『さびしさについて』を読む
『さびしさについて』植本一子・滝口悠生(ちくま文庫)は、もともと自費出版として出された『ひとりになること 花をおくるよ』収録の往復書簡(2021年11月から翌年4月)に新たに2往復のやりとり(2023年7月から11月)が追加されたもの。
往復書簡には、相手の全力の言葉に対してその都度に全力で応答するという流儀の誠実さが見られることもあるが(その例として真っ先に浮かぶのはやはり『急に具合が悪くなる』宮野真生子、磯野真穂 著)、この本では、相手の言葉を参照点にしながらも、思考が