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私も世界も変わっていく

先日、久しぶりに帰省した。実に半年ぶりの帰省である。

なぜ今回はこんな中途半端な時期に帰省をしたのかというと、妹の成人式の前撮りのためである。あとお盆や年末年始より航空券が安いから。

妹と私は5歳年が離れているのだが、そんな妹ももう成人するとなると何だか感慨深いものがある。我が家は特殊なので私と妹は10年間一言もしゃべっていなかったのだが(なんで?)、そんな関係でも妹の成人の写真には写ってやろうかという姉心(?)である。

久しぶりに見た兄弟を見て「大きくなったな~~!」と言うのはあるあるだと思うが、我が家の場合は久しぶりに帰省し、妹に会うたびに「小さいな……」と呟くことになる。妹は中学生ぐらいから全く身長が変わっていないので会うたびに「本当に大学生か?」と思ってしまう。姿は昔と変わらないまま、大学で経済学などを学んでいるのだから世の中まったく信じられない。

週末を利用した弾丸スケジュールの帰省だったので、私は感慨に浸る間もなく即振袖に着替えさせられ、髪をアレンジされ、それなりの身なりに整えられた。身内びいきが入っているのかもしれないが、明るめの振袖を着た妹は可愛らしかった。姿こそ前見たときと変わっていないが、その分初々しさがあるような気がした。(余談だが、私の前撮りの時は「その道の人にいそう」と言われた。どの道にいるんだ)

妹を主役として、家族写真やツーショットなどを撮っていくのだが、写真屋さんの受け答えにも敬語で返している妹に少し驚くなどした。私の中の妹像は私が上京した時で止まっていたのだな、とこの時再確認させられた。なんだかんだ成長してるんだなあ、とここで漸く感慨深くなった。

と思ったら姉妹のツーショットでふざけてギャルピをしたら妹に大ウケし、それがアルバムの写真に選ばれてしまった。本当にいいのか?それで。一生残るものなんだぞ??やっぱり高校生ぐらいで時が止まっているんじゃないか。プリクラじゃないんだが。

その後家族揃って食事をした際、妹の近況を知ることになった。一応大学で単位はとれていること、最近はSnowManにハマっていること、一応将来の就職先のことなども何となく考えてはいること。我が家は姉妹二人そろって勉強が大嫌いなので「公務員だけは絶対に無理」という意見に心の底から賛成するなどしていた。血を感じた。

思えば、5歳も年が離れていたからこそ、妹と私の間には共通の話題が少なかったような気がする。それこそ学生時代の5歳差はかなり大きな違いがある。だからこそ、特に理由はないが10年間話さないような関係になってしまったのだろう。しかし、成人する年になって、就職や仕事のことなどを話すようになると、だいぶ近い目線で話せるようになるのだな、と新鮮な驚きがあった。

母と父が出払って、妹と二人きりになった車内で私は妹に話しかけた。
「メイクって何使ってんの?」
妹は答えた。
「近場のドラッグストアでプチプラ。そこまでこだわりないから安いのがいい」

私も大学生の頃はそうだったなあ、と何となく懐かしい気持ちになった。
「でも就活とかも控えてるなら一応メイクは練習しといた方がいいよ。ファンデはちょっと高くてもちゃんとカバーできるものにした方がいい」
妹は「だよな~~」と少しめんどくさそうに笑って答えた。実に10年ぶりの会話だった。

何とはなしに、「二人とも大人になったな」と私は思った。

帰りの飛行機の中で、妹との会話を思い出した。
私が上京してからも、故郷の時間は進んでいて、私も、私以外のものも確実に変化していっている。

そのことが新鮮で、どこか寂しくもある。しかし、その変化も楽しんでいきたいな、と思えた帰省だった。
また近いうちに帰ってきたい。でもやっぱり航空券が高いからお盆か年末年始以外でお願いします。

Written by yuuun

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