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no.5-1 関係性の質を上げるダイアログ戦略・・・「コミュニケーション 変化を起こす関係性」

みなさん、こんにちは!
5月の講演から半年が経過しました。
今回を含めて、あと2回で一連の連載を終了します。

ニューノーマルと言われた現象は、既にノーマルなのでしょうか・・・?

ただの雰囲気という同調圧力に、ノーマルを押し付けられたくない!
自らノーマルを選択して広める関係性を大切にしたい!

人が人として存在する本質から離れてゆく感のある今日このごろ・・・
人と人との生身の関係性を蔑ろにする流れは、片方へ振りきった振り子のように必ず正しい位置に戻る(変化する)はずです。

その時を思いながら連載は終盤に入ります。

さあ、最終3rdステップは・・・変化を起こす関係性「コミュニケーション」です。

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「コミュニケーション」(狭義)とは何か

「雑談」(会話)は、個人と個人から始まる関係性づくりの交流でした。
「対話」では、目的に向かう発信とフィードバックがなされ、流れるような「意味」の相互交流がありました。

「コミュニケーション」(狭義)は、共に行動と思考の変容をつくり出すことです。
そもそも、Communicationを構成するcomは「共に」、munは「変わる」を意味し、認め合う関係性のなかでお互いに変化をつくり出すということを示しています。

シンプルなものほど本質に近いと言えます^^)「コミュニケーション」(狭義)の証は共感をつくり変化を起こすことです!

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1.ダイアログ戦略 3rdステップ「コミュニケーション」(連結化)

(1)共感から変化・変容を起こす方法 連結化1(構想策案、構想評価、総合発展)

「コミュニケーション」(狭義)の基本形は「対話」(貢献)から「議論」(探求)の流れです。

繰り返しますが、人が大切にする経験には必ず意味(価値観・思い)が付随し、それが経験知として記憶に止まります。そして、チーム内各人の経験知にある価値観・思い(意味)の「対話」が、目的に向かう課題解決の仮説を構築する材料と動機づけをつくり出します。

「議論する」はdiscussといいますが、dis(離れて)cuss(叩く)の意が背後にあり単独では関係性の質には寄与しないようです。
ただし「対話」の自由で創造的な流れを受けて、結論、決定の裏付けとなる最善の答えを探求する「議論」が時として必要になります。
ここまで見てきた「雑談」(会話)から「対話」(貢献)の感性を活かして「議論」(探求)に入る道筋が、そこに流れる意味を活かします。

a.変化・変容に導く方法

先ず、自分たちが、働き生活する場に焦点を合わせます。
そこは、組織と言われる場であり、複数のチームで構成されます。

この組織(会社)に創造的な変化の力を起こすには、文化の力を興すことで道が開きます。
文化として根付いた姿をイメージして、そこからバックキャスティングすると手順が見えてきます。

文化には様々な定義がありますが、「総じていうと人間が社会の構成員として獲得する多数の振る舞いの全体のこと」(出典: Wikipedia)と言われています。
文化は人が関わること、即ち体験・経験し、その存在に意味が付加されることで、価値が生まれ息づき始めるのです。
そして、この息づきを自分たちごと(共有)にすることの積み重ねが、文化を生み出し文化の変容を起こします。

b.変化・変容への手順(SECIモデルの3rdフェーズ:連結化)

連結化では、組織的に仮説の検証・構築を行います(戦略的仮説構築
SECIモデルにある連結の意図は複数のコンセプトを関係づけることとされています。

以下にて、変化・変容を起こす関係性の質をつくる手順をお示します。

それはフラクタルな自己組織化といわれる形。
過去に”以心伝心”あるいは”阿吽の呼吸”と引き換えに受け入れてしまった組織への個性、自発性のない隷属、誤った絆という唯一絶対の価値観・・・今、お互いに自律的に尊重し貢献するという人本来の相互関係に戻りましょう。

❖ひとり一人の経験知にある価値観・思い(意味)のエピソードの交流という「対話」を重ねてきました(共同化・表出化)。

❖チームから組織に入る事前の手順。
 ・ダイアログ(対話:思考プロセスであり意味が流れ変化する)とディ スカッション(議論:結論である意見を交わす)の違いを理解・共有する。
 ・特に予め置かれる前提(思考プロセスにある慣習や暗黙の了解事項等)の対話・議論に対する影響を共有してゼロベースで始める。

❖ダイアログ(対話)セッションから入ります。
 ・2ndステップ(表出化)で、チームの仮説・構想の収束を図り、更新しました。
 ・ここ3rdステップ(連結化)では、各チームの仮説・構想を構造化(重層化、連結化)します。
  構造化は「意味」の構造としても捉えます。
 実例は別途後述しますが、「データ(D)」を何らかの基準で「情報(I)」に整理し、そして、何らかの効用に貢献する意味を見出した情報は「知識(K)」となり、更に目的に向けて活用できる意味を構造化できると「知恵(W)」になります。
 ・この流れは、チームが成果を上げることで、より大きな組織のために協同する方向付けと基準を確立します(フラクタル・文化的な成果)。

❖ディスカッション(議論)。
 ・ディスカッションを建設的に進めるには、意見の探求に併せて思考のプロセスを振り返る(ダイアログ)ことが必要です(文化が生み出す果実)。

(2)変化・変容の条件整備 連結化2(体系情報、外部情報、選別管理)

変化・変容を起こし、定着させる条件を整える。
重要な視点は、新たに生まれた関係性の文化を支え育てる環境を整えること。

ここまでの組織的成果に固執することなく、組織内外に目を向け、構造化した仮説・構想に更に加えつなげる意味の可能性を探求します。
これは、関係性の文化をオープンに広げる視点です。

このプロセスは繰り返し活用することになります。
チームや人の入れ替わりも想定されるため、また多くの人の関係性の質を高めるために、成果と資料を蓄積・管理します。


ここまでが、SECIモデル「連結化」の実務に相当します 。

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