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【読書ノート】「独学の地図」

読んだ本の気になる部分を書き留めていきます。
今回採り上げる本は、『独学の地図』著.荒木 博行です。

本を手に取った切っ掛け

学びデザイン 荒木博行さん、COTEN 深井龍之介さん、Takram 渡邉康太郎さんの3人でやられている音声コンテンツ『超相対性理論』をCOTEN RADIO経由で知り、

「COTEN RADIO」
⇒「超相対性理論」
⇒「学びデザイン 荒木博行さん」
⇒「独学の地図」

の流れで、この本を手に取りました。


書き留めたところ① 本棚は「疑問の一時保管場所」

 時は経ち、疑問の主導権を取り戻した私は大きな副作用に直面しています。
 それは、追いかけたい疑問が多すぎる、という問題です。おそらく自分が死ぬまでに、自分の疑問にいくつか答えを出せるのだろうかと考え、毎日絶望しています。
 だからといって、それらの疑問を忘れたくない。その矛盾を克服するために、私はささやかな抵抗手段として、本棚を利用しています。
 つまり、何か疑問が浮かんだら、それに関係する書籍を購入し、本棚に差しておくのです。そして、余裕ができたタイミングでその本を手に取り、疑問に向き合っています。
 つまり、本棚を「疑問の一時保管場所」として活用するのです。
 そのおかげで大変な量の書籍に囲まれた生活をしていますが、本棚から見える書籍の背表紙という、疑問の物理的リマインダー効果のために、疑問そのものを忘れることはありません。

独学の地図 p.52-53

以前読んだ「百冊で耕す<自由に、なる>ための読書術」にも以下のような箇所がありました。

本棚の背表紙というのは、その人の脳を見せているようなものだ。その人の眼、美的センスの現れでもある。深みのある本棚を最初に作ってしまえば、その人は、いずれ深い人間になる。美しい本棚の持ち主は、やがて美しい人になる。本棚が人格を作る。

百冊で耕す p.34-35

本棚は、自分の脳の物理的拡張スペースになっていると捉えている方が多くて、非常に興味深いです。

本棚は、格納されている本の位置を変えたり、棚で本のグループ分けをすると、自分の過去と現在の興味の在処が分かる、便利なツールですね。


書き留めたところ② 学び=経験の前後の差分

「学び」の本質とは何なのでしょうか?
それは、一言で言えば「経験の前後の差分」です。

独学の地図 p.58

差分削り出しのための「3ステップ」
①素直に感じたこと(=感想)をアウトプットしてみる
②「それっぽい一般論」がないかチェックする
③「自分だけの具体論」に変換する

独学の地図 p.64-65 一部抜粋

「それっぽい一般論」は、
「思考を深めること」をそこで停止させたり、
「知っていること」と「出来ること」ことの混同が、新たな一歩を踏み出すことを阻害してしまうことがよくあります。

経験の前後の差分

この言葉、自分の中で、非常に印象に残る言葉でした。

経験の中でしか、人は学ぶことが出来ない。

このようなメッセージとして、自分は捉えました。


書き留めたところ③ 疑問・差分・他者

日常の中に何かの「疑問」を見つけてみる。
その「疑問」に答えるべく動いてみたら、その動きの前後の「差分」を丁寧に抽出してみる。
そして、その差分について「他者」と対話して見る。
その対話からまた新しい「疑問」が生まれる・・・。

独学の地図 p.104

疑問・差分・他者
独学のための行為のトライアングルを回していくこと。

独学の方法として、本質が言語化されていること、単純にすごいと思いました。

また、このトライアングルを継続して回すことは、楽しい、に繋がります。

書き留めたところ④ 学ぶ内容を決める「3つの問い」

実用的な知的欲求に基づく「何を学ぶべきか」という問い、純粋知的欲求に基づく「何を学びたいのか」という問い、そして事後に差分を明確にするための「何を学んだのか」という問い・・・という3つの問いを意識し、過度な計画主義、実用主義に陥ることなくバランス良く付き合っていくことが大事なのです。

独学の地図 p.219-220

この本の中にある「ラーニングパレット」という考え方が、自分の中で上手く理解できていなかったのですが、

「学び」を2軸で分解し、4象限のカテゴリーで言語化し
自分の関心を深掘りしたり、拡張したりすることで
「学ぶ」を見える化する。

こんなイメージでとらえています。

この「ラーニングパレット」を見ながら、
自身に「3つの問い」を問いかけ、
内省することで、更なる「学び」に繋げていく。

こんなことを考えました。

個人的なまとめ

ふとしたタイミングで「自分は何を学んでいるのか?」と自問した結果として出てきたのが、「自分は、この加速する社会の中において、スローダウンの術を学んでいるのではないか?」ということでした。

独学の地図 p.190

この部分を読んで、最近、読んだ本「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」「半身で働く」を想起しました。

仕事がメインの生活を送っていると、どうしても

「何を学ぶべきか」

が強くなり

「何を学びたいか」

という自分の内側からの声を聴く時間を持てなくなってしまいます。

このようなテーマの書籍がここ数年、注目を集めているように感じました。


読後メモと過去の自分の関連note記事


「問い」=「探求のテーマ」⇒自分自身を知ろうとする試み

についての本を最近よく読んでいます。

メモとして、これに関連する記事を貼り付けておきます。


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