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ジンのD-Dayに寄せて

今日はソクジンのD-Day。彼を待っている間に、待っている人みんなが1年半ぶん年をとったというのが感慨深い。長いようで、The Astronaut からもうそれだけの時間が経ったなんて早すぎる…とも思う。

以下にこれまでのジンに対するつぶやき、心の叫びをまとめました。



BTSのもっとも年上メンバーであるJINは、人生の階段を大切にしながらも、執着を持たずに生きることを努めて意識している人です。動画を観ていると、よく「嫌なことはすぐに忘れるようにする」「良いことも悪いことも軽く考える」というようなことを言っています。彼は何も考えていないようで、考えないことをあえて選ぶという強さを持ち合わせている。もちろん悩むこともあるけれど、その姿は「BTSのJIN」としてはファンに見せなくていい、とも話している。デビュー当時はたびたび涙を見せていた彼が、弱さを見せずに明るさばかりを振りまくようになったのはその覚悟のあらわれです。

JINのこのような姿勢が、詩の中にある「どの地にも故郷に抱くような執着をもってはならない」という言葉にリンクします。執着を身にまとわないことが、私たちの人生における「呼び声」を聞き分けるために必要なのだということを、彼は知っているのでしょう。

BTSというチームは表現者の集まりで、メンバーそれぞれが別の表現を持っていることが魅力です。しかし、チームに表現者しかいないと行き詰まります。JINはBTSのボーカルとしてれっきとした表現者ではあるものの、同時に、生活者の視線のようなものを持っている。彼はその繊細で冷静な目線で、物事をあるがままに受け取ってきました。

チームが表現者だけだと、その表現が聞く人の生活や感情に根づきにくい。JINの生活者の目線があるからこそ、チームとしてのメッセージに説得力が出るし、表現に広がりや深みが増す。ここにBTSの大きな魅力があります。また、「そんなに深刻にならなくてもいい」という考え方を持った人が、しかも、温かい愛情を秘めたユーモアあふれる人が、年長者を敬う韓国社会において「チームの長男」だったことは、大きなプラスだろうと思います。
(東洋経済ONLINE/詩集『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』に寄せて)


ソクジンのこれからの活動をますます楽しみにしています。
拙著『推しの文化論』(晶文社)の中でも、ジンのことにいろいろ触れています。


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