特許は儲かる?発明者は儲かる?
これについて勘違いをしている人が多いと思います。
特許を取っても、国(特許庁)からお金を貰えることはありません!
悲しいことなんですが、特許を単に取っただけでは金銭的な対価は0です。
じゃあ何で、一般的に特許・発明者は、お金が儲かるイメージがついているのでしょうか?
それは、特許を取得した商品が売れたからです。その商品が特許で守られて他社にパクられるまでの時間を稼いだと推定されるから、間接的に特許の対価を企業が発明者に払っているのです!
企業の発明規定(対価の取り決め)によって、発明者が儲かるか否かは変わります。この対価がしぶい設定だと、全くお金は儲かりません!
※日本では、青色発光ダイオードの発明対価の事例が有名ですが、実際には、たいして企業内の発明家は高額な対価を得ていません。
特許を他社にライセンスした場合はどうなんですか?という疑問もあるかもしれません。
これも、結局、特許庁が対価を払うのではなく、企業が発明者に支払うライセンスの対価を決めるのであって、全ては『あなたが所属している会社次第』です。
特許侵害に関する裁判もそうです。裁判を行い他社が私の特許を侵害していても、その特許侵害したときの所属する企業との対価の取り決めによって決まります。10憶売り上げる商品において、特許の内容にもよりますが、その特許が売り上げに貢献する割合となると、一般的に数パーセントの影響度だと思います。3%だとして、その中で、あなたに支払われる対価が1%だと、10憶×0.03×0.01=30万円になります。特許侵害の場合、複数の特許を使って侵害を訴えることも多いので、10件あったとしたら、更に1/10になり、3万円くらいが、あなたに支払われることにまります。更に、1つの特許に対して複数人で発明をした場合、更に1/2、1/3と減って行くことになります、、、
個人発明家はどうしているかって?
ほんと、特許を取っただけでは『0円』です。
むしろ、特許出願、特許を権利化するまでの諸経費を自腹で払うので、マイナススタートです、、、
ニュースで取り上げられる個人発明家の特許アイディアを売り込んで成功した事例は、奇跡の一発です、、、
※ロマンを追いかけたい気持ちは分かりますが、大変ですね、、
もちろん、上手く当たれば稼げることはありますが、かなり難しいです。
発明で損をせず安定して稼ぎたいのであれば、発明の対価が大きく設定されている企業に就職すること
をお勧めします!
こういうことも、社会人になって発明をする立場にならないと知らないことだと思いますが、仕組みを知ると就職先の選び方も変わるので、法的な知識を知るということは大事だなとしみじみ思います。