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バターの魔法

おいしいものには香りがありますよね。

なにかを食べるとき、実際にそれを口にいれる前に、香りが漂ってきます。

たとえばお味噌汁のお出汁の香り。炊きたてごはんの湯気の香り、スパイシーなカレーの香り。どれも、いまから食べるひと口めへの期待を膨らませてくれるいい香りです。


🧈朝の香り

朝、目が覚めたときに漂ってくるバターの香りもたまりません。

焼きたてのトーストに染みて、つやつや光るバターは、いまからきょうが始まることを告げる、おいしい時報。

バタートーストには、目玉焼きをのせてよし、ハムとレタスをのせてマヨネーズをかけてよし、甘いジャムをのせてよしの懐の深さがあります。

それはもちろん、どんなおかずでも受け入れるパンのよさでもありますが、バターだってそう。お肉や魚、野菜を焼くのに使ってもおいしいのに、ケーキにだって使える万能さがあります。

🧈万能調味料バター

バターってメインの食材ではなく、調味料でもあり、オリーブオイルと並ぶ油脂でもあり、食卓のあらゆるところで活躍する素材ですね。

たとえばこれ。

焦がしバター。火をいれると、香ばしさが立ち上ぼり、洋食の豪華なイメージが浮かびます。

そして洋食といえば、付け合わせに活躍するグラッセ。バターの香りと砂糖の甘味をまとった、つやつやの野菜が魅力的です。

小麦粉をバターで炒めれば、カレーやシチューにとろみをつけるルウにも変身。これも単なるとろみ付けではなく、バターを使うからこそ、香りと味をプラスしてくれていると思います。

そしてソース類の仕上げはこれ。火を止めてとかすバターが香りにコクを加え、味にまろやかさを出してくれます。

仕上げにのせたバターを溶かしながら食べるのも、魅力的ですね。

小松菜やほうれん草の青菜も、バターで炒めれば、ちょっとリッチなテイストに。ここに和の醤油を加えたバター醤油炒めは、それだけでひと品になる野菜のごちそうです。

バターというと、そこにプラスする味付けは塩こしょうと思いがちですが、醤油との組み合わせがかなり好きです。すごく相性がいいと思うんですよね。

🧈鶏肉のバター醤油煮

そんなバターと醤油の組み合わせは、炒め物、焼き物に活躍しますが、今回は軽い煮込みのレシピで組み合わせてみました。

それではそのひと品を紹介します。

🍗材料(2皿分)
・鶏もも肉…1枚
・玉ねぎ…1/2個
・にんにく…1片
・バター…10グラム
・小麦粉…適量
・醤油…1/4カップ
・白ワイン…1/4カップ
・みりん…1/4カップ
・砂糖…大匙2
・水…1.5カップ
・ねぎ

まずは薄切りのにんにくと、くし型に切った玉ねぎをバターで炒めます。

玉ねぎがしんなりしてきたら、小麦粉をまぶしたひと口大の鶏肉を合わせます。

鶏肉の表面にひととおり火がはいったら、調味料と水を投入。強火にかけます。

沸いてきたら弱めの中火でことこと。玉ねぎがくったりして、鶏肉に火がはいればOKです。

炊けたらいったんさまして、味を染み込ませます。

食べる直前に温めなおして、器に盛ったら、彩りのねぎを添えて、鶏肉のバター醤油煮ができあがりました。

じゃがいもやにんじんをプラスすれば、ボリュームが出て、夕飯のメインにも。醤油風味なので、白ごはんのおともにもばっちりです。

このメニューのヒントになったのは、洋風のシチュー。バターでコクをだす、あのポイントを和風の煮物に組み合わせてアレンジしたものです。

ほんのひとかけ、バターを加えることで、炒め物でも煮物でもソースでも、香りと味にコクやふくらみが生まれます。バターにはそんな魔法の力があるのです。

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