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「YouTubeに出ない芸人は知らない」全世代に広がる「テレビ離れ」の原因をTwitterの発言からたどってみた

みなさんはテレビを観ている時間とネットを利用する時間、どちらが長いと感じていますか?多くの人はネットを見る時間のほうが長くなり、テレビをリアルタイムで見るような時間は減ってきているのではないでしょうか。

こうしたなか、Twitterでも「テレビ離れ」が進んでいる様子がわかるエピソードや、テレビに対する思いなどが話題にあがっており、人々が抱いているテレビへの印象が見えてきています。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいでわかる週刊Twitterトレンド」、今回は「テレビ離れ」について掘り下げます。

テレビを見なくなったのは若者だけではない

10代〜20代の若い人たちがテレビを観なくなったことを実感できる話が拡散されたことがあります。

テレビやYouTube等のさまざまなコンテンツを手掛けている企業の社長が、ネットラジオである女子高生が語っていた話に衝撃を受けたという話を投稿しました。

その女子高生は会話の中で「人気の芸人は誰?」という質問に対し「みんなテレビ観てなくて、そんな話題は出ないから知らない」と返していたとのこと。

女子高生はさらに、「同級生たちも『M-1グランプリ』をほとんど観たことがなく、特定のお笑い芸人の話をする子もいなくなった」と答えていたそうです。

この話を受けて、Twitterユーザーからは「4年前私が高校生だった頃、すでにみんなインスタやYouTubeの話が多かった」「実際YouTubeやってない芸人さんは知らない」という声が。

Twitterの反応を見るだけでも、若い人たちがテレビを観ない生活を送っていることが伝わってきますが、「テレビ離れ」は幅広い世代で広がっていることがわかっています。

NHK放送文化研究所が2015年に16歳以上の男女を対象に行った調査では、テレビの視聴時間が2010年の同調査と比べ、すべての世代で短くなっている傾向が現れていました。

具体的には1日にテレビを見る時間について「ほとんどみない」〜「2時間」程度を「短時間視聴」とまとめた場合、2010年では全体の31%だったものが、2015年では34%まで上昇していたのです。この調査結果についての報道がTwitterでも拡散されました。

調査結果を見たTwitterユーザーからは「一週間一度もテレビのスイッチを入れないことなんて普通にある」「テレビは決まった時間に視聴しなければならないので不便」「いちいち放送の時間枠にあわせて観てる暇がない」など、調査結果に納得しつつ、現在のテレビに対する感想を述べたツイートが集まりました。

途中で再生を止められないテレビは不便

テレビ離れが進む原因として、ネットに投稿されている動画コンテンツとの違いを指摘する声も上がっています。

ある脚本家の男性が「(家に)テレビがない」という一人暮らしの学生に理由を聞いたところ「テレビって動画が途中から始まりますやん」と言われたそうです。この返答について「メディアに携わるものとして考えさせられた」と投稿しています。

このエピソードについてTwitterユーザーからは「おっさんにとっては衝撃」「うちの息子もテレビを見てて、トイレに行きたくなったら『テレビ止めておいて』と言う」「ネットネイティブ世代からするとそういう風に見えるのか」と驚きの声が集まりました。

ネットの動画コンテンツはいつでも好きなタイミングで、スマホなど手元の端末で視聴できるといった、テレビにはないメリットがあります。それゆえ、特に物心ついた時からネットが身近にある若い世代の人にとっては「テレビは不便なもの」と捉えられているのかもしれません。

ネットの話題を取り上げるテレビ番組に辟易

「テレビ離れ」が起こる原因として、テレビの機能的な問題以外にも、テレビ番組の内容について指摘する投稿が注目された例もあります。

あるTwitterユーザーが「テレビを観なくなった理由」を4コマ漫画で描いた内容が共感を集め、拡散されました。

その漫画は、ある人物が朝起きてテレビをつけると、流れてくるのは「セクハラ」や「政治家の辞任」といった話題だったというところから始まります。しばらくすれば終わるかと思いきや長時間続いており、とうとう「もうテレビなくてもいい気がする」とテレビの電源を消してしまう…という内容でした。

この漫画に対し「直接的な理由はこれだけじゃないけど最近のテレビは本当にこればっかり 」「一言伝えてくれたら大丈夫な話題ばかり掘り下げてる気がする」と同意するツイートが寄せられています。

また、別のTwitterユーザーは、テレビ番組で紹介されるネタ元がインターネットの話題からであることが増えたと指摘しています。「情報番組『ネットでいま話題のモノを紹介しまーす』バラエティ番組『世界で話題のYouTube動画をご覧ください』報道番組では「『ネットアクセスが多かったニュースランキング』」…というように、あらゆるテレビ番組がネットの話題を取り上げていることを挙げています。

この指摘に対して集まったTwitterユーザーの反応も同意するものが多く「テレビがネットで話題の動画を紹介しているのを見て、テレビを見る必要もないなと思った」「ニュースの内容がネット頼りな時点で『テレビはネットに負けてます』って公言してるようなもの」といった感想が寄せられました。

そのいっぽうで「ネットで有名ってだけでは思うほど世間一般には広まらないので、テレビの広告力はまだまだバカにはできないと思う」「テレビにはテレビにしかできないとか向いてる話題とかあるはずなのになぁ…」というように、テレビのポテンシャルはまだ高いと考えている声も少なからずありました。

このようにTwitterでは全ての世代で起きている「テレビ離れ」の原因について、テレビ以外にも動画やネットニュースなどのコンテンツが増えたことだけでなく、情報源がネット頼りだったり、芸能人や政治家などといった著名人のスキャンダルを延々と扱っていたりといったコンテンツの弱さにもあると考えられているようです。今後、テレビ離れがさらに進んでいくのか、どこかで食い止めることができるのかは、引き続きTwitterでは注目されるトピックスになりそうです。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした。この連載は毎週月曜日に更新。これからもTwitterから見えた興味深いトピックを解説していきます。
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