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色とりどりのリボンと風船
父の日のプレゼントを買いに出かけた酒屋のレジには、色とりどりのリボンと風船が並んでいる。ラッピングをお願いすると、リボンの色はどうしますか?と。じゃあ緑系で、と答えると、では、、とたくさんのロールされたリボンから、何種類かのリボンをシュルシュルと出してみせてくれた。皺や折り目のまだついていない新しいリボンはどれも鮮やかで美しい。私は、そのなかから深いオリーブ系の緑を選ぶ。お店の主人はシルバー色の素
もっとみる優しく強い、現代美術作家
彼の作品を事前に見せていただいた。国宝級の建築をまるでジオラマの世界に創りあげたような、緻密で精巧、それでいて力強い作品。そうかと思うと、今度は、手のひらに乗るような、細く、小さく、軽い、糸や髪の毛を材料に作られた作品。いずれも共通するのは、正確で根気のいる作業であること、だ。きっと、真面目で、クールな作り手なのだろう、と。少しの緊張感で、彼を待った。
私の前にあらわれたのは、あたたかそうなカラ
more Voice!
ラジオから、広島が生んだMr.DJ、レジェントと呼ばれるディスクジョッキーの威勢のいい声が聴こえる。現在74歳だというその声は、リスナーのリクエストにこたえながら、次々と懐かしい洋楽ナンバーを紹介していく。すると、空気がいっきに変わる。いつもの変わらない部屋、変わらない家族との午前なのに、どこか知らない街、昔の時代にタイムスリップしたような感覚になる。
ラジオはすごい。まるで地下室の小さな箱のよ
アーティスト xxx
多くの若い女性から支持される彼女。彼女のコーディネートが、彼女の持ち物が、彼女のライフスタイルが、何百万という人からフォローされている。
けれど、私の前にいる彼女はいたって飄々と、そして軽やかだった。
会話を重ねていくうちに、纏っているものがふわりふわりととれていくようで、こちらの気持ちもどんどん軽くなっていった。
ケラケラと笑うその表情に、きっと多くの人が心をゆるしてきただろう。
きっと彼女
地方で音楽とともに生きる人
中学生のときから「音楽」で生きてゆくことを決めていた。
彼の言葉には実に無駄がなく、必要なメッセージが決して多くはない言葉数のなかに込められていた。それは、彼の、これまでの経験と、そこから得た教訓や考察の数、苦労の数を想像させた。洗練された思考が感じられた。二十代で吸収し、三十代のどこからのタイミングで、それはそぎおとしていく作業に変わったのだろう。現在四十歳の彼は、いい感じにそぎおとされていて