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科学的瞑想のスターターキット

「瞑想」=「修行」を連想する人もいるかもしれませんが、現代の瞑想は、脳、気分、感情などの管理のために研究された「セルフケアの方法のひとつ」として広く知られています。

瞑想の良い点は、やり方さえ覚えてしまえば、いつでもどこでも簡単に、無料で実践ができるところにあります。

まずは自分自身のために瞑想をしましょう。

上達してきたら、最終的には「利他的な何か」を考えられるようになる余裕が出てくるはずです。


瞑想とは

瞑想の基本的な考え方は、瞑想をすることで「現在の瞬間」や「現在の自分の位置」などを認識するというものです。

そこから「何ができるか」「どうするのか」が重要なのですが、初めて瞑想を学ぶときは、「これで正しい」とか「間違っている」などと思わないことが大切です。

基本的な瞑想法に複雑なものはなく、失敗をするという危険性もありません。

瞑想時は頭の中に、言語、イメージ、思考、計画、不安、空想、心地良さなどを感じますが、それはいたって自然なことです。

「注意点があるとすれば」、瞑想は「過去」を振り返る「反省」ではなく、「現在の瞬間」や「期待する未来」などを意識するためのツールであるという認識です。

瞑想をすることにより、感情的な思考が概念化されると、感情と思考とを切り離して自由に扱うことが可能となります。

上達すれば、自分の頭の中が感情に支配されることなく、いつでも自由にリラックスした状態をつくることができるようになるのです。

不安に対しての瞑想

脳は「生命の危険」を認識すると、恐怖、心配、不安などの感情を発生させ、その根本要因が解決されるまで、その状態を維持します。

その「生命の危険」の要因は、過去のひどい出来事や、まだ見ぬ未来への不安かもしれません。

そのような状態でも、瞑想をすることによって、「現在の瞬間」に頭の中をリセットすることができます。

すると、不安な人は「現在の瞬間は危険にさらされていない」ことに気づき、落ち着くことができます。

さらに、瞑想は「選択、判断、意思決定」を担当する脳の部分を強化します。

不安を「感情」と「思考」とに切り離し、落ち着くことができれば、「どう対応するのか」などについて考えることが簡単になります。

もちろん、頭の中が未来への期待でいっぱいの人でも、「まず何から始めるか」「未来のためにどのスキルが必要なのか」などを考えるのに役立つはずです。

研究では、瞑想が、不安、ストレス、パニック症状などに効果があることが分かっており、アメリカ心理学会、メンタルヘルスアメリカ、ハーバード大学医学部などが支援するカウンセリングなどでよく利用されています。

ただし、瞑想は万能薬ではなく、個人差もありますので、広い視野で経過を観察する必要があります。

瞑想のメリット

・血圧(眼圧)の低下、安定
・現状と異なる、より良いアイデアと、脳の神経回路を再構築する
・学習、記憶、感情管理、視点の獲得、認識を担当する脳の部位のレベルアップ
・存在感の増加
・不安レベルの低下
・生活の質の向上
・愛情、優しさ、思いやりのレベルアップ

瞑想についての誤解

瞑想について時おり、

「無になりなさい」
「何も考えてはいけない」
「頭を空っぽにする」

というセリフを聞くことがありますが、それは大きな誤解です。


瞑想によって頭の中が無の状態になる(する)という理論は、瞑想中に意識不明にならない限り不可能なことでしょう。

心や頭の中がグチャグチャ状態なのを、意識的に呼吸などに向けて、止めて見たり、遠くから俯瞰して見ることが瞑想の醍醐味なのです。

それをすればするほど、意識や論理的思考を実践する脳の部分が強化されるのです。

快適に瞑想する

自分にとって快適な瞑想空間を見つけましょう。

これは、床、椅子、ベッド、座り方など、自分にとって落ち着ける環境を探すということです。

体のリラックスは、心や頭のリラックスにつながります。体が極度の緊張状態では、うまく瞑想することができないのは当然です。

それぞれの瞑想法

意識を「現在の瞬間」に戻す方法を見つけましょう。瞑想の方法は、人によって異なっていても構いません。

これを理解するには、不安や恐怖を感じた時がチャンスです。自分自身に「現在の瞬間」を取り戻す方法を聞くように、色々な瞑想法を試してみてください。

また、「現在の瞬間」に戻りさえすれば、自分自身で良いアイデアが思いつくという感覚を覚えることも重要です。

座らなくても瞑想できる

「瞑想をするぞ!」と決めてやらなくても、瞑想をする方法はたくさんありますので、下記に紹介しておきます。

・頭の中で良い文章を繰り返す
・少し早歩きで散歩をする
・やる気が出るような動画を見る
・好みの音楽を聴く
・静かな場所で文章を書く
・軽い運動をする

因みに、瞑想は上達すると「ほぼ常に」瞑想状態でいることができます。

私には瞑想ができない

人によっては、「私は瞑想に向いていない」「難しい」「できない」「意味がない」と感じる場合があります。

そのように思う方もいますし、それで問題はありません。なぜなら、瞑想は必ずしも「すべての人に効果的である」というわけではないからです。

頭を整理したり、不安を取り除く方法は、瞑想だけの専売特許ではなく、他にも様々な方法がありますので、以下にご紹介します。

・健康に関する習慣の改善(食事、睡眠など)

・芸術、音楽、絵画、文章を書くなど、クリエイティブな自己表現を行う

・身体活動の実践(楽しく運動をしてドーパミン増加とコルチゾール減少の促進)

・呼吸法(たまにゆっくりと吸い、吐き出すような呼吸)

・達成できた毎日の成功体験を認識する(立ち上がれたというレベルでも良い)

・自分と一緒に共感ができる人、信頼できる人、家族、または専門家と話す。

・グラウンディングテクニックの使用(体を振る、手に冷たい水をあてる、333ルール、5-4-3-2-1法など)

・不安に集中してしまうなら、気を散らす(読書、動画視聴、愛する人と過ごすなど)

MRAE(瞑想関連の副作用)

一部の研究者は、特定のカウンセリング理論は、「瞑想が無意識的な防御を促進する」と指摘しました。

全体として、瞑想は効果的なツールですが、「強烈なトラウマ」や「特定のストレス要因」を持つ人にとっては、うまく噛み合わない場合があります。

ある研究では、トラウマや特定のストレス要因を持つ人々は、瞑想中にかなりのレベルの苦痛を報告しました。

おそらくそれは、集中してそのトラウマやストレス要因を考えてしまうから起こる現象でしょう。

やはり重要なのは、この記事の最初にお伝えした「注意点があるとすれば」で記載した通り、瞑想は過去を振り返るものではないという認識です。

しかし、強いトラウマやストレス要因を持っている人は、つねにその事を考えてしまう傾向があるため、瞑想をするとトラウマなどに集中してしまう可能性があるのです。

別の研究では、MRAE(meditation related adverse effects)「瞑想関連の副作用」として文章化をしています。

不安感やトラウマのフラッシュバックなどは、最も一般的なMRAEですが、それらは瞑想を始めて1ヶ月以上経っても、かなりの人々がMRAEを経験しました。

MRAEの研究者は、小児期の困難などがMRAEのリスクの要因であると指摘しています。

専門家の助けを求めるタイミング

瞑想は、「不安解消」「健康増進」「思考改善」など幅広い範囲で役立つツールですが、あまりにも感情的になってしまったり、身体に不調がある場合は、他のサポートを求める必要もあります。

幼少期のトラウマ、レーシング思考、パニック発作(PTSD)、不眠症などは、瞑想のような手法を取り入れることが困難であるかもしれません。

専門家や有識者に相談する行為は、症状が深刻になるまで待つ必要はありません。

おわりに

瞑想は不安を抱えている時や、より良い未来への思考をする時などに、自主的に行うことができるシンプルで効果的な方法です。

世界中のセラピストは、瞑想の効果や要素を実践に取り入れ、様々な手法を提供しています。

不安や未来への展望は、一人で悩む必要がなく、それらを改善、改良する方法を学ぶためのサポートを専門家に受けることは、人生を変える上で大きな可能性を秘めているのです。

次回は「様々な瞑想法」をお伝えします。

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