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随想

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随想(エッセイ)記事をこちらにまとめました。
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記事一覧

いわゆる仕事観

心の隅で「私はこれがあまり得意ではないな(好きではないな)」と思いながら長いこと仕事をし…

鳥羽和久
4日前
47

1991年2月27日

学校の廊下を歩きながら急にフラっとした。倒れることはなかったが、この感じが今の僕なのだと…

鳥羽和久
11日前
63

友達って

先日、「友達」についてのインタビューを受けて、その際に私の中での「友達」の定義を考えてみ…

鳥羽和久
12日前
43

社会的価値に対する抵抗

社会がいまこうだからこうしようという判断は基本的にやらない方がいい。たかがしれるので。(2…

鳥羽和久
1か月前
83

他人への配慮より、「自己への配慮」

いまの世の中を覆っているのは「既に私も配慮してるんだから、あなたの方もこっちが不快になら…

鳥羽和久
2か月前
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千葉雅也『意味がない無意味』について

千葉雅也『意味がない無意味』(河出書房新社)を読んだ。全体に緻密で難解ないわゆる「論文集…

鳥羽和久
2か月前
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傷つきやすさについて

随分前にこのツイートをしたのだが、その数日後に教室の前で会ったあるお母さんから、「先生、うちの親、死ねばいいのに、とか書かない方がいいですよ。どの親が見ているかわかりませんから」と言われ、どの親というかあなたですよね、と思いながらその場では何も言えず、その後しばらくモヤモヤとした気持ちを抱え続けた。 中学生の子どもたちは、たやすく「うちの親、死ねばいいのにー」と言う。正確には、言うタイプの子と、冗談でも決して言わないタイプの子がいる。僕は「言わないタイプ」だったので、子ども

エンパシーというまことしやかに囁かれる言葉について

いま、ある教育者の「相手の立場を理解しようと努力し、相手のことを想像する力」であるエンパ…

鳥羽和久
2か月前
79

寛容さという罠について

「寛容さに隠された権力」について語るジジェク。 いまの親子関係、教師と生徒の関係は、多か…

鳥羽和久
3か月前
59

自分独特の

私は本の中でたびたび「自分独特の」という言葉を使いますが、これは元々は岡本かの子の短編「…

鳥羽和久
3か月前
67

年末年始という時間の折り目について

年末年始という時間に身を委ねながら、一年の区切りを実感することは、人の生活にとって大切な…

鳥羽和久
4か月前
33

いってらっしゃい

「いってらっしゃい」の中には 悲しみの成分が含まれている いまを生きている子どもの悲しみ…

鳥羽和久
4か月前
51

すなわち、旅

深夜に人気(ひとけ)のない大濠公園を歩いて帰宅中。 いま、大学生風の台湾から来たと思われる…

鳥羽和久
4か月前
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コロナ禍とフェイク

以下は西日本新聞のコーナー「随筆喫茶」に寄稿した文章。ちょうど2年前に書いたこの文章を読んで、すっかりフェイク(的なもの)が社会になじんでしまってデフォルト化したいま、過渡期の香りが残るこの文章は記録として貴重かもしれないと思いました。子供たちと世界のフェイクに耳を澄ましていた頃の話。 1 高校入試を直前に控えた今年の2月中旬、表紙に大きく「中学社会公民」と書かれた参考書を片手に中3のHくんがやってきた。「あのー、先生、これには好景気の特徴として、ほらここ、株価が上昇する