フェミニズム 4つの欠陥
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はじめに
こんにちは、東京バハムート(Tokyo-Bahamut)と申します。
自分で言うのもなんですが、一般的には、私はこれまでの人生で所謂「理解ある彼君」であったし、どちらかというと「男らしさ2.0」を発揮してきた側の人間です。フェミニストの方の求められている男性像にそこそこ近いという自負があります。また、フェミニストを名乗る相互フォロワーと仲良くやりとりもしますし、時に女性蔑視的な言動に眉を潜め、性差別的な言動をしないようにできるだけ気を付けて生きています(失敗することもある)。男性より女性が好きなので、おそらくミソジニーでもないと思います。
一方で、"真正"のアンチフェミニストです。"真正"と言ったのは、表現の自由とか選択的夫婦別姓とか、そういう個別のトピックの賛否の問題ではなく、また単にフェミニストの言動が嫌いだとかという話ではない、もっと純粋に「フェミニズム」という思想に疑問を感じ、終わらせるべきだと考えているということです。
本記事では、私が何故「フェミニズム」を終わらせるべきと考えているかを解説したいと思います。長いので最後に、まとめを載せています。お時間のない方はそちらをご覧ください。
欠陥1:男女平等思想ではない
まずフェミニズムとは何かというところから始めましょう。ここはあえて皆さん(僕も)大好きなWipediaの定義を見てみましょう。
どうでしょうか?Wikipediaですがそこまでズレてないという印象です。そして、とても良いことが書いてありますね。「差別に影響されず男女が平等な権利を行使できる社会の実現を目的とする」。皮肉でもなんでもなく、とても素晴らしいと思います。「男女同権主義」とも書かれています。現代を生きる多くの皆さんは、人権教育を受けてきている為、当然男女は平等であるべきと思ってらっしゃると思います。拙者は真正のアンチフェミニストですが、例に漏れずそう思っています。しかし、「フェミニズム=男女平等」という理解に、実は大きな落とし穴があるのです。
引用の他の部分も見てみましょう。「女性解放思想」「女権拡張主義」「女性尊重主義」という言葉が並んでいますね。フム、「男女同権」と言いつつ、女性のことばかり書いてあります。素直に受け取ると、フェミニズムとは「女性を解放し・女権を拡張し・女性を尊重することで、男女同権を目指すこと」となります。つまり、フェミニズムとは、男性が圧倒的に優位な社会において、抑圧された女性を解放し、その権利を拡張することで、女性を男性と同等の存在にするという思想なのです。
しかし、過去のフェミニストの活躍により、男女間の制度的な格差はほぼなくなり、我々は人権思想の広まった個人主義の時代を生きています。そして我々は知っているのです。もはや「常に男性は優遇され、下駄を履かされている」だけの存在ではないことを。「女性はいつも抑圧され、尊重されない」だけ存在ではないことを。女性も男性も、それぞれ解決すべき課題を持っていることを。
皆さんは、フェミニズム的世界観(女性が圧倒的に抑圧されているという世界観)による"男女同権"と、本来的な意味での男女平等のどちらが良いでしょうか。「いやいや、男性のことは男性で解決して!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。Twitterでもよくそういった意見を目にします。それです!その考え方こそが「男女平等」ではない証左です。人類を性別で分け、片方のみの利益・権利をひたすら選択的に主張する、それこそが「男女平等」の敵ではありませんか?
私もそうでしたが、フェミニズムに出会ったばかりの方や世間一般の方はフェミニズムの標榜する「男女平等」を素直に信じます。ほとんどの方は、たびたび炎上騒ぎを起こしたり、とにかくジェンダージェンダーと喚く一部の自称フェミニストは嫌いだけれども、フェミニズム自体は良い思想だと思っていると思います。しかし、ここで知っていただきたいのは、フェミニズムという思想の前提であり本質です。そもそもの世界観や達成目標が、一般的な男女平等から乖離しているのです。フェミニズムはその乖離を巧妙に隠蔽し、字面だけ「男女平等」を標榜しています。なので、私はこのnoteを書く決心をしました。善意のあなたが、いつの間にか性差別的な取り組みに加担しないでも良いように。
「そうは言っても、女性が抑圧されているのは事実でしょ?私も経験してきたし」と仰られる方もいるかと思います。当然そういうこともあるでしょうし、否定しません。ここで言いたいのは「苦しんでるのは女性だけではない、男性も同様に苦しんでいるケースがある」ということと、「フェミニズムは男性を救う気がない」ということです。そちらを知っていただく為、次に男性の抱える課題とフェミニズムがこれらを救う気がないという論拠を参考として掲載します(既にご存じの方は読み飛ばしください)。
<男性の抱える課題(主なもの)>
★男性は女性よりも、酷使され・追い込まれがちである。
★男性は女性よりも不幸である(世界価値観調査2017~2022年)
★男性の方が勉強・進学においても性別による制約や推奨を受けている(増加傾向である)
<フェミニズムが男性を無視している証左>
★ニュースなどでも大きく取り扱われている国際指標「ジェンダーギャップ指数(GGI)」は女性に有利な場合は満点となる為、男性不利・不平等な計測条件となっている
なお、こちらで紹介したRadertさんはGGIに関するnoteをたくさん書かれているので、是非ご一読いただければと思います(非常に的確な分析と思います)。
欠陥2:時代遅れである
皆さんはご両親や親戚、先生、上司など目上の方の古い価値観に由来する発言で嫌な気持ちになったことはありますか?多分ほとんどの人があると思います。その中には古いジェンダーロールの押し付けなんかも含まれていると思います。ご両親はご両親で、自分たちの時代を生き、その中で形成された価値観のため、いくらそれが現代にあってなかったとしても、今更それを捨てるのも難しいのでしょう。
しかしながら、俯瞰して見ると「上の世代の価値観が古い」というのは、過去から脈々と受け継がれてきた構造でもあるのです。紀元前400年頃の哲学者プラトンの著書(対話篇『国家』)や、そのさらに前の紀元前1680年に栄えたヒッタイト王国の出土物にまで「近頃の若者は」という老害感のある記載があるとも聞きます。
これは当然ですね。前の世代の取り組みの成否が、次の世代の価値観を形作る。前の世代がやってみて良くなかったところは、次の世代で修正する。特に若者は年配者に比べ、保守的な考え方を忌避する傾向があるのは皆さん経験的にご存じですよね。それが、年齢とともに、少しずつ保守的な感性になっていく。その過程で、自身がそこまでに獲得した価値観が固定化されていく。人類は、人類全体でその時の環境に合わせて試行錯誤するための特徴を持っており、それが世代間の価値観のギャップとして顕在化するんですね。
個人主義的な価値意識や人権思想を摂取して大きくなった皆さんは(ご両親が若し頃そうであったように)どこかでご両親の価値観とのギャップに気付き始めたと思います。多くは進学や就職といった人生の分岐点に差し掛かった時でしょう。そして、書籍や大学の講義、有名人のスピーチなどでジェンダー論などに触れ、なるほど自分の持ってた違和感はこれか、と腑に落ちた方も多いのではないでしょうか。
しかし、そこから更に時代は変遷しているのです。どの世代の人間も、上の世代の古い価値観の押し付けを経験してきたはずなのに、何故か自分たちの価値観は古くならないと思ってしまいがちです。当然、「アップデートしろ」と人々に迫ってきたフェミニズム自体もいつかは古くなります。
ここで統計をいくつか見てみましょう。
こちらはド直球ですが男性限定で「フェミニストが嫌いかどうか」を聞いたものです。「フェミニストが嫌いだ」と答えた方は若い男性ほどその割合が高くなります。フェミニズムの体現者たるフェミニストは、若い世代からの支持を集めるどころか嫌われてきているのです。日常的に若い方と関わる機会のある方なら感じられていると思いますが、若い男性が女性蔑視的な価値観を持っているのかというと、そんなことありません。最近の20歳そこそこの方などは、男女平等ネイティブと言っても良いくらいフラットです。
今度はすももさんの「男女のつらさとフェミニズムに関するインターネット調査」を見てみましょう(本調査はプライべートな調査ですが、調査会社を利用したものであり、一定の精度はあると考えます)。
こちらでも同様の結果が出ており、若い世代ほどフェミニズムへのネガティブイメージを持っています。若い世代からは、「男女平等主義」という評価は受けておらず、「男性を嫌っている」「行き過ぎである」「女性に甘く、男性に厳しい」と思われています。「意味を知らない」の割合も増えており、興味の無さもうかがえます。
若者にとってフェミニズムが時代遅れのうっとおしいものになりつつあることが分かりましたが、何故そうなるのか。それは、先述の「フェミニズム的世界観」が社会の実情変化や若者の世界観についていけていないからです。現代社会では女性も既に自由意思を持った一個人として認められ、自由と責任を与えられており、若い世代ほど素直にそれを受け取っています。むしろ「うっせえわ」がヒットし、「親ガチャ」という言葉が流行るほど、世代間格差による対立の表面化が若い世代のリアルです。親や先生、上司といった上の世代との価値観ギャップも、世代間の対立構造が回収しています。いつまでも男女二項対立に拘る思想は支持を受けられないのです。
女性が一方的に抑圧されていた時代おいて賞賛されていた言動も、状況が変われば違う評価を受けます。
望めば女性も働ける世の中において、あえて専業主婦を選び夫への献身を見せる女性に対し、「名誉男性」「飯炊きオナホ」と罵る行為は新たな規範の押し付けでしかないのです。
性別を問わず好きな恰好ができる社会において、あえて""女性ならではの肉体美""を強調する仕事についた女性に対し、「性的消費だ!」と言って仕事を奪うことは、多様性の否定でしかないのです(性的消費についてはnote第一弾を参照ください)。
残念ながら、昔あなたを救ったフェミニズムはもう時代遅れなのです。
拙者は辛いとき音楽に助けられました。しかし、拙者を助けてくれた音楽は、今ではもう時代遅れなので、親しい友人と行った時でもない限り、カラオケでは歌わないようにしています。しかし、歌わないからと言って自分にとってはいつまでも大切な音楽です。
それと同様に、フェミニズムの時代遅れだからと言ってかつてあなたを救った事実は消えません。今の社会には合っていないということをしっかり自覚し、心の中の思い出として大切にしまっておくことが肝要なのではないでしょうか。
欠陥3:議論ができない
皆さんはより良い社会を作っていくには何が必要だと思いますか。例えば、拙者(東京バハムート)が自分の好きなように社会のルールを作った場合、それは拙者以外の人にとって生きやすい社会でしょうか。勿論、そんなことありえませんよね。
それは、この社会で生きる皆さんそれぞれが、自分の価値観を持ち、自分の理想を持っているからです。それぞれの価値観や理想は、他者にとっては価値のないものであったり、まったく理想とは程遠いものかもしれません。つまり、社会とはそもそも「個人間の価値観・権利の競合」で成り立っているわけです。
では、「個人間の価値観・権利の競合」状態からひとつの落としどころを見つけ、ルールを設定し、限られた資源を分配するのはどうしたら良いか。議論するしかありません。議論し、お互いの事情や立場を相互に伝え、勘案し、社会として最も妥当であろうという結論を導くのです。あえて「議論しない」という選択肢もありますが、そうすると常に声の大きい人が勝つ、つまり既にパワーを持った人が勝つという結果になります。最終的には暴力、戦争が解決手段になる方向性なので、拙者はそっちの方向には行きたくないなぁと思ってます。
フェミニズムは「個人的なことは政治的なこと」「私たちは弁えない」といったスローガンを掲げ、「一人一派」を標榜しています。過去、制度上の男女差があり、ジェンダーロールが厳しかった時代、一部のエリート階級以外の女性は高等教育を受ける機会や意見を述べる機会を持てずにいました。その結果、自己主張をしようにも、それに必要な知識も機会を得られず、男性に対して意見を言う際に、本来あって然るべき要素(データによる裏付けや社会全体としての俯瞰的な視点、同調する他者との意見の整合など)を備えることが出来ませんでした。でもそれらを必須条件とするといつまで経っても女性は意見を示せなくなる為、「個人的な疑問や不満でも良いから主張しよう/社会課題として取り扱おう」という方向になるのは自然な流れだと思います。「トーン・ポリシング」や「シーライオニング」といった考え方も同様です。フェミニズムは、一般の女性が意見を言う機会を守り、簡単にかき消されてしまいがちな彼女たちの意見を傾聴する必要がありました。
では、時代を進めて、現在ではどうでしょうか?日本における高等教育機関(大学、短期大学、高等専門学校、専門学校)への進学率は83.8%(文部科学省「令和3年度学校基本調査」より)であり、この統計値に男女ごとの集計はないものの、同統計では進学者数についてはほぼ同等(女性の進学者数を1とした場合、男性は1.1)です。つまり、8割以上の方は高等教育を受けられていると考えられます。また、インターネットで知りたい情報には何でもアクセスできるようになりました。もはや議論に必要な知識を獲得できる環境にいると考えるべきではないでしょうか?
意見を言う機会についてはどうでしょうか?女性の政治家はご存じの通り少ない(1~2割)ですが、投票率はほぼ同等、投票数については常に女性が上回っています(選挙ドットコムより)。
また、政治以外の面を見ても、共働き世帯は専業主婦の世帯2倍以上(厚生労働省「共働き等世帯数の年次推移」より)であり、社会進出も進んでいます。SNSが発達した為、「旦那デスノート」をはじめとしてそれが男性側にどれだけネガティブな話でも、女性が自分の考えを表明できるようになりました。アツギのタイツなど数々の炎上騒ぎについても、企業などが広告を取り下げるまで行ったものもあります。現代では、女性が自由に意見を示す機会が十分あるように見えます。
それにも拘わらず、フェミニズムは旧来のスローガンを掲げ続けます。いや、むしろ一部の方は悪用しているようにすら見えます。各フェミニストが思い思いに主張し、それらの理屈の矛盾を指摘すると整合を取るどころか「一人一派」としてスルーする。フェミニズムとしての統一見解を出さない。発言根拠を聞くと「シーライオニングだ」「あなたはアップデートされていない」「勉強しろ」等と発言し、まともな返答しない。怒りに任せた暴言・態度は議論の妨げになることを指摘すると「トーン・ポリシングである」として一向に省みない。誤謬を指摘したり、反証を提示すると「マンスプレイニングだ」と人格攻撃をする。炎上させておいて対話の打診には乗らない、キャンセルカルチャーの責任を追及されると取り下げた側が悪いと言い出す。etc.
フェミニストを自認する皆さんの中にも、こういった現状について、頭を抱えている方もいらっしゃるかも知れません。しかし、ここまでくるともはや無理です。そもそもフェミニズムは、男性(や敵対者)と議論せずに、ひたすら怒りをぶつける方法で社会に自分たちの要求を呑ませることを成功してきています。だから未だに「女性は怒ってよい!」「私たちは弁えない!」がスローガンになるのです。
また、先述のような議論を徹底的に避けるスタンスを取りながら、数の暴力や声の大きさで最終的に自分たちの要求を認めさせる成果を上げてしまっています。成果を上げてしまっている以上、フェミニズムには自省し軌道修正するモチベーションがありません。なので、良識ある皆さんに投げかけたい。「ここらでフェミニズム自体を終わりしませんか?」と。
欠陥4:男性嫌悪を排除できない
皆さんは、強いミソジニー(女性嫌悪)を持っている人間が男女平等についてフェアに考えてくれると思いますか?ではその逆、強いミサンドリー(男性嫌悪)を持っている人間は?
答えは両方ともNOです。男女双方の生きづらさを解消し、男女平等を進めていくには、個人的な異性への嫌悪感は横に置いておく必要があります。
しかし、フェミニズムはミサンドリーを排除できない。ミソジニーには徹底的に戦うのに、ミサンドリーは素通りする。
「そんなことない、自分はフェミニストだけど、男性のことも考えられる!」と仰る方もいるかもしれません。それは素晴らしいことですが、単にそれはあなたの人格が素晴らしいだけです。問題は「フェミニズムは構造としてミサンドリーを排除する機能を有していない」ということです。女権の拡張だけを主張するなら、ミサンドリーは無視しても何の問題もありませんが、男女平等となるとそうはいかないのです。
これを証明するのはとても簡単です。フェミニズムの教義を勉強しなくても、過去の著名なフェミニストの発言を確認し、そこにミサンドリーが溢れていないかをチェックすればよいのです(もうここで何が出てくるのかわかる人も居そうでござる…)。
上野先生以外は出典不明(じゃあ使うな)ではありますが、調べるとラディカル・フェミニズム系の方はこういった発言をしばしばされています。アカデミックではないので掲載していませんが、『男性根絶協会マニフェスト』のヴァレリー・ソラナスなんかも居ます。この辺はShu.さんのnoteや、みんな大好きエマ・ワトソンについて書かれた魔色さんのnoteに詳しいのでご一読いただければと思います。
Twitterなどで活躍している有象無象の所謂「ツイフェミ」「ジェンダークレーマー」だけでなく、アカデミックやその道の第一人者の方からしてミサンドリー(男性嫌悪)に支配されているのです。繰り返しますが、彼女たち個々人が強いミサンドリーを持っていることが問題なのではなく、フェミニズムがミサンドリーを内包したまま推進しても問題ない思想であること、ミソジニーとミサンドリーで態度を変える思想であることが問題です。ミソジニーだけを敵視しミサンドリーを擁護する思想に、これからの我々の社会は任せられないとは思いませんか?
さいごに(まとめ)
またまた、長文を書いてしまいました。しかも遊びがほとんどない文章。自分のセンスのなさを痛感します。
ここまで読んでみて如何だったでしょうか。確かにフェミニズムじゃなくても良いかもな~って思っていただければ、有難いです。男女平等も含め、我々の生きる社会をより良くしていくには、フェミニズムである必要はなく、例えばヒューマニズムでも良いですし、他の新しい思想、特定のイデオロギーにこだわらず1つ1つの社会課題に向き合うスタンスを持てばそれでこと足ります。ここまでケチのついてしまったフェミニズムに拘る必要はないです。そもそも、男女平等を進めるのに「femin-izm(女性主義)」とはこれは如何に。
最後にまとめのスライドを貼っておきますので、ご自由に利用ください。もし気に入ったらTwitterやNoteをフォローしてくださいね!乱文失礼いたしました。
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