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夏目漱石の部屋を覗く

大泉学園に住んで早2年。
都内への繰り出しにも便利なこの街から、今日は元千円札で有名な夏目漱石先生に会いに行って来ました。

夏目漱石とは日本近代文学を代表する1人で、私の年代では教科書で一度は作品を読んだことある人も多く、たくさんの人に知られています。
私は彼の作品で初めて「こころ」を読んだとき、魂が震えました。それからいくつか作品を読むようになって今に至るのですが、記念館には行ったことがなく、たまたまマップ上で、しかも都内で発見したので好奇心の赴くままに動いてみました。

いざ、漱石山房記念館へ

本日のルート。
新宿で用事を済まし、都バスに乗って早稲田方面へ向かいます。

15分くらいバスに揺られて到着です。近い。

立地は、早稲田駅から徒歩で約10分程。電車で行って、お散歩がてら歩いたりするのも良さそうですね。

住宅街を抜け、緩やかな坂道の漱石山房通りという名前のついた道を進んでいくと、見えてきます。

街に溶け込むように漱石の銅像が建てられてあり、すぐ後ろに記念館が。

漱石山房記念館は夏目漱石が生誕150年を記念して造られた建物で、旧居にあたり、漱石が好んでいた植物が建物の周りを囲むように植えられていたり、漱石公園と呼ばれる小さな憩いの場がすぐ裏にあります。

涼しげな建物の中には漱石誕生からの歴史が連なり、夏目漱石が書いた全ての作品や、影響を受けた海外文学が出版社別に棚に並んでいます。これらは自由に手に取り読むことができます。

また、カフェ漱石という食事処や飲食スペースがあり、「吾輩は猫である」モチーフの猫が可愛らしく描かれたデザインが印象的です。

バターケーキとほうじ茶を頼みました
ほっぺが落ちます

復元された書斎を発見

入館料300円を支払うと、夏目漱石の色々な展示を見ることができます。

等身大の椅子に座っている漱石先生の模型や生原稿、作品の文言が書かれたパネル展示、付き合いのある作家たちとの木曜会の様子など、見応え沢山です。

とてもリアルに再現されています

また、実際に使われていたという書斎を再現したこの場所は、じっと間近で見ていると、時代を超えて夏目漱石という人物がそこにいるかのような気持ちにさせてくれます。本に囲まれたこの場所で、名作が生まれてきたのだと、堪らなくさせます。

都会の隙間に芸術を

カフェで涼むのも良し、作品を読み耽るのも良し、夏目漱石の生涯を館内のTVで眺めてみるのも良し、グッズ買ったり展示を楽しんだり、ファンは勿論のこと、作品を読んだことのない人でさえ楽しめる場所だと思います。

居心地の良いこの場所で、時々都会ということを忘れて芸術の海に身を丸っきり投げてしまう日も悪くありません。

では最後に、展示で好きになった言葉を置いておきます。

余は吾文を以もって百代の後に伝えんと欲するの野心家なり。

吞気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。

情熱と愛が感じられる言葉たちです。
きっかけがあるのなら、是非足を運んでみてください。きっと穏やかな時間を過ごせると思います。

written by Yamamoto

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