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人生が崩壊した日

何から書き始めて良いのか
私の出生についてまず触れるべきなのか
それともわたしの家族についてか
よくわからないが
思いつくまま気が向いたまま
書き残して行こうと思う。

忘れもしないあの夏の日。
わたしは野球場でビール売りのバイトをしていた。太腿が露わになるような短いパンツにサンバイザー。いかに効率良く売り上げを伸ばすかそればかり考えていた。
緩やかな階段は心の中の澱みを紛らしてくれるちょうど良い運動だった。
この日、母は友人たちと食事をしに行く予定だったが友人が来れなくなりその代わりに私が行った。
兄は大学院の願書を提出しに行き、自宅に戻ってきたところだった。
わたしは寝起きに誘われて不機嫌で、
「お兄ちゃんがいってきてよ。」
と言ったが、兄はなんて言ったのだろう。
もう覚えていないが、
あの時兄に行かせていればと今でも後悔している。
わたしは母と食事し、そしてデザートまで食べてバイト先に向かったのだった。

ある程度ビールを売ると
補充のために店舗に戻る。
その時、店長に呼ばれた。
無言のまま事務所に来るように言われ
只事では無い雰囲気に何があったのか
思考を張り巡らせた。
事務所について、「今ご家族から連絡が入った。お兄さんが亡くなったそうだ。◯◯病院に来るようにと。」

「あーついに。」と冷静に捉えつつ
「どうして?」と相反する感情を抱いていた。
私はバイト先を飛び出して走った。
走っても意味がないことはわかっていたが
走らないといけないような気がした。
感情が暴走し体がどうして良いかわからないようだった。

あの日は暑かった。
太陽は照っていて、青空は綺麗だった。

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