東海亮樹プロジェクト

「本は栄養、映画は滋養、まちは涵養」 。 記者、ライター、フリーペーパーの編集長だった…

東海亮樹プロジェクト

「本は栄養、映画は滋養、まちは涵養」 。 記者、ライター、フリーペーパーの編集長だった東海亮樹 (Tokai, Ryoju 1968-2017)を知る者たちが、 生前に書き残した文章を新たに世に送り出すプロジェクト。主に社会、文化に関する評論とエッセイ。少しだけ創作。

最近の記事

おっさんのセクハラ考

2014年6月21日 facebook投稿 <プロジェクト担当者より補足> 以下の本文(FB投稿)冒頭の「セクハラ発言」とは、2014年6月18日、東京都議会本会議にて、当時みんなの党会派議員だった塩村文夏氏が、妊娠や出産に悩む女性への支援策について東京都側に質問していた際に、「自分が早く結婚したらいいじゃないか」「産めないのか」といった「セクハラヤジ」を受けたことを指しています。 当時のニュース映像です。 https://www.youtube.com/watch?v=

    • 世代論2 想定問答

      2013年11月26日  facebook投稿 · 世代論です。 たまたま料理屋で、20代の会社員女子VS40代おやじ平社員・40代女性管理職という対立図式にして「お互いの世代の平均像を意識して想定問答をつくろう」という言葉遊びをしていたら、いろいろと発見があったので書いておきます。「想定問答」で実話ではないですから、念のため。 (テレビで特定秘密保護法案通過のニュース) おやじ「まったくこんな悪法が通って、日本はだめな国になってくな!」 女子「どうしてですか?」

      • 世代論1 新人類

        2015年5月19日  facebook投稿 · 世代論です。 朝日に社会学者の見田宗介さんのインタビューが掲載され、「成長はもういらない」という内容で話題を呼んでいますが、さらに別の意味で論争(というほどではないですがw)になっているのが、朝日の記者が併用表でつくった世代ごとの年齢層です。 一番の問題は「新人類」を「1954〜68年生まれ」としている点です。あたしは68年生まれですが、自分を新人類世代と考えたことは一度もありません。「一緒にするな!」という気持ちを込めて

        • 感情と政治

          2015年9月22日 facebook投稿 ニュース番組で聞いたSEALDsのメンバーの話で大変感心したことがあります。スピーチで特に決めていることはないけれど、「話をしているときに、泣かない」ということだけはルールとしているそうです。 政治は「感情」に訴えると碌なことはありません。右でも左でも同じです。半藤一利さんはずっと「国民が熱狂して戦争の泥沼に入っていった」ということを主張しています。政治も悪いし、メディアも悪いのですが、もうひとつ「熱狂」が悪いんです。喜怒哀楽の

          レッシグ教授の「市民の平等法案」

          2015年9月9日 facebook投稿 · · 日本では憲法学者が教え子に司法試験の問題を漏らして告発され、かたやアメリカでは憲法学者が「真の平等」を訴えて、100万ドルのクラウドファンディングに成功して大統領選に立候補表明しました。偶然とはいえ、志の高さと低さの雲泥の差に、日本、がっかりです。 レッシグ教授は、「選挙制度改革の法案を通すことだけやる。通ったらすぐ大統領を辞任して、副大統領と代わる」と、すごくかっこいいのです。で、選挙制度改革というのが極めてシンプルで本

          レッシグ教授の「市民の平等法案」

          追悼:菅原文太さん 貴種としてのヒーロー

          2014年12月1日  facebook投稿 菅原文太さんが亡くなりました。高倉健さんが亡くなったときは強い喪失感がありましたが、文太さんだと、悲しいのですが、喪失感というより 「神話の幕が閉じた」という感じがしています。 あたしにとりましては、菅原文太さんは、とにかく「仁義なき戦い」です。各回10回以上見返していて、まったく飽きることがありません。名言集だったら100は言えます。 喪失感ではないのはなぜでしょうか? 「仁義なき戦い」はホメロス物語と同じで「貴種漂流譚」

          追悼:菅原文太さん 貴種としてのヒーロー

          二重性 辻井喬氏小伝

          2013年11月28日 facebook投稿 · 辻井喬(堤清二)さんがお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。 辻井さんにお会いすることはできなかったのですが、この方は本当に「日本の引き裂かれたアイデンティティー」というべきものを体現していると思っていました。引き裂かれたというのは、西洋/日本、ブルジョア/労働者、経済/文学、親米/反米など、ずっと日本が分裂し、融合できないでいた自己像のようなものを痛ましくも象徴していた人物だということです。 辻井さんは西武鉄道グ

          二重性 辻井喬氏小伝

          生産者から消費者へ

          2014年7月12日 facebook投稿 · 日本人の意識が「生産者」から「消費者」に変わったのはどこからだろうと考えていたのですが、あたしらが小学生のときに学校で見させられた「はたらくおじさん」という番組を思い出しました。 https://www.youtube.com/watch?v=3WqVdlEmQUA (プロジェクト担当者からの注:原文URLの動画は削除されていたため、 ほぼ同じと思われる動画のURLを掲載しました。) wikiってみると、番組は82年に「働く

          月日は流れ、私は残る

          2016年6月25日 facebook投稿 ミラボー橋の橋の下 月日は流れ 私は残る 銀座七丁目の定点観測をして、十数年。まだ迎えてくれる人もいて、見知らぬ人もいて、まさに月日は流れ、私は残るですね。 老けるには若すぎ、若さには遠すぎる。盛り場は、下手くそ詩人を生むものです。 新橋の立ち食いそばはポンヌフですが(笑) ※プロジェクト担当者より LE PONT MIRABEAU (ミラボー橋)    歌: Yvette Giraud https://www.youtu

          月日は流れ、私は残る

          追悼:高倉健さん

          2014年11月19日 · facebook投稿 高倉健さんがお亡くなりなったのは、83歳とはいえやはり寂しい気持ちになりました。 会社の超ベテラン映画記者が選んでいた映画が以下のような感じでした。 「昭和残侠伝 死んでもらいます」「新幹線大爆破」「幸福の黄色いハンカチ」「網走番外地」。「新幹線大爆破」というのがすばらしいと思いました(笑) ちなみに予告編の動画です、 https://www.youtube.com/watch?v=RYpA7ado8iA 健さんは爆破魔の悪

          錦糸町の天使

          2017年3月15日  facebook投稿 · 今日はジェームス・ジョイスのような感じで。 錦糸町という町は天使と悪魔が同時に舞い降りて、お互いの使命を忘れて路地でホッピーを飲んでいるようなところだ。 天使がもうよそで飲んではダメだよというと、悪魔が現れて飲んでいけという。悪魔は天使を何人か雇っていて、あたかもそこは天国のように語る。 私はそこが天国ではないことも知っているし、さりとて地獄ともいえるところではないので、いつものようにまた今度と言ってやりすごしていく。

          けもの道

          2014年6月29日  facebook投稿 「けもの道」は過ぎたので、 次は「のけもの道」で、 さらに「もののけの道」に行くはずですが、 やはり「なまけもの道」だった土曜日が終わり。 冷や汗。 <プロジェクト担当者より> 画像は福田紀子さんの作品「Sloth」の一部です。

          酔談

          2015年4月8日  facebook投稿 酔談。大事なのは主体性と具体性で、勉強していないと主体性を失って、人に会わないと具体性を失うとのことです。勉強しないと独善的になって、人に会わないと空論になります。人生、体力つかうな〜。

          下北沢

          2014年5月26日  facebook投稿 · 久しぶりの「まち研究」です。シンコーミュージックから「下北沢ものがたり」という本が出ていて、ぱらぱらと読んだのですが、「自分が下北沢にもう興味がない理由」がよく分かりました。 帯がリリー・フランキーさんの「もし青春映画を撮るとしたら、舞台にするのはたぶん下北沢だよ」という言葉になっていますが、この本のおもしろいところは、それと「まったく正反対」のことが載っているということです。 中学高校が近くだったので、80年代を通し

          ネアンデルタール人、自由平等博愛、仁義智信

          2017年3月8日 · facebook投稿 考古学の本を読んでいたら、「友だちにするならネアンデルタール人です」と書いてありました。猿から人に進化するなかで、葬儀に花を添えたり、けが人も殺さずに生かしておいたというのはネアンデルタール人がはじめてだったそうです。でも、その優しさゆえにネアンデルタール人は、今の人類の祖先に虐殺されたそうです。残念ですね。 西洋的な「普遍主義」がもはや終わったと言われています。 フランス革命のスローガンだった「自由・平等・博愛」は共通の価値

          ネアンデルタール人、自由平等博愛、仁義智信

          東海亮樹、そして本プロジェクトについて

          2017年に48歳で旅立った東海亮樹(Tokai, Ryoju)は通信社の記者を生業とし、2008年、東京深川(江東区)にブックカフェとイベントスペースの店「そら庵」をオープンしたのをきっかけに、地域フリーペーパー「かわら版 深川福々」の編集長を務め、自主映画『小名木川物語』のプロデューサーとして製作のすべてのプロセスに携わるなど、まさに八面六臂の働きをし、人生を駆け抜けていきました。 記者として長年、新聞のための記事を執筆してきましたが、SNS、主にfacebookにおい

          東海亮樹、そして本プロジェクトについて