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エビフライ直立せよ。
エビフライは洋食屋さんの花形メニューのひとつ。とんかつ屋さんや定食屋さんでも人気のメニューですが、その姿が一番輝くのは、タルタルソースをまとって、フォークとナイフで食べるときのような気がします。
🍤シーフードキング
洋食屋さんの人気メニューは、ハンバーグにビーフシチュー、メンチカツにポークソテーとお肉料理が並びますが、その中で大奮闘しているシーフード料理がエビフライではないでしょうか。
イカフライや白身フライと違って、単体でもごちそう感のあるひと品になり、そしてハンバーグと盛り合わさった日には、おそらく当店人気ナンバー1というお店も多いはず。いうならば、洋食界のシーフードキングです。
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🍤エビフライを直立させよう
そんなエビフライ、お店で食べるとぴんっとまっすぐにのびていて、背も高いのですが、自分で作ると背中を丸めたかっこうで、ちょっと姿勢が悪くなったりしませんか。
もちろんそれでもエビフライはぷりぷりで、タルタルソースを添えればばっちりごちそうです。でもせっかくだから、あのまっすぐなエビフライを作って食べたい。
🍤ミッションスタート
そこで今回はエビフライをまっすぐ、天に向かって、そびえ立たせようというお話です。
─こちらトケイヤ、エビフライに告ぐ。Mission No. 111─
エビフライ直立せよ。
まずはエビフライ周辺を準備しつつ、直立をめざします。ミッションには、周辺環境の確認と整備は大切です。
🥬千切りキャベツ
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付け合わせはもちろん、千切りキャベツ。ちょっと高級感のあるフレンチテイストの洋食屋さんだと、ニンジンのグラッセやフライドポテト、絹さやのソテーみたいなときもありますが、やっぱりフライにはこれが好きです。
そんなキャベツですが、千切りが苦手という声も聞きますね。今回はそのコツも紹介します。
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まずは、キャベツをだいたい1/3くらいの幅にカット。
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それから慎重に細く切るだけ。
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切り終わったら水にさらしておきます。
最初に切りわけてから重ねると、葉を1枚丸めるのとは違って、キャベツがもとに戻ろうとする抵抗がないので、切りやすくなります。あとはとにかく慎重に。急がず、焦らず、ゆっくりでかまいません。細く、細くと意識して切り分けるだけです。
🥚タルタルソース
そしてエビフライといえばソースはこれ。
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きゅうりのピクルスは自家製の作り置きです。
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マヨネーズ、こしょうにフレンチマスタード。いわゆる和がらしとは違って、辛みではなく、酸味と香りがいいアクセントになります。
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ここまでで、基本のシンプルタルタル。今回はさらにバージョンアップします。
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茹で玉子をフォークの背でつぶします。
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そこにタルタルソースと刻みパセリをプラス。
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ゆで卵をつぶしすぎないよう、軽く混ぜたらできあがり。
タルタルソースは卵をいれる前の段階でも美味しいのですが、今回はなんたってエビフライ。より豪華にいきましょう。
🍝赤スパ
あとは洋食屋さん定番の付け合わせ。
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パスタを茹でます。
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お湯を捨てたら、トマトソースを投入。
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火にかけながらよくからめて“赤スパ”ができました。
ケチャップで炒めるのではなく、水分の多めなトマトソースをからめることで、すこし置いても乾きにくく、しっとりした感じが残るので、盛り付けまでに余裕があるときはおすすめです。
では、ここからが今回の最大のテーマ。エビフライをまっすぐ仕上げる工程です。
🍤エビの下ごしらえをします
まずは下ごしらえ。ミッション完遂にはまだまだ周到な準備が必要なのです。
🦐まずはお掃除
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竹串を使って背わたをとります。背中の端あたりに横からぷすっと刺してそっと引っ張ると、串に引っ掛かる感じですーっと取り出せるはず。
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続いてしっぽをたたんで先端をカットします。
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開くとこんな感じ。形がそろって見た目がきれいです。
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あとは包丁でこそぐようにして、しっぽの汚れを取れば下ごしらえは完了です。
🦐これが大事
ここからいよいよ、エビフライを直立させるための、とっても大事な準備です。
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まずは背のほうから、5箇所ほど切り込みをいれます。
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今度はお腹側から。切り込みをいれる位置は、背中にいれた切り込みの間をねらいます。互い違いっていうんですか、そういう位置です。
切り込みをいれ終わったら、エビを手のひら全体で包むように握って、きゅっきゅっという感じで数回握ります。このとき、手の中でぷちぷちっとした感触があればだいたいOK。この工程が直立最大のポイント。エビの筋を断ち切ることで、揚げたときに縮むのを防ぐ目的です。
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下ごしらえした左のエビと、なにもしていない右のエビを比べるとこのとおり。姿勢がよくなりました。
🍤ミッション“アゲアゲ”
あとは揚げるだけです。
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衣はトケイヤkitchenいつもの、水で溶いた天ぷら粉、パン粉の順。パン粉をつけたあと、軽く握っておくと、衣が密着しやすくなります。
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ほら、まっすぐ。
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揚げるときは高温で一気に。火通りのいい素材なので、時間をかけずに衣をかりっと仕上げるイメージです。
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下になった面が固まったら返して、あとすこし。エビって揚げているうちに、いい香りが漂ってきますよね。それだけでも気分はアゲアゲです。
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これくらい色づいたらできあがり。あれ…。右端の子はちょっと姿勢が悪いですね…。まあ仕方ない。作戦にこういう想定外はつきものです。
🍤ミッションコンプリート
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めげずに盛り付け。キャベツはこんもりと小山のように盛り付けます。これがこのあとの作戦に大きな成果をもたらします。
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タルタルソースはお皿に敷いて、レモンも添えます。
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タルタルを足場に、Mt.キャベツに寄りかかる感じでいきます。
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立った!
エビラが立った!
ほら、けっこう直立感。
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そして上から追いタルタル。豪華です。
─ミッションコンプリート。角度45°直立度85%─
─ラジャー。エビフライの直立を確認。各員、食せよ。─
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さあ、指令の許可もおりたし、あとは食べるだけ。まずはレモンを絞って、タルタルたっぷりのところをぱくりとひと口。
ある程度食べると、ちょっとウスターソースをかけたくなったりもします。ウスターとタルタルのマヨが混じるのも、途中からは歓迎です。最初はやっぱり純粋なタルタルで食べたいんですけど、エビフライが3本もあれば味変は嬉しいですよね。
🍤次回ミッションにむけて
ところで、今回のエビフライ、直立まであと一歩感がありましたが、振り返って考えると、スジを切るときに、ちょっと握りが甘かったかも。
切り込みをいれたあとの作業なので、握りしめすぎるとエビがちぎれてしまいそうな気がして、手加減しすぎた模様…。握ったあとのエビの尻尾を持ってぶら下げてみて、完全に脱力してるくらいまで、思いきってスジを切ったほうがよかったですね。作戦遂行に躊躇は禁物です。
それと尻尾のところが、すこし内側におじぎするみたいに曲がってしまったので、あのあたりにも切り込みをいれるとよさそうです。
ちなみにことし、友人のお子さまのお誕生日祝いにお子さまランチをつくったのですが、そのときかなり直立したエビフライも、あらためて見てみるとすこししっぽがおじぎみでした。ほんのすこし、ね。
次回つくるときは、そのあたりも考慮してみようと思います。
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