おがちかつ

徒然に付き合って頂けたら幸いです

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  • 読書感想記

    読み終わった本の感想を徒然と。

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おなら

誰もいないから、その隙におならをしたら、 そういう時に限って 人が来るんですよね。 こっちは匂いでバレないかひやひやしているのを、知らないでしょうあなたは。

    • ガラスのうさぎ

      高木敏子さんの『ガラスのうさぎ』を読了した。 筆者少女時代の戦争体験をありのまま書き綴った本書、 子どもにも読めるように簡単な言葉で書き綴っているからこそ、 真っ直ぐ伝わってくる悲惨さがあった。 母と妹二人が行方不明になった直後、 父を機銃掃射で失った。 「わたしはほんとうに、ひとりぼっちになってしまった。戦争って、人と人との殺しあいではないか。でもわたしは、誰も殺していない。やっぱり、戦争なんかはじめるのがいけないのだ。だれがはじめたのか。」 8月15日の玉音放送、直

      • キング牧師〜人種の平等と人間愛を求めて

        岩波ジュニア新書 『キング牧師〜人種の平等と人間愛を求めて』を読んだ。 キング牧師といえば、公民権運動。 黒人のリーダーとして黒人のために活動した、という印象しかなかったが、 リーダーの孤独を嫌というほど経験した人物だった。 黒人に自分たちと同じ立場になってほしくない白人、 同じ黒人でも、キング牧師のやり方には賛同ができない黒人がいて 白人からも黒人からも批判を受け続けた。 自分を恨んでいるその人の為に行動しているのに、理解されない孤独は耐えられるものではなかったはずだ

        • たけくらべ

          現代語訳のたけくらべ、にごりえを読んだ。 吉原で少女から大人の女性になる姿を描いたたけくらべは、 少年少女の好意を抱く気持ちや嫉妬、周りを意識した言動になっていく成長の過程を、柔らかく描いているという印象を受けた。 にごりえは、遊女が客と心中に至るまで。 最後の最後、どういう心境で心中に至ったかは読者の想像に任せている。 どちらも最後は読者にゆだねているような格好だ。 自分の存在意義のようなものに深く頭を悩ませ、心が苛まれることは、人間誰しもあるが、 女性の、特に遊女の

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          12本

        記事

          結婚ってそういうもんじゃなくない?

          「結婚ってそういうもんじゃなくない?」 仕事から帰る道すがら、そんな声が聞こえてきた。 恐らく中学生、の女の子から放たれたその言葉が妙に耳に残ったので、 なぜその発言に至ったのかを想像してみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「結婚ってそういうもんじゃなくない?」 彩のお姉ちゃんが結婚するらしい。 おめでたいと思ったが、詳しく聞くと彩のお姉ちゃん、というよりその周りがあまり納得いかない様子。 彩のお姉ちゃんはとても面白い女性

          結婚ってそういうもんじゃなくない?

          ガラスの地球を救え

          手塚治虫の『ガラスの地球を救え』を読了した。手元に置いておきたい一冊だ。 手塚治虫の漫画はアトムとかブラックジャックをアニメで観ただけで、ちゃんと漫画で読んだのはアドルフに告ぐだけ。 それでも 数々の作品について、手塚治虫は こんなことを思いながら描いてたのか、 と感嘆した。 簡単な言葉で、身近な例で綴っていく言葉からは手塚治虫の謙虚な姿勢が表れているような気がした。 そしてここで綴られている手塚治虫の未来への危惧、その通りの今になっていることに気づく。 想像力の大切

          ガラスの地球を救え

          太陽の子

          灰谷健次郎の『太陽の子』を読んだ。 主人公のふうちゃんが、周りの大人の過去を知り、沖縄を知り、悲惨な歴史を知っていくその流れが丁寧に書かれていて、 ともすれば作者の主張の押し付けになりそうなところをふうちゃんの気付きとして上手にえがいていた。 子どもに読ませたい本、読み終わってまずそう思った。 自分の生はたくさんの死に連なっていて、 それを忘れてしまうのでは日本人の堕落だと言う。 歴史を学ぶ意義もそこにある気がする。 今自分が生きている時代は、 死んでいった人が喉から

          中原中也詩集

          特に読みたい本もなく 中原中也を読んでみた 詩というものの甘美さは 何度読んでもわからない ビールのうまさがわかっていくように 大人になれば大人になれば そういうものでもないらしい 彼の人生三十年 わたしは彼より長生きだ 長生きをして彼ほどの 想いをこの世に残したか 月に関する彼の詩は ああ、ああ、わかる、なんとなく 自由に文を書き綴るより 詩という型が道化を纏い 自由な思いを吐き出せた 自分を知ってほしいなら 中也の詩集をご覧あれ 自分の全てを出さなくて な

          中原中也詩集

          心に太陽を持て

          君たちはどう生きるかを読んで、 それが元々は山本有三が書く予定だったことを知り、 この『心に太陽を持て』を手に取った。 世界の偉人やそうでない人、エピソードを集めており、子どもたちのための本を、という思いが伝わってくる。 特に印象深かったのは 動物好きのトマスとファラデーの違いについて読者に問いかけているところ。 天性の動物好きで、 その方面で偉大な仕事が成せる資質を持っていたのに、何も残さず終わったトマスと 同じく根っからの科学好きで 電磁誘導の法則など様々なところで

          心に太陽を持て

          君たちはどう生きるか

          吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を読んだ。 岩波ワイド版というやつ。 叔父さんのノートの一言一言が、胸に迫ったもっと色々教えてくれ、とノートが出てくるのを心待ちにしてしまった。 目新しい教えがあるわけではないのだが、 思わず自分を省みてしまう言々句々だった。 言葉遣いだろうか、なんだろうか。 コペル君が友達との約束を果たせなかったくだりでは、 私自身も経験があり、かつリアルタイムで同じような状況になりかけていたこともあり、 胸が痛くなった。 山本有三が、子どもたちに読

          君たちはどう生きるか

          嫌な空気

          嫌な空気が漂い始めている。 野蛮なほうに野蛮なほうに。 戦火が止まず、 各地の火種がくすぶり始めている。 新たな盧溝橋はとうに過ぎた。 目には目を。 歯には歯を。 その辛酸を我々はとうに 嘗めつくしたのではなかったか。 1人1人が自身の野蛮に打ち勝て。 非日常に高鳴る鼓動を軽蔑するのである。 歴史を繰り返しているのではない。 過去から学ばず進んでいない。 むしろ後退しているのである。 このまま戦火が広がれば、 最大の犠牲を出して私たちはまた 学んだふ

          光る君へのような職場

          今放送している大河ドラマ、光る君へでは、 女性がコソコソ話している描写がよく出てくる。 このような女性のこそこそ話が、私の職場でもそっくりそのまま、ある。 広い宮中からまだしも、狭い我が職場であるので、 内容までは聞こえないが、こそこそ、ひそひそと、息が混じった声が、サ行を強調して飛んでくる。 それが気になってしまうし、 また、自分の何かやり取りをしたあとに、 そのひそひそをやられてしまうと、 自分に関する何かを話しているのでは、と気になり、気が滅入る。 そんな気にし

          光る君へのような職場

          あれになろう、これになろう

          吉川英治の小説『宮本武蔵』より 「あれになろう、これになろうと焦るより、富士のように黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間に媚びずに世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちを世の人がきめてくれる」 人生を山登りに例えることはよくある。 遠くに魅力的な山があり、近づいてみると意外と高いことがわかる。登ってみるが、なかなかしんどい。 後ろを振り返ると、また違う魅力をもった山が見える。そちらの山に行ってみると、これは登れそうだと登り始めるが、途中でやはりかなり

          あれになろう、これになろう

          シェフチェンコ詩集

          岩波のシェフチェンコ詩集を読む。 ウクライナの詩人シェフチェンコ。 その詩からは ウクライナを愛する気持ちとロシアに翻弄されるウクライナの運命を嘆く想いが感じられた。 ウクライナの国民の胸底にシェフチェンコの詩心が沈殿しているとしたら、 領土の争いが解決することはないだろうと思った。 どこからどこまでがウクライナか、ということは表面的なことであり、 ウクライナの自我が侵されることへの抵抗であるからだ。 侵し侵されの螺旋に入ることを望まない。 ウクライナとは、ロシアと

          シェフチェンコ詩集

          教養としてのダンテ

          佐藤優さんの 教養としてのダンテ「神曲」〈地獄篇〉 を読む。 縦横無尽に神曲とその時代、さらには現代を語り尽くしているが、 凡人の私には神曲と現代がどうしてそこまでつながるのか理解するまでには至らなかった。 ただ、これは佐藤優さんの読み方であり、 これが神曲の正解ではないということ。 大切なのは、 古典を自分に置き換えて読む、 そこに正解不正解はない、ということだと この本から学んだ。 折角、大変な時間と労力を費やして古典を読むのだから、 佐藤優さんのように縦横無尽に想

          教養としてのダンテ

          杉原千畝

          『六千人の命のビザ』を読む。 杉原千畝の功績は知っていたが、 この本の中の一文にゾッとした。 「それがアウシュビッツなどの収容所に送られて残虐な方法で殺されるまでになっていたのだと知ったのは、戦後になってからのことでした。」 ユダヤ人虐殺は、外交官の家族も知らなかった。 ということは、今起きている戦争においても知られていないだけで残虐なことが行われているかもしれない。 1日も早くまず停戦を。 そう願わずにはいられない。