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スターウォーズとの出会い

中学生3年生になったばかりの頃、父は私を映画館に連れていきました。

経緯は覚えていませんが、父と二人で出かけるのは珍しいことでした。

駅には公開中の映画のポスターがあり、父は私に希望を聞きました。

私は迷うことなく一つのポスターを指さします。

当時の私はこれが何の映画か全く知りません。ただ心惹かれたポスターを選んだのでした。

父は「あれ、これ昔やってたヤツじゃないの」と言っていましたが、私はそんなことはどうでもよくて「いや新しいヤツでしょ」と言ってチケットを買ってもらいます。

初めて劇場でみる洋画、人生で最も大きいシアター、バカでかいポップコーンとコーラを買ってもらい、私はウキウキで席につきました。

「父と出かけるのも悪くない」とか思っていた矢先、映画が始まります。

その映画は冒頭のたった1分で私を魅了し、生涯忘れられない映画として記憶に強烈なインパクトを残しました。

小型宇宙船を追いかける大型宇宙船、その船主が画面に映り始めてから何秒たっても船尾が見えないのです。

いったいどれだけ大きいのか。

ようやく全体像が見えた時、その大きさに度肝を抜かれ、『いや絶対逃げ切れないでしょ。ヤバいヤバいヤバい!』と心の中で叫びました。

ガチでヤバいと映画で思ったのは、後にも先にもこの時と、ターミネーター2で液体金属のT-1000型が走って追いかけてきた時だけです。

ちなみに小型宇宙船と大型宇宙船との全長の比率は1:126でした。

2時間はあっという間にすぎます。

そのストーリーは特撮やアニメばかり見ていた私に洋画の面白さを教え、想像力あふれるキャラクター達は私をフィギュア集めに走らせ、ライトセーバーにより剣道の経験を思い出し、男心くすぐる宇宙船は私にSFの魅力を語り、そしてその音楽は私をサントラ大好き人間に変えました。

映画を見たのち、私と父は喫茶店に入ります。

買ってもらったパンフレットは旧3部作を網羅した内容になっており、未だ見ぬ続編に私は心を躍らせていました。

ただ父は私が興奮し、大変満足していたことに気づいていない様子でした。

『父と出かけるのもこれなら悪くない』

そう思った私は、見たい映画ができるとたびたび父と映画館にいくようになります。

今思えば良い親孝行でした。

私は今でも『スターウォーズ』『デカいポップコーン』『デカい映画館』が大好きです。

スターウォーズを通じて親友との出会いもありました。

何気なく父が連れて行ってくれた映画館が、趣味嗜好だけでなく、私の人生にも大きな影響を与えたのです。

父だから、母だからこそ、子どもに与える影響は大きいと思います。

私にはいま2人の子供がいます。

私のどんな行動がどのような影響を彼らに与えるかはわかりません。

ただできるだけたくさん新しい場所に連れて行き、新しい体験をさせ、新しいものを食べさせてあげたいと思うのです。

きっと私が体験したように、最高に楽しい時間や好きなものが見つかるから。

いつか中学生になった子どもたちと、映画館行きたいなぁ

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