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ジュニアアスリートに必要な食事とは?~骨作り編~

今日はジュニアアスリートの骨作りをテーマに、どのような食事が必要になるのか?について書いていきます。

私は現在、スポーツ整形外科クリニックで理学療法士と連携しながら、スポーツ障害や手術後からの復帰を目指す方に運動を指導しています。以前はスポーツ現場を中心に、社会人野球チームや次世代を担うアンダーカテゴリーのアスリート、トップアスリートなど様々な選手の指導に携わってきました。

実際にアンダーカテゴリーのアスリートに指導する機会を頂いた時に、もっと食事の教育や啓蒙をしていかなければならないと感じました。競技に直結する技術練習は一生懸命やるものの、体の回復や成長につながる食事への意識がとても低かったからです。

その世代に対して日々の食事の重要性を伝えなければいけないとともに、保護者の方々にもスポーツ栄養に関する知識をお伝えしたいと考えています。

骨ができる仕組み

骨の成長を促すためには、運動による骨への刺激が必要です。骨刺激がきっかけとなり、古くなったり、痛んだりした骨を破骨細胞が溶かしていきます。次いで、骨芽細胞が働き、タンパク質やカルシウムの栄養素を用いて新しい骨を作ります。この一連の流れを「リモデリング」と呼び、約90日の周期で骨を作り変えています。

ジュニアアスリートは運動による骨刺激が増えるので、その分、骨作りに必要な栄養素をより多く必要とします。体内ですべての栄養素を合成できないため、食事から摂ることが重要です。

骨作りに必要な栄養素

骨は、カルシウムとタンパク質の1種であるコラーゲンからできています。カルシウムが約70%、コラーゲンが約30%を占めており、カルシウムやタンパク質を日々の食事で意識して摂ることが骨作りにつながります。

タンパク質を多く含む肉や魚、納豆、豆腐、カルシウムを多く含む牛乳やチーズ、ヨーグルト、しらす、小松菜などの食品を意識して摂りましょう。

カルシウムやタンパク質だけではなく、骨へのカルシウム沈着を助けるビタミンKや体の調整役として代謝を上げるビタミンB群、カルシウムの吸収率を上げるビタミンDといった栄養素も骨作りには欠かせません。

具体的な食事を紹介します

どのような食事を摂ればいいのか?を写真で紹介します。

①タンパク質

先ほども書いたように、肉や魚、納豆、豆腐などの食品に多く含まれます。タンパク質は骨作りの主材料になるため、しっかり摂ることが重要です。

タンパク質を多く含む食品の中でも、特に魚を意識して食べてほしいと思います。タンパク質以外にもビタミンB群や良質な脂質を摂ることができます。骨作りを効率的に進める栄養素を豊富に含みますので、ぜひ摂ってもらいたいです。

②ビタミンK

骨へのカルシウム沈着を助けるため、骨作りに重要な栄養素です。わかめや納豆、小松菜、ほうれん草、ひじきなどに多く含まれます。

③ビタミンD

キノコやサケ、マグロ、ウナギ、卵などに多く含まれます。ビタミンDはカルシウムの吸収を上げる働きがあります。

④カルシウム

牛乳やヨーグルト、ししゃも、しらす、小松菜、豆腐などに多く含まれており、乳製品だけでなく、色んな食品から摂ることができます。

終わりに

骨作りに必要な栄養素についてご理解いただけたでしょうか?よりイメージしやすくなるように、食事の写真を交えながらお伝えしました。

骨作りというとカルシウムというイメージが先行し、他の栄養素に対しての理解が乏しいと感じることが多くありました。カルシウムだけではなく、タンパク質やビタミンD、Kもバランスよく摂ることで、効率的に骨作りを進められます。

日々の食事への意識が少しでも上がってくれるとうれしく思います。今回書いた情報をぜひお役立てください。

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