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追悼:高倉健さん

2014年11月19日 · facebook投稿

高倉健さんがお亡くなりなったのは、83歳とはいえやはり寂しい気持ちになりました。
会社の超ベテラン映画記者が選んでいた映画が以下のような感じでした。
「昭和残侠伝 死んでもらいます」「新幹線大爆破」「幸福の黄色いハンカチ」「網走番外地」。「新幹線大爆破」というのがすばらしいと思いました(笑) ちなみに予告編の動画です、
https://www.youtube.com/watch?v=RYpA7ado8iA
健さんは爆破魔の悪役。新幹線がスピードを落としたら爆発するという「スピード」より早いアイデアでした。国鉄はあまりの無謀な展開に協力を全面拒否したという映画でした。

ずっとコンビを組んでいた降旗康男監督の作品がないことがみそでしょうか。降旗さんには悪いのですが、降旗さんは映画というより「健さんのPV作家」という印象で、それはそれで健さんファンにはたまらないのですが、「映画」としてはどうかなと。「鉄道員」とか「居酒屋兆治」とか。ネガティブですいませんw

あたしとしては傑作という意味ではやはり「昭和残侠伝 死んでもらいます」だと思いますが、個人的には晩年の日中合作「単騎千里を走る」が印象的でした。チャン・イーモウ監督によるもので、中国でも大スターだった健さんへの思いがたっぷりと詰まっていて、東アジアの精神的なつながりのシンボルとして健さんがいたんだなあとしみじみしました。ちなみに日本シーンの部分は降旗さんが撮ったのですが、なんともという感じで、またネガティブですいませんw

健さんがなぜ中国で大スターになったかというと、タイミングの問題がありました。中国が改革開放で日本映画が解禁になったときに最初に上映されたのが「君よ憤怒の河を渉れ」(佐藤純弥監督)でした。健さんが検事役で巨悪から濡れ衣を着せられ逃亡劇をするという荒唐無稽な話なのですが、中国の人たちはストーリーというよりも日本の社会風俗や日本人俳優の垢抜けた姿に大変憧れたそうです。北海道の大農場のお嬢さん役の中野良子さんは憧れのセレブに見えたそうで、中野さんも大スターとなりました。中国で3人に1人は見たという映画になりました。健さんの髪形は大ブームとなり、ちなみにチャン・イーモウ監督もいまだに健さんカットです。

昭和の映画が終わったなと思いますが、若い人が「武田鉄矢さんと健さんは何で関係があるんですか?」とか、あたしが「不器用ですから」と言ったら「誰のまねですか?」と言われたのは時代の流れを感じます(笑)
合掌。

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