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人とまちと商いと。VOL.005『庶民の時代の予兆・商業という概念の変革』

まちで見かけた新しいデザインや業態、面白い挑戦など東京オデッセイ代表が日々の暮らしの中で出会ったコトを読み解いていくビジュアルエッセイ。


「パークPFIは既存公園の再利用」ではない!

これからはじまる大格差社会の中で革新的な商業の場として今後認知されていくだろう!

実は庶民の時代の予兆が始まっている

と見るべきだ。

とにかく、モノを買わなくなった。
特に若い世代を中心にモノを持たない生活が浸透してきている。
ミニマリストと呼んだりする。
必要以外なものは持たないが、その商品のコンセプトや製作姿勢に共鳴すると俄然、消費意欲が湧く。
環境、自然も大きな消費のキーワードだ。

そういった中で、私が特に注目するのはパークPFIの動きである。


例)新宿御苑
平日でも混雑する新宿御苑の入場口。土日となれば長蛇の列を作る。入場料500円。年パスは一般2000円。

例)新宿中央公園
スターバックス、ボルダリングジムなどちょっとだけ商業施設が存在する。

特に重要なのはパークPFIの先に起こる出来事だろう。

今は公園の管理業務を民間に委託し、行政コストの削減と市民への快適な環境の提供がコンセプトであるが、新たな【商業空間】として公園を見直し活性化させ、第3の商空間として成立させるのが高齢化社会や少子化、大格差社会における需要な課題である。

逆転の発想
『かつてこんな自然豊かな商業施設があっただろうか』
がキーワード。

ただただ素晴らしい時間を過ごすことができる。
おまけにモノを買うことができる。

素晴らしいミシュランの食にも出会える。
自然の中で結婚式をあげることもできる。
ライブやイベント、伝統芸能の舞台もある。
オーガニックや有機食品のスーパーもある。
SDGsの衣類や雑貨なども広がっている。

更に、誰でも参加できる庶民マーケットもある。
大資本でも個人でも参加できる商空間だ。

加えて、入場料を払ってわざわざ行きたくなる公園という商空間。
(誰が入場料を払って商業施設へいくだろうか)
という逆転の発想。

能天気なまちづくり的思考ではなく、まったく新しい概念で、
新しい発想で企画する商業施設に変貌していくべきだろうと考えています。

こういったことができるように法整備を行い、行政や住民意向を踏まえた実験都市としてのチャレンジが、今必要と思える。

単純な金儲けでもなく、慈善事業でないその境界に『新しい商空間が眠っている』

一般社団法人国民公園協会『新宿御苑みどころマップ春号』より参照

例)新宿御苑
この中にさまざまな商業空間が誕生していくとしたら、私たちの想像力は限りなく広がる。
お金があるないにかかわらず、全ての人々が共通して幸せの価値を感じるはずだ。

コロナ禍で直近のデータがないが、2018年は250万人の入場者を記録している。
入場料500円として単純計算125億円/年間。コロナ収束後に関しての予測は1日平均1万人=365万人/年間182億円あまりになることが予測できよう。

商業売り上げを入場者数の20%の75万人の人々が3500円(平均客単価)とした場合、
262億円あまりとなり、立派な商業施設として存立することができるくらいの数字が見込める。

しかも他の商業施設と比較し圧倒的に環境満足度が高い=幸せ充実度が高くなるのである。

現状は真夏日の時に多数の自販機が売り切れとか、トイレが汚いとか、離乳食エリア、おむつ替エリアが充実していないとか、休憩所が混雑しすぎるとかサービス施設としてダメなところが多すぎるが、
公園ではなく商業エリアとして考えた時には、こういった問題はなくなり、さらに良いサービスが誕生するはずだ。

もちろんバリアフリー、ユニバーサルデザイン、災害対応、インクルーシブ公園、ダイバーシティやSDGsなどもこのコンセプトの中で企画・計画していくことであると思われる。

そんな都市公園が出現し、ニューノーマルな時代の先駆けになってほしいと思っている。

公園の規模の大きい、小さいではなくコンセプトの問題が大きいと思う。


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