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頚肩腕症候群(変形性頚椎症)の鍼灸治療

疫学:頸部から肩、上肢にかけて、何らかの症状を示す疾患の総称。項頚部痛、肩こり、上背部痛、上肢の疼痛、手指のしびれなどが見られる。20~40代の女性に多い。

原因:上肢の過使用、心理的要因など。

注意点:胸郭出口症候群やパンコースト腫瘍などとの鑑別が必要。

一般的な治療法:温熱療法、体操療法、鎮痛薬や筋弛緩剤などの薬物療法、心理療法など。

当院の治療法:パソコンの使い過ぎで三角筋前中部と頸部筋肉が障害されると、このような症状が出るようです。特に、前・中斜角筋で腕神経叢が圧迫されていたり、三角筋以外にも棘下筋や小円筋付近で血管や神経が障害されて上肢に異常感が現れることがよくあります。コリが上半身全体に見られる場合は、仰臥位と伏臥位2コマ1セットで数回治療します。顎関節症(食いしばり、歯ぎしり)がある場合は斜角筋や胸鎖乳突筋が収縮したり、交感神経が優位になって、自律神経に異常を来すことがあるため、顎への刺鍼も必須となります。初診時は基本的に伏臥位1コマで変化を診ます。三角筋が硬いと肩凝りが強いケースが多く、完治まで時間がかかります。かなり硬い場合は特注の太い針を使いますので、刺鍼時の痛みが強く、内出血が2~3週間ほど残ることがあります。内出血は時間の経過とともに綺麗に消失しますが、筋肉が硬いと、刺鍼するたびに内出血を起こすことがあり、内出血が完全に消えるまで、打撲のような鈍痛が残ることがあります。棘下筋が硬い場合、上腕三頭筋(二の腕)付近にしびれや皮膚の違和感が見られやすいですが、棘下筋へ刺鍼すれば消失させることが可能です。しかし、棘下筋も三角筋と同様、カチカチに凝っていた場合、毎回太い針を使ったとしても、完治までかなりの時間を要することがあります。基本的に、軽症であれば数回の施術で完治するか、症状が減ってゆきます。

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