」をご覧下さい)

エペル氏は、すべてのストレスが本質的に悪いわけではないこと、そして、ストレスのない生活を目指すべきではないと強調しています。

エペル氏の論理

生きていくためには、生理的ストレス反応が必要

それは、何かを実行する準備や、実際の生死の脅威に直面している時にアドバンテージになるから

やる価値のあることには、挑戦、不快感、リスクなど、ストレスの側面が織り込まれており、私たちにはそれを変えることはできない

私たちが変えられるのは"私たちの反応"

上記の理論で進めていくと、ストレスをコントロールして、ストレスの回復力を構築する方法を学べば、私たちはアドバンテージを得られるということになります。

そのために、エペル氏は7つのガイドラインを推奨しています。

カリフォルニア大学式ストレスコントロール方法

1.不確実性を受け入れる

人生は不確実であり、物事は常に計画通りに進むとは限りません。

しかし、不確実性に耐えるのが上手になると、ストレスが減るだけでなく、他者を信頼し協力的になるなど、他の良いことにもつながります。

人生の不確実性を認識することは、絶対的な期待を持っていないことを意味します。

強い期待は、ポジティブであろうとネガティブであろうと、私たちを傷つける可能性があるため、「できるだけ絶対的な期待をしない方がいい」とエペル氏は言います。

それを行う1つの方法は、瞑想法を実践することです。

適切な瞑想法に慣れてくると、まだわからない未知のことを熟考するのを防ぎます。

災害に備えて、その災害を予測するという考え方もありますが、最悪の事態を予測することは、健康に有害なコルチゾールの増加につながるため、エペル氏はそのアプローチに反対しています。

2.コントロールできないことを心配しない

物事がうまくいかないときは、自分のコントロールできるものとそうでないものを認識し、コントロールできるものを変えることに注意を集中させましょう。

反省に集中をしてしまうと、他者の評価、潜在的な悪影響、社会的状況など、自分自身でコントロールできないものを非生産的に思考してしまいます。

自分でコントロールできないものを受け入れると、コントロールできるものに対してのストレスに対処する余力も出るようになるのです。

それには、ブレスワークなどをトレーニングすると、効果的な思考や感情の処理ができるようになるかもしれません。

3.ストレスを活用する

私たちの体は、脅威にさらされたり、困難に直面したりした時に、ファイト・オア・フライト反応に移行します。

ストレスによる身体的影響は、それを悪いことと見なすか良いことと見なすか、私たちの態度に依存するのです。

ストレスのメリットは、気力を高め、頭脳の明晰さを増し、状況をより正確に把握できるようにする。それ以外にも、自信を強め、課題を克服するのに役立ちます。

このように、「ストレスのメリットに焦点を当てると、ストレスに関するストレスが少なくなり、ネガティブな状況ではなくポジティブな状況に注意を払い、避けるのではなく、自信を持ってアプローチできます」とエペル氏は書いています。

このような概念の再構築(リフレーミング)は、何かを試すときに、途中で間違いを受け入れるのに有効です。

4.ストレスをより代謝するためのトレーニング

慢性的なストレスは決して良いものではないと言われていますが、エペル氏はストレスについて"ホルミシス"の理論を提唱しています。

ホルミシスとは、「低レベルでは有益で、高レベルでは有害なもの」であり、ストレスによって細胞レベルでの回復力を構築し、将来の予期せぬストレスに対処するための準備となると考えています。

ストレスをコントロールする方法の1つとして運動がありますが、エペル氏は"高強度インターバルトレーニング(HIIT)"をお勧めしています。

高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング法です。

・膝付き腕立て伏せ
・スライドスクワット
・バービージャンプ
・高速もも上げ

上記のトレーニングメニューで、20秒間の運動と10秒間の休憩を8回繰り返します。(1セット2分を2セット)

HIITは、運動する時間が少ない人々にとって非常に人気が高まっていますが、できない人は、冷たいシャワーを浴びたり、サウナを使用するなど、私たちの細胞を短いストレスにさらす別の方法があります。

5.自然を使ってストレスをコントロールする

自然の中で時間を過ごすと、ストレスが軽減し、幸せな状態になるという多くの研究データがあります。

エペル氏も、「自然への暴露は、ストレスを軽減する最も強力で即効性のある方法の1つである」と主張しています。

自然に囲まれた場所に居ることで、認知過負荷と慢性的なストレスからの回復ができるでしょう。また、自然に触れることによって他者を尊重し、敬う態度を形成する基盤となる"畏敬の念"も育まれます。

森や公園にアクセスできない場合は、夜空を眺めたり、自然の動画などを見たりしても、心を落ち着かせることができます。

6.深いリラクゼーションを練習する

私たちは、生活のストレスを軽減するためにリラックスをする必要があります。

エペル氏は、特に休息に焦点を当てたダウンタイムを経験するような、深いリラクゼーションが必要であると言います。

この種の深いリラクゼーションは、横になったり、ソファでくつろいだり、犬の散歩したりするなど、私たちが通常"リラックス"と考えるものとは異なります。

イメージとしては、すべての責任を手放し、ただ存在することをトレーニングする瞑想状態のようなものです。

もしも体験をしたことがない人は、瞑想法と呼吸法(ブレスワーク)で深いリラクゼーションを体験すると良いでしょう。

深いリラクゼーションができるようになると、すぐにリラックス状態をつくることができるようになり、生理学的に様々なメリットをもたらします。

7.喜びの瞬間を見つける

人間は幸せを感じている時、ほとんどストレスを感じない傾向があります。

エペル氏は、「生活の中でより多くの喜びの瞬間、特に目的と意味の瞬間を育むことが重要だ」と言います。

幸福感と喜びは心身に良い影響を与え、ストレスの回復力にも良いものです。

幸せの追求は、それが強迫観念になると良くない状況となりますが、シンプルに幸せを求める思考や感情、行動は重要です。

エペル氏が提案するトレーニングは、"目を覚ました時と夜寝る時の方法を変える"ことです。

朝、目を覚ましたら、すぐに今日の目標やスケジュールを考えるのではなく、その日に楽しみにしていることをイメージする時間を取りましょう。

同様に、夜寝る前は、一日の最も幸せだったことを語ったりイメージします。

幸福感や喜びは、健全な視点と課題、柔軟性、回復力のリソースを与えてくれます。

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鈴木一弘
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