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競合出現によりペーパーバスケットプロジェクトがピンチ!?

相変わらずペーパーバスケットがうれていない。

まあ、ストリートに売りに出ていないというのが大きな理由なんだけれど。(モップ製作と竹細工家具の修理が繁忙期だったのと、ちょうど陰になるような良い場所が他の行商にもれなく抑えられていて良いスポットがない)

それで、竹細工家具修理が落ち着いてきて、そろそろ外にいっしょに売りに行ってみるかと良さげな場所を、人通りの多い昼間に偵察にでたのだけど驚いた。

ペーパーバスケットを売ってやがる!

ここに来て間もないころに歩き回ったときはそんなものなかったし、売ってた人は「いいね、それ」ってぼくの作ってるペーパーバスケットを見て声をかけてくれた人でもあったから、確実にマネされたなと思った。

他にも木のツルでカゴを作っている人もいたり、木の皮?みたいなのでトートバッグみたいなのを編んでる人がいた。

みんなそれぞれクオリティが良い。YouTubeで勉強したんだろうなと思う。そのまんまだったから。

ぼくは別に特許を持ってるわけでも、作り方の技術を秘匿してたわけじゃない。Instagramで情報発信してるし、YouTubeを観れば作り方は山ほどでてくる。

独占事業とか計画経済でなくて、自由市場だからそういうものなんだけど、ここでぼくが言いたいのは「あれ?約束が違うくね?

セントルシアで作業療法士の隊員がリハビリの一環で始めたペーパーバスケットが現地の役所の人に好評で「ぜひ、売ってくれ」と言われてこれは需要があるぞと始まった企画なんだけれど、「こっちの人は不器用な人が多いからこういうのをそこそこのクオリティで作るのは難しいんだと思う」という今思えばN数の少ない、その人の主観の意見をいくらかは真に受けていた。(ぼくは人種によって器用不器用の差なんてないと思っているんだけど、セントルシア含め、この基本輸入に頼っている島国でモノが少ないというのをみんなわかってるのに自分たちで代替物を作ろうとしていない、雨が降れば断水するような貧弱なインフラ…というようなファクトから、たしかに不器用という面があるのかもしれないと思っていた)

それに、常夏で食べ物に困らないからか、人はゆったりしてるし、あんまり働かないという一般的によく言われるし聞いてきた意見も手伝って、なにか新しいことをして、それがハマれば独占事業として存在感を示せるという期待があった。セントルシアでの事例から、ここセントビンセントでも良い現金商売をわりに簡単に作れるんじゃないかと思った。俺の2年間もこれで安泰、ちょろい商売だと思っていた時期がぼくにもありましたよ、はい。

それが、違っていたというわけだ。

たぶん、上記の意見がまったく間違っているというようなことはないと思う。ただ、彼らが見ていたそれは相手が公務員の場合で、つまりは仕事量が増えようが給料が変わらないなら仕事量は少ない方が良い。めんどくさいことをさせるなよ、っていうどこの国でもある「ただのお役所仕事」だったというのが実体なんじゃないかと思う。

ストリートでモノを売る人たち、地方から都市部に片道5ECかけて野菜や果物を売りに来てたり、1~2EC程度のスナックを売っていたりする人たちにとっては、原価が2EC程度で1つ10EC程度で売れるものならぜひ売りたい思うのが普通の感覚だろう。その日の売上が生活を左右するのだから。

つまり、不器用とかやる気がないとかではなくて、それにどれだけ生活がかかってるかによって真剣度合いが変わってくるということなんだろうと思う。

ぼくが、ぼくたちが市場で競合するのはそういうハングリー精神満ちた人たちというわけだ。

難易度が上がったようで、売れるものはみんな売りたいと思うのは普通のこと。市場に適応できたものが生き残る資本主義の世界で日々当たり前に起こっている普通のこと。

ペーパーバスケットはここで売れる!と思ったから行商の人たちはマネしたんだろうから、そういう可能性を感じさせるものを紹介できたという意味ではうれしい。が、視覚障害者協会を儲けさせるというミッションの難度はいくらかは上がったといえるかもしれない。

竹細工家具修理事業は参入障壁が高いけれど、ペーパーバスケットは参入障壁が低いということだろう。

他の人もやってるからもう売れない、ということではないけれど、わざわざウチ(視覚障害者協会)から買う理由を用意してあげないといけない。

競合がいないときは、ただ寄付をもらうのはそこに哀れみがあるようで、自分たちがかわいそうな存在だと思われているようで、お金をもらえること自体はうれしいが、ちょっと嫌だという複雑な感情を協会の人たちは持っていたから、モノを買うことで支援、モノを買ってもらうという行為によって、自分たちが社会に役立っている、社会とつながっているという意識を持ってもらうということだけ(協会オリジナルの商品が市場に出回ればそれだけで良いPRになるし)、ぼくは大事にしていればよかった。

それが、ちょっとゲームのルールが変わったというか、もっとメッセージ性が求められるようになるなということを感じている。

ブランディングとかストーリーを提供して醸成しないといけない。


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