時計荘

美術作家島津さゆり、鉱物ジオラマブランド「時計荘」です。 鉱物の美しさや不思議を通じて自然への崇敬や賛美を表現します。

時計荘

美術作家島津さゆり、鉱物ジオラマブランド「時計荘」です。 鉱物の美しさや不思議を通じて自然への崇敬や賛美を表現します。

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    • 鉱物アート作家「時計荘」の見る夢は

      鉱物アート作家時計荘・島津さゆりの作品制作にまつわる話や作品解説などをまとめてゆきます。

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    石はすべて答えのかたちをしている

    私はアーティストとしてこれまで、鉱物をモチーフとしたアッサンブラージュ(立体的コラージュ)という手法で潜在意識へアクセスし、それにより自然崇拝や祖霊への畏敬という文化への理解と教化を深めていくことに徹した活動をしてきました。 今回アートコンプレックスセンター東京における二回目の島津さゆり個展では、この活動における一つの思索を試みます。 古来より、鉱物はあらゆる文化圏において様々な宗教・信仰・祭儀的意味を持ち、それが転じて支配者層の富や権威の象徴的な存在でありました。 そうし

      • アーティストステートメント

        私は旧い農家に生まれ、自然崇拝と祖霊信仰を中心とした神仏習合文化、多神教的文化の影響下の中に育ちました。 そうした背景を持つゆえに一神教的文化を背景とする西洋思想に違和感を感じていた私は、自身のルーツをより理解するため大学を卒業後に旧官幣大社の神社に本職巫女として奉職し、神楽舞や雅楽による祭儀や神前奉仕を行い後進の指導を行う巫女長を勤めました。 伝統的宗教の中での芸術とは、しばしば人が神を賛美し、神と人とがつながるための装置として登場します。 私にとっての芸術とは長らく、

        • 夢を見ること~鉱物ジオラマと超現実~

          さて、このところずっと私の今後の活動方針についてお話してまいりましたが、本日は島津さゆり個展「こんな夢を見た」のテーマとコンセプトについてお話ししたいと思います。 先日、自分の背景やルーツから無意識や潜在意識にアクセスする現代の「かんなぎ」とシュルレアリスムの相似に迫る表現を目指していることは既にお話ししました。 その上で、今回の個展には「こんな夢をみた」というタイトルを採用しました。 今回の展示のタイトル「こんな夢を見た」は言うまでもなく夏目漱石「夢十夜」の冒頭の一節

          • 鉱物ジオラマからアッサンブラージュアートへ

            今日は「鉱物ジオラマ作家『時計荘』としての活動と、美術作家「島津さゆり」としての2つのラインで活動していく」という昨日のお話からさらにお話を進め、新しく活動を始めた「美術作家・島津さゆり」のアッサンブラージュアートとはどういうものなのかについてお話ししたいと思います。 以前お話ししたかもしれませんが、私は旧い農家に生まれ、昔ながらの日本人の価値観、山川草木森羅万象の自然を崇拝し、祖霊を崇敬する宗教観を持つ神仏習合文化の中に育ちました。 成長し自我を確立する中で時には育った

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            島津さゆり個展「こんな夢を見た」について

            東京四谷三丁目・アートコンプレックスセンターにて2022年5月17日(火)~22日(日)※最終日のみ17時まで※、島津さゆり名義の初個展「こんな夢を見た」を開催します。 私はこれまで鉱物ジオラマ作家「時計荘」の屋号で、主に書店や雑貨店、カフェやイベント等での活動を2014年から8年間してきたのですが、この度新たな挑戦として、アッサンブラージュアートとしての鉱物ジオラマの世界を表現する美術作家「島津さゆり」としても活動していくことになりました。 これまでもこのnoteで何度

            個展の開催とシャララ舎さんのこと

            今年もGW時期恒例、4.28〜5.30でシャララ舎さんでの個展を予定しているので、例年であれば既にご住所をいただいている方へのダイレクトメールの発送が完了している時期になりました。 が、今年はWebおよびSNSでの告知のみでまだDM発送ができずにいます。 昨今の状況を踏まえて、先々のことを早めに告知してしまうと、万が一感染拡大状況が悪化した場合ご予定を組んでいただいたお客様にご迷惑がかかってしまう心配があるためです。 この先、状況を見ながら発送をしたいと思っています。ご

            好奇心と勢いで神社に就職した話

            ついさっき、30分ほど前。 Twitterでフォロワーさんからご質問を受けました。 いわく、私が巫女になったきっかけを教えてほしいとのこと。 普段であればこうした作品に関するお問い合わせ以外の雑談は長引くと本業に差し障るため、さっくりと短く答えて終わりにするのですが、この質問者のかたがこれから巫女として奉職したいと考えている方だったので、これはきちんとお答えしたいと思いました。 作品や制作活動には直接関連しない宗教に関するお話なので、ご興味のない方はここで読むのをやめて

            明晰夢にハマった結果アーティストになってしまった話

            個展も会期残り4日となり、そろそろ作品に関する話だけではなく私の話もしようかと思っていたところ、今朝は久しぶりに明晰夢をみたので、今回は私の作品の統一テーマにもなっている夢の話をしようと思います。 そもそもの発端は、大好きな谷山浩子さんのご著書で浩子さんが夢日記をつけていた話を読んだことでした。 浩子さんの世界に憧れていた私は、あの独特の発想や詩情あふれる世界にもっともっと近づきたくて、大学の4年間、毎日欠かさず夢日記をつけることにしたのでした。 夢日記を作成する方法

            鉄道模型もプラモデルも作ったことのない私が鉱物ジオラマづくりを始めたわけ

            noteの記事では先にスノードームのご紹介をしましたが、ご説明したとおりスノードームは制作と販売が難しいため、私は現在天然の鉱物とジオラマを組み合わせたアート作品をメインに制作しています。 現在(9/19~28)中野ブロードウェイ4階のギャラリーリトルハイにて開催している個展会場にもスノードームの他に210個あまりのジオラマ作品を並べていますので、今夜は私とジオラマとの出会い、そして作品に昇華されるまでをお話したいと思います。 ジオラマというと日本では鉄道模型やプラモデル

            スノードームの「永遠ではないからこその美」を楽しむはなし

            19日から中野ブロードウェイ4階のGalleryリトルハイにて、個展を開催しています。おかげさまで盛況なスタートを切り(ありがとうございます!28日最終日、水曜定休です)、お持ちした60個のスノードームもかなりの数がお客様の元へ旅立ってゆきました。 そんな個展初日、2日目に在廊してお客様とお話しする中で自分とお客様の中にあるスノードームに対する認識にズレがあるなと感じました。 今日は7年かけて鉱物スノードームを販売に漕ぎ着けた私の、個人的なスノードームへの愛のお話を書きた

            大量の作品を展示する事にこだわる理由

            本日から中野ブロードウェイ4階のギャラリーリトルハイにて、時計荘個展「いつか見た石の夢」が無事始まりました。 混雑回避のための整理券配布などでお時間をたくさん割いていただいたり、会場内人数制限を設けたりとご不便をおかけしましたが、皆様のご協力のおかげでたくさんの方にご覧いただくことができました。 本当にありがとうございます。 どのお客様もまずは個展会場内の作品の多さに驚かれ、またこういった機会にたくさんの作品を見比べながらお選びいただくことをお楽しみくださって、私にとっ

            時計荘個展「いつか見た石の夢」がはじまります!

            9/19~28日(水曜休廊)中野ブロードウェイ四階GALLERYリトルハイにて、時計荘個展「いつか見た石の夢」が始まります。 恐ろしいほどの物量になりました…いつものことなのですがこれについては後程記事にまとめますね。 今夜は直前ですので、まずは初日の対応についてここにまとめさせていただきます。 お越しになる方はご参考になさってください。 1、整理券配布について 午前11時よりリトルハイ前にて整理券を配布いたします。整理券配布後はいったん解散していただき、12時より

            鉱物スノードームのひみつ

            明後日からいよいよ年に一度の個展(中野・ギャラリーリトルハイにて)が始まります。 …というこんな朝にのんびり記事を書いていていいのかという気もしますが、むしろこの時期は頭の中身を整理するつもりで文章にした方が楽なのです。寝不足で文章がおかしいかもしれませんが、よろしければお付き合いください。 今回の個展では多数の鉱物スノードームを展示することにしました。 これは私が独自に開発して制作したオリジナルスノードームなのですが、これを販売までこぎつけるのは本当に長い年月と大変な

            生活の中で石を飾る愉しみ

            時計荘の作品は基本的に、普段の生活の中で石を安全に手軽に飾って楽しめるように作られています。 鉱物をコレクションするのは楽しい趣味ですが、前回の記事でも書いたように、生活の変化によって引き出しにしまい込んだ鉱物を取り出して眺めることが難しくなると、ほぼ死蔵しているだけで鉱物に親しむ生活も遠のきます。 難しいことは抜きにして、ただ美しい石、面白い石を眺めて暮らしたい。 疲れた時にふと、自分の好きな石が目にはいるような生活空間で暮らしたい。 そんな思いを叶えるための作品作

            鉱物アート作家になるまで

            初めまして、鉱物アート作家の『時計荘』島津さゆりです。 鉱物標本を使ったジオラマを盛り込んだオブジェを専門に制作しています。 『時計荘』は屋号、島津さゆりは作家名です。 今でこそ店舗常設やギャラリーや書店での個展を中心に活動していますが、活動初期はデザインフェスタなどのイベント出展をメインに活動していたため、屋号が必要だったので当時運営していた鉱物ブログ「時計草の庭通信」を縮めて語尾を変換して「時計荘」と名乗ることにしました。そのまま定着して今にいたります。 そう、私は