ラーメンなのかい。サラダなのかい。
ご当地グルメのアレンジ再現をしていると、なんとかライス、なんとか飯みたいなごはんの上になにかをトッピングするスタイルと、麺系が多いように思います。
🍜ご当地の麺料理たち
そのうち麺物でいうと、たとえば奈良県天理の天理ラーメン。ピリ辛系の野菜炒め的なトッピングが特徴的なひと品です。そのほかにも、沖縄そばに、パリパリに焼いた麺が香ばしい大分県の日田焼きそば。さらには洋風のエッセンスを感じるところでは、焼きそばにトマトソースをのせた新潟のイタリアンに名古屋のあんかけパスタなどなど、バリエーション豊かです。
そのいずれも、分類するならもちろん麺料理。お品書きでいうなら“〆のひと品”という場所に掲載されているはずのメニューです。
🥗麺はあってもサラダです
そんな中、麺を使っていて、しかもメニュー名にはラーメンとはいっているのに〆の一品ではなくて、サラダだという料理があります。
それがこれ。
北海道のご当地グルメ、その名もラーメンサラダです。ぱっと名前を聞くと、はたしてこれはラーメンの仲間なのか、サラダのバリエーションなのか考えてしまいそう。でも…。
そう、あくまで分類はサラダ。ラーメン屋さんの夏限定メニューの冷やし中華ではなく、居酒屋さんのサラダメニューなのです。
🥗ラーメンサラダ作ります
今回はそんなラーメンサラダをアレンジ再現してみたお話です。
なんといってもサラダなので、まずはサラダな部分を考えるところからスタート。
ざっと揃えた材料を見直すと、これはまごうことなきサラダの顔ぶれ。なにもいわずにこの材料を並べたキッチンを誰かが見たら、きっとチキンサラダを作ろうとしてるんだなと思うでしょう。
🥗材料(1皿分)
・中華麺…1/2束
・茹で鶏…2枚くらい
・レタス…2枚
・きゅうり…1/5本
・トマト…小ぶりのもの1個
・茹で玉子…1個
でもこの中に、ラーメンとの相性のよさを主張してる子がいますね。そう、茹で玉子です。黄身もうまく半熟に仕上がっているので、いまからつくるのはサラダなのに、ぐっとラーメン気分が盛り上がりますね。
でもね。もう一回いっておきます。たとえラーメンの麺を使っていても、それでも今回作るのはサラダなんです。
なので茹でた中華麺は氷水にとって冷やします。冷静に冷製麺を作りましょう。
🥄ドレッシングはあれを
続いてラーメンをラーメンとしていただくなら必要なのはスープですが、サラダとしていただくときに必要なのはそれじゃない。ドレッシングです。
ラーメンサラダのレシピを調べてみると、ドレッシングの味付けはいろいろあるみたいです。たとえば冷やし中華風の甘酢醤油やごまだれなんかも定番のバリエーションのようなのですが、なんといってもこの子は北海道のご当地グルメ。
🥄ドレッシングの材料
・マヨネーズ…大さじ1
・味噌…小さじ1
・醤油…小さじ1
・フレンチマスタード…小さじ1
・こしょう…少々
北海道といえば、ラーメンは味噌。寒い土地ならではの、温まるミソスープのラーメンが有名です。というわけで、そこにフォーカスしてアレンジ。今回は味噌を使っても冷製ですけどね。それでもあえて、味噌ラーメンの雰囲気を出してみます。
マヨネーズに味噌ってあいますよね。醤油とフレンチマスタードは味に深みを出すアクセント。こしょうはラーメンときたらはずせません。
🍜ラーメンサラダの完成です
具材OK。麺冷え冷え。ドレッシングも準備万端。
さあ、盛り付けです。
ベースのレタスをお皿に敷いて、水気をしっかり切った麺を載せたら、ドレッシングの出番。
そしてトッピングを総動員。どうでしょう。これがラーメンサラダ。野菜たっぷり。たしかにこれはサラダのルックスです。
でもトッピングの真ん中にどどーんと座る半熟卵が、ラーメン感も盛り上げてくれています。
そして食べるときに振る追いこしょう。これもラーメンとしてのアイデンティティの名残でしょうか。ドレッシングにいれたのとは違い、ここでは粗びきにしてみました。
味噌マヨネーズのコク、フレッシュな野菜メインながらも、そこにからめて食べる麺の満足感。いわゆるおかず系サラダとしての醍醐味です。
でも、ラーメンなのに。何がこのひと皿をサラダとして認識させてくれるんでしょう。
🥗麺とサラダの分岐点は
たとえばおなじ系統のサラダうどんというメニューがありますよね。あれはうどんの麺が太いからか、うどんが勝ってて麺料理という気がするのですが、ラーメンサラダは麺ではなくサラダだといわれれば、なんとなく納得させられそうな雰囲気があります。
そんな2品を比較してみて、ふと気づいたのが料理名の違い。サラダうどんはサラダのあとにうどんがきてます。つまり、サラダ風のうどんなのでサラダうどん。
逆にラーメンサラダはラーメンのはいったサラダなのでラーメンサラダと名乗ってるのではないか。シーフードののったサラダがシーフードサラダだったり、鶏肉をトッピングしたサラダがチキンサラダだったりするのと一緒です。
たとえばチキンの場合、その名前の順番が入れ替わると、サラダチキンですよね。これはサラダという料理の一種ではなく、サラダにも使える鶏肉の料理名ですもんね。
そして、ふと思い出したのが…。
そう、スパゲティサラダ。洋食の付け合わせに出てくる、マヨネーズベースの冷製スパゲティ。あれはたしかにサラダです。なんといわれようとその立ち位置がサラダしてます。マカロニサラダもそう。どちらもけっこうしっかりパスタが主役なのに、麺料理ではなく、お肉やフライのとなりで千切りキャベツと一緒にサラダの仲間として存在してますよね。
それはなぜか。料理名の末尾にサラダを名乗ってるからにほかならないはず。
というわけで、麺なのかサラダなのかの分岐点は、自己申告ということでいいのかもしれません。だとすると、“サラダ”でその名前をしめくくるラーメンサラダは、やっぱりサラダなんですね。
さあ、おつまみにラーメンをサラダでいこうじゃありませんか。
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