【当店のデモバイク紹介】代車としても使えます■2023年06月05日更新
広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteをご覧いただきありがとうございます。
広島の街のタクシー料金の値上げを知って驚いている『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。
何もかもが値上がりしている昨今、日常の移動に自転車を使うことも長い目で見たら節約にも繋がると再認識しました。
■廃車処分で承ったものの…
さて、今回ご紹介する車体は当店のデモバイク1号車です。
まずはもとの姿をご覧下さい。
■ブランド
GIANT(ジャイアント)
■車種
ESCAPE R3(エスケープ・アールスリー)
■年式
2012年
■サイズ
M(500mm)
■カラー
ブラウントーン
■発売当時の価格
￥44,100-(5%消費税込み)
フロントブレーキシューもフロントホイールのリムもすり減っていました。
グリップは朽ちていて、レバー類も折れ曲がっていました。
せっかくのベル付きブレーキレバーも、これでは意味がありません。
レバーに付いているケーブルアジャスターにも不具合がありました。
リア用シフターは無事だし、
フロントシフターも無事でした。
ワイヤー類は錆びついていたので交換しなければなりません。
フロントホイールのリムもブレーキシューも完全に寿命オーバーでした。
キックスタンドは再利用できそうです。
リアディレイラーは動きはしますがダメージが大きいようですね。
フロントディレイラーも破損していました。
クランクやチェーンリングは汚れが溜まりやすい箇所でもあります。
気になったのがBBのゴリゴリ感です。
シートクランプは再利用できる…かもしれません。
コラムスペーサーは再利用できますね。
ヘッドパーツはどうかわかりませんが、お預かり時点ではゴリゴリでした。
全体的に大きなサビや傷が目立っています。
修理するよりは買い換えた方が安く済むと考えたユーザーさんは、この自転車を手放すことになりました。
「廃車にするけど、そちら(当店)でレストアして使えるならぜひ使ってください。」
とのことで、せっかくだから直して使うことにしました。
■ネットで購入したクロスバイクのアクシデント
サイクルサービストグトの開業当初は車体の販売はありませんでしたが、オーバーホール等の重整備案件が増えるにつれて、ユーザーさんの愛車をお預かりする期間の代車は必要だと感じていました。
ある日、ネット通販で売られている自転車がどんなクオリティーなのかを調査するついでに、身長150cmくらいの人も乗れるようなサイズのクロスバイクをポチってみました。
自転車ではなくある分野ではすでに有名なブランドです。
そのブランドの製品(自転車ではない分野のもの)はつくりがしっかりしていて、私も愛用者の1人です。
ここでは詳しく書きませんが、一般ユーザーさんと同じように入荷した状態(9分組)から完成させたら、はやりクオリティーはイマイチなものでした。
この時点では悪いとまでは言いませんが、他の量販店で売られている車体と同じようなクオリティーなのかもしれません。
続いて完全分解し、当店の基準の組立をしてみることにした結果、フレームに不具合が見つかり、乗車するにはリスクが大きすぎると判断しました。
その車体は代車として使うには無理なので、展示用に有効活用するとして、そうなるとパーツが余ったわけです。
完全分解せずに運用可能な状態に組んだだけで乗り出していたら…と思うとゾッとします。
ネット通販だったからか保証も無し。
恐ろしいですね。
すでに組んであるものをわざわざ分解するのは、本当に手間がかかります。
しかし、こういう事例も多いからこそ、なかなか手は抜けません。
当店では他店様より厳しい組立基準を設けています。
結果として、後の安全性や耐久性、そしてそれがユーザーさんの維持費削減にも繋がるということです。
■余り品を有効活用してみた
というわけで、なるべく新たにパーツ購入をせずに組み立てたのがコチラです↓
フレームとフォークの塗装を一旦、ある程度剥がし、たまたまうちに転がっていた缶スプレーで素人塗装しています。
ヘッドバッヂは取り除きましたが、ジャイアントのロゴはヘッドチューブに刻まれたままです。
正規の登録方法で書類を揃え、当店のデモバイクとして改めて防犯登録も済ませています。
フロントフォークも塗り直しました。
フレームを遠くから見ると、塗装の具合は悪くないように見えますが、よく見ると塗りムラはあります。
さすがに18年間放置されていた缶スプレーでは、噴射が不安定過ぎました。
それを差し引いても、やはりプロのペインターの足元には及びませんね。
シートチューブには塗装に失敗した部分が残っています。
もとのフレームカラーが僅かに残っていて、今回はこれもデザインのうちだとポジティブに捉えることにしました。
全体的に何となく宇宙っぽいカラーになりましたかね。
ポタリングにも使えるように、サイズ調整式カップホルダーも付けてみました。
フロントシフターは3速対応ですが、今はあえてシングルにしています。
リアは7速です。
ブレーキは余り品と言っても完成車外し品(未使用品)なので安心です。
リアにはサークルロック(リング錠)を付けてみました。
初期状態のタイヤサイズは700×28Cでしたが、余り品の700×35Cが入ったので快適性はかなり良くなっていると思います。
ホイールも新品です。
保安部品である前照灯(フロントライト)、ベルもきちんと付けています。
カセットスプロケットではなく、マルチプルフリーホイール(ボスフリー)の7s仕様です。
リアディレイラーは【SHIMANO】のターニーで、シフトインナーケーブルの先端処理は当店独自の『MEF』(マーブルエンドフィニッシュ)にて仕上げています。
余り品のチェーンリングガードも付けちゃいました。
ペダルは新品で用意しました。
いろいろなユーザーさんに貸し出すことを想定し、【VENO】(ヴェノ)のトランスペダルを採用しています。
このペダルが非常に優秀なので、また別の機会に詳しくご紹介予定です。
当店に在庫もあります。
グリップも完成車外し品(未使用品)を使っています。
サドルも同じく完成車外し品です。
クッション性の良いサドルなので、代車にもちょうどいい感じです。
スタンドは再利用しています。
メンテナンス性はやや劣りますが、盗難防止には効果的なナット止めタイプのホイールになりました。
困ったのがリアです。
ネット通販で買ったクロスバイクのOLDは135mmで、それに付いているホイールも当然135mm規格。
ところが今回のエスケープR3はOLD130mm規格なので、そのままではホイールが適合しません。
ナットを一部薄いものに交換し、スポーク調整してセンター出しをして、ようやく装着できました。
↑OLD135mmの名残です。
アクスルシャフト(ハブ芯)はドライブ側に大きく突き出るように寄せました。
これを利用して後々、ディレイラーガードを装着予定です。
いろいろとアクシデントはありましたが、きちんと仕上がりました。
実走チェックでの走行感は軽快そのもの。
スピードを求めるならスペックは足りませんが、日常のアシとしては十分なスペックです。
むしろトラブルが起きにくいという点では気軽に使いやすい車体だと言えます。
これからもいろいろとカスタマイズをしたり、当店のデモバイクとして実験台にもなってもらう予定です。
ユーザーさんが通勤・通学に使う自転車の長期入院の際には代車としても使います。
完全に廃棄処分せずに済み、前オーナーさんの想いも乗せて活躍してくれることでしょう。
ユーザーさんの大切な自転車のレストア、オーバーホールはぜひ当店にご相談下さいませ。
■自転車関連のご注文・ご依頼等はメールか公式LINEでお気軽にどうぞ↓
当店は出張修理等が多いため、決まった店休日や営業時間という概念がありません。
他店様が営業していない時間帯でも予約制にてご依頼等を承ります。
また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。
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