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直覚知の経済(応用編7:批評実例)

 表層から表層へ移行する芸術は人間に存在論的な安らぎと霊感を与える。人間の芸術作品に対する投影が測定可能な線形的時間へ空間化されると、芸術作品の数理化、デジタル化が始まり、芸術作品を科学的に分析するための基礎ができたことになる。芸術作品は論理から感性化されて成立するものであることを「物を書く」、すなわち哲学的文芸論で取り扱ったが、本稿では逆のデジタル化の操作により、芸術の側から科学的思考について検討した結果、近代以降の社会での科学の現実の姿をありのままに描写し、科学にもまして芸術が重視されるようになった理由を明らかにすることになった。

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