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バランスについての心理的な話

自分の両親が多少バランスを欠いた人間だったとして、子供がそのことに容易く気づけるわけがない。両親がその子供にとっての世界だから。(2023.7.5)

過度に倫理的な人はそれだけでバランス崩してる証拠だから気をつけなよ、という話をした。(2021.9.28)

バランス感覚がいいと言われる人は別にバランスを取ってないことが多い。そして、ちょうどいい距離感、というときは、別に距離をはかってないことが多い。不作為。しかし、バランスを取ろうとすると途端に体勢を崩してしまうところに人間らしさがある、とも。(2021.3.18)

長期にわたって経営を安定的に継続している人たちは、多少なりとも経済を生命エネルギーのバランス感覚の問題として深く捉えているところがあるはず。比喩ではなく現実的に。(2023.4.27)

バランスを崩すことで取れるバランスというのもあるが、支点に負荷がかかりすぎて天秤ごと壊れてしまったりする。(2024.6.24)

人も組織も傍から見ればアンバランスに見える形態が、当事者からすれば不器用ながらもそれがいまのベストなバランス(均衡)であり必然性を伴うものである場合が多いので、アンバランスな形態に対する敬意は常に必要。それを「至らなさ」として断定する人が増えるとその脆弱なバランスはついに壊れてしまう。(2023.11.8)

バランスを取ると言いながら片側に欲を置いたままの人が多く、そういう人がバランスを取ろうとするとしばしば(自己または他者に対する)破壊的行為による相殺という形を取ることになってしまう。均衡状態の見極めが必要だったのに。(2024.6.24)

何かを嫌いすぎる人は、もちろん何かのほうに原因があることもあるのだろうけど、それよりむしろ自分がバランスを崩しているのでは?と考えたほうがよいことのほうが多いはず。そしてネットではバランスを崩した同志がすぐ見つかって盛り上がってしまう。(2024.6.24)

良かれと思って補助輪つけてると、一定数のバランスが不安定な子は補助輪をつけてないと走れなくなる。というか、補助輪に支えられて走ることが、その子にとっての走ることになってしまう。補助輪を外されて転倒するとなぜこの子は倒れるのかしらと訝しがられるが、その子は一度も自分だけで走っていなかったんだから。中受を頑張った子どもたちが中学に入ってダメになってしまう話。(2024.2.7)

テストでケアレスミスが多い子というのは確かに存在していて、単に練習が足りない(つまりケアレスミスとは言えない) 子もいるんだけど、そうでない場合は快感原則(フロイト)に関わっていて、つまり緊張と弛緩のバランスを本人が行為の持続のために無意識に取っているわけで、だから意識的になることを呼び掛けるより、あくまでテクニカルな方針を示してあげた方がよい。(2023.12.11)

授業に集中できていない子というのは、その子の生活バランスや心理的な事情の中でそうなるしかないことも多く、そもそも苦手なことであれば集中できないのは当たり前であって、苦手なことを一方的にやらされているという現実への対処がなされないままに「授業に集中しない子供が悪い」と全て子供の責任になるのはおかしい。
そもそも、授業も勉強もずっと集中していることより強弱をつけることが大事なのだ。勉強が上手な子は(授業中にずっと集中しておくなんて無理なので)集中したり弛緩したりを繰り返しながら、全体としていい感じのバランスと流れでこなしている。これは教える側も同じ。(2023.6.22)

「暴力はいけません」って確かにそうなんだけど、子供同士の関係の中にある秩序(政治)は大人が思っているより複雑で、だからこそ暴力「だけ」を初めから禁じ手にすると自律的なバランスを取ることができなくなる。その結果いろいろとおかしなことになってしまう。暴力を禁じるならそれ相応の再調整が必要。大人にできるのは暴力を禁じたのならその禁じたことによる副作用をちゃんと回収することで、具体的に言えば禁じられた子の話をちゃんと聞く、理解者であることを伝える、暴力を振るいたいと思った感情部分を無碍に否定しない、とかそういう地道なことです。(2022.4.3)

頑張れなかった自分の二の舞にならないようにと子供に厳しくする親は、自分が頑張らないくらいのバランスでこそうまく生き延びられたことを甘く見ている。親ふたりが同じ方向を向いた子育てほど子供にとって苦しいものはなく、片親が介入するときにはもう片方はふらふらしているくらいがちょうどいい。(2023.6.19)

親は子供との距離をはかろうとするから、バランスを取ろうとするから、うまくいかなくなる。そのふるまいの多くが自信のなさからくる自己防衛であり、そのときに目の前の子供が見えなくなってしまう。(2021.1.21)

厨二病(中二病)は評判が悪いが、中学時代のアンビバレントなバランスのまま人生を生きている人が好きだし、自分の中の子供と遊び続けている大人は楽しそうだ。それは無責任な生き方と思われがちだがむしろ責任について考え続けるような生き方になりうる。(2023.5.11)

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