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〒 長月の - お手紙時間

届いた手紙を取っておくための箱が
半分くらい埋まり始めている。
箱・第二号をそろそろ
用意した方がいいかもしれない。

大学の頃の友人と文通を始めて
1年半になる。

やさしくて読書家で繊細で、
好きだと思うものが似ている友人が
いてくれることは私の心の支えだ。

だから私は、友人へ送る手紙には
あらゆる方法で心を込める。


読書にぴったりな春の日の手紙には
和紙でできた薄桃色の栞を入れてみたり、
新年初めの手紙には
お手製おみくじを作って入れてみたり、
最近疲れている、という事が手紙に書かれていた時には
心までぽかぽかになれる美味しいスープのレシピを添えてみたり、

私の手紙はいわゆる〝付録付き〟手紙だ。

近況を綴った便箋の他に
何か付け足すのが、私の中で
恒例になっている。

相手が封を開けたとき
ちょっとでも楽しくなる仕掛けを
考えるのが大大大好きなのだ。


友人との手紙の交換は
ふた月で一往復するくらいのペース。
7月に私が手紙を出すと
8月にお返事が届いて
9月にまた私が手紙を出す、、
という具合い。

郵便受けに可愛い封筒が届いていたときの
あのワクワク感はたまらない。

私にとって手紙はもはや、
プレゼントのような存在である。

来たる九月は私のターン。
今回はどういう作戦で楽しんでもらおうかと
8月の間からそわそわと考えていた。

作文用紙に書いてみるのはどうだろう?
懐かしさたっぷりで面白そう
資格に合格したという報告があったので
文具店で見つけた
賞状を模したお茶目なメッセージカードを
入れておくのもいいかもしれない!
まとまりはないけれど
色々なアイデアが湧いてきて
自分まで楽しくなった。

ただし、そんな中、

このところ毎回頭を悩ませていた
「切手違和感問題」が頭をよぎった。

中身も完璧、封筒もバッチリ、
あとは宛名を書いて
切手、を、、貼って、、
となった頃に気づく、あの問題。

私の家にある切手は
動物や花がリアルに描かれているものか
鶴と亀の年賀切手しかなく、
せっかくキュートな封筒を使うのに
その雰囲気に全くそぐわず
チグハグな印象になってしまうのだ。

可愛い切手を手に入れなければ!

そう思って探したものの、
郵便局の店頭に販売されていたものは
残念ながらキュンと来るものがなかった。

そこで郵便局のホームページで検索した。
なかなか可愛いものが見つかり
送料は高めなものの、致し方ない、、
と覚悟を決め、
数点を購入しようとしたところだった。

「  オリジナル切手作成サービス  」

という気になる文字を発見した。

ボタンを押してみる。私は、
「こんなサービスやってたの!?」と驚いた。

それは自分で撮った写真や書いたイラストを
切手にすることが出来る、というものだった。

最小で、63円と84円の切手の
2枚組から作成可能。
価格は300円+送料で420円。

さっそく自作のイラストをパソコンに取り込み、
試しにと2枚組のものを発注をした。

発注を済ませてから数日して
事務局から電話があった。
イラストはオリジナルのものか、
発色は多少劣る可能性があるが大丈夫か、
という確認のお電話だった。

それから2週間後、
郵便が届いた。

すぐさま封を開けると
中には、わたしお特製の切手が入っていた。
「自分のイラストが切手になっている!!」
そのことが嬉しくてたまらなかった。

「九月のお手紙わくわく作戦はこれで決まりだっ!」

と心の中で小躍りした。

(これから色々とイラストを書いて、
かわいい切手を作ろうとたくらんでいる😚)


いつもなら
「手紙」を構成するものの中で
たぶん脇役。
封筒の右上、
ほんの数平方センチメートルに込めた
私のわくわく感。
きっと友人も楽しんでくれるはずだ。


長月のお手紙時間も
心弾む時間となった。


この間届いた友人からの手紙に
「手紙をもらえるのが人生の楽しみのひとつになっているよ。ありがとう。」
と書いてあった。

私からすると、
「手紙を受け取ってくれて、こちらこそありがとう!!!もらえるのも届けるのも、私の人生の楽しみになっています!!!」
という感じ。



手紙という、
小さな贈り物を思案するひとときは
私の心の栄養になっていると
確信している。

***

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